僕こと、美少女なこぴぺたんは最近よく聞く「高還元SES」について調べ、考察した内容をここに記す。
※調査漏れ、考察漏れなどがあったらご指摘して貰えるとありがたいです。
始まりは甘い言葉
最近TwitterのDMで「高還元SESに興味ありませんか?」って来るんですが…興味ないわ!
でも、仕組みとしては気にはなるんですよね。
還元率○○%ってあって例えば80%の還元率なら単価100万だった場合は80万が手に入るのではないか?ってね。
深淵から覗こう
某SESに詳しい天使に聞いてみよ。
こぴぺたん「高還元SESっておいしいらしいじゃん?あれって実際どうなん?」
天使「俺も知らん」
こぴぺたん「なん…だと…」
気になるのがエンジニアの性なのでさらなる調査へ…
年収と単価
各社の年収を調べれば還元率から各社の単価が見えてくるのではないか?
一番多いゾーンが400〜500万。
低くて200万台、高くて800万台まで調査では確認。
※転職サイトや口コミサイトを利用
単価と還元率の幅によって下記の表のようになります。
例え、単価が安くても還元率が高ければそれだけ年収は高くなります。
単価 | 年収(還元率60~90%) |
---|---|
50 | 360~540 |
60 | 432~648 |
70 | 504~756 |
80 | 576~864 |
90 | 648~972 |
100 | 720~1080 |
※単価 = 100%として単純計算をしております。
還元率って何よ?
数社調べたところ還元率は様々で60〜80%くらいが多いようです。
さらには単価からの計算方法が各社によって違うため注意が必要です。
単価 = 100% のような計算をするところから交通費などを引いた額を100%として計算して、残り * 還元率 = 給与と計算して出していたり、この辺りはマチマチでした。
なので、還元率が高く見えても給与は還元率が低いところより低くなる という事もありえます。
仕事ってどうなの?
高還元SESの仕事ってどうなの?
普通のSEと何が違うの?と思いましたが基本的には SESと変わらない と結論付けました。
良い点
調査をしてて高還元SESの良いと思った点をまとめました。
- 還元率によって決まっているので単価が高くなればなるほど給与が上がる
- 案件が選べる
- チームで動かない
単価高い案件に入れるように、単価を上げてもらったりなど還元されるのでモチベーションが上がりますし、案件が選べるので自分のやりたい案件を選択、または抜けられたりするようです。
チームで動くことはないようなので同僚との関係性などで悩むこともありません。
多くの問題点
ただし、この良い点には多くの問題点が付きまとっていました。
スキルアップの難しさ
例えば、今は高単価だからといって特定の言語のみをやっていた場合、その言語の単価が下降してきた場合、どうキャリアを積むかです。
既存のSES会社の場合、言語チェンジ案件を探して入ってもらったりする形があります。
ただ、高還元SESの場合の還元率が問題になります。
未経験言語だから単価を低く提案したり、されたりします。そうなると 今度は給与が減ってしまいます 。
永遠のメンバー
個人でSESの現場に出るという事は基本的に「メンバー」扱いになると思います。
そうなるとリーダー経験などが積めません。
例えば40歳でリーダー未経験者…地雷臭しませんか…?
評価 = 単価
会社の評価が単価になります。
ただ、それだけなので新人の教育も必要ありませんし、また年齢が上がって案件に入りづらくなっても自己責任になってしまいます。
SESは還元率に関して法律がない?
天使「SESに関しては還元率の法律はないけど派遣に関してはは法律が決まってるでー」
こぴぺたん「なるほど」
そうやってヒントを得たこぴぺたんはさらなる調査を開始したのだ!
マージン率に関する法律
派遣会社はマージン率を開示する義務があります。
これは労働者派遣法(派遣法23条5項)で定められているからですね。
労働者派遣法(派遣法23条5項)
派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。
マージン率
派遣の還元率の計算は以下のように計算方法で決まってるようです。
派遣労働者の賃金(8時間換算)(平均) / 派遣料金(8時間換算)(平均) = マージン率
派遣の方が良いかも?
こぴぺたん「調べたらこれ、各社でマージン率をこねくり回す事がない派遣の方が良くない?」
天使「計算方法は各社でバラバラだから高還元って言いつつ実際もらえる額は還元率が低いところより低かったりするよ」
こぴぺたん「まだ法律もないからいくらでもやれるって事か!(ニチャァ」
感想
色々と調べてみましたが、僕個人としては全く行く気が湧きませんでした。
あくまで、フリーランスエンジニアの集合体 という印象を受けました。
新人の教育も不必要なので今後こういった会社が増えると新卒や未経験のエンジニアが就職するのは難しいかと思います。
また多くの会社が新人教育に費用を掛けて育成したところで還元率の良い会社に取られると、今後は新人教育を辞め給与を上げ中途しか採用しないという問題も発生すると思います。
在籍者の年齢も若めなのでこれから数年して年齢とともに案件の幅が狭くなったらどうなって行くかが注目かも知れません。
フリーランスにはなりたくないけど、とりあえず急ぎで転職したいとなどには有用かも知れません。
注意
あくまで調査の範疇での話を記載しております。
また、一部での会社ではあげた問題点の改善を行っている会社もあるようです。