概要
BluetoothモジュールのRN52を使ってヘッドセットを作りたい。
RN52のスピーカー出力はステレオで、作りたいヘッドセットはモノラルなのでミキサーが必要。
まずはスピーカー出力を確認するところからスタートし、ミキサーと差動増幅回路でモノラルのシングルエンド信号に変換するところまでやってみる。
実行環境
シミュレーション:LTSpice XVII(x64) 17.0.35.0
RN52のスピーカー出力
回路
RN52のメーカー推奨回路は下記。
※RN52のデータシートより引用。
RN52をBluetoothスピーカーとして使うだけなら下記の回路で動作した。
動作確認なので電源のパスコン等も省略している。
手持ちのLEDは高輝度タイプだったので、電流制限抵抗を大きめにして輝度を落としている。
3.3Vに電源を接続し、SW1を押すことでRN52が起動、RED_LEDが一度点灯し、BLUE_LEDが点滅する。
SW1を長押しするとBLUE_LEDとRED_LEDが交互に点滅するペアリングモードに入る。
ペアリングモードに入った状態で、スマホ等でBluetooth機器を検索すると「RN52-XXXX」(XXXXはMAC IDの下4桁)という名前でヒットするのでペアリングする。
※上記の機器名は工場出荷時の初期値。変更している場合は変更後の名前で表示される。
ペアリングが完了するとRED_LEDの点滅に変わる。
スピーカー出力の波形
作製した回路をスマホにペアリングして適当な音楽を流し、SPKRの出力に8Ω・500mWのスピーカーを接続して両端の電圧をそれぞれオシロスコープで確認。
※スマホ側の音量設定は最大。
CH1 : SPKR_L+ (黄)
CH2 : SPKR_L- (青)
出力波形は710mV付近を中心とした差動信号になっていた。
8Ωのスピーカーを繋いでみたところ、かすかに音声が聞こえる程度だった。
ステレオ⇒モノラル変換の方法を検討
まずはSPKRの右と左の波形を比較してみる。
ほぼ同位相の波形となっており、どちらも常に正電圧なので、ステレオ⇒モノラル変換は抵抗合成で問題なさそう。
なので回路構成としては、
・左右の+同士、-同士を抵抗で合成してステレオ⇒モノラル変換する
・扱いやすくするために1倍の差動増幅回路でシングルエンド信号に変換
・スピーカーアンプで信号増幅
シミュレーション
音声信号の扱いに慣れていないので、回路を組む前にシミュレーションで確認。
ステレオ⇒モノラル変換
まずはステレオ⇒モノラル変換回路をシミュレーションしてみる。
結果は足して2で割った波形になりました。こんなもんでいいかな。
次に差動増幅回路。オペアンプはNJM4580でシミュレーション。
ステレオ⇒モノラル変換で10kΩ相当の抵抗が付いていることを考慮して回路を組む。
※20kΩの並列接続なので、合成抵抗は10kΩ。
結果は+と-の差分と等しくなっているので計算通り。
最後にスピーカーアンプ。
…と思ったが、デジタル信号に偏った私の知識ではすぐに作れそうにないので別記事で。
面倒になったらオーディオアンプICにお任せするかも。
アナログ回路って難しいなぁ…