はじめに
大学生が在学する大学の非公式(一部公式)アプリを開発した例をまとめたいと思います。これは私が大学非公式アプリ開発を始めるための市場調査兼ねていました笑。
現時点(2024年4月)でiOS版ネイティブアプリのリリースが行われているものを対象とします。筆者の独自集計のため漏れがあるかもしれない点はご了承ください。
調査
1 芝浦工業大学「ScombApp」
これはかなり学生開発アプリの中では有名な事例だと思います。開発者の方が大学に相談したことがきっかけで、大学の公式アプリとして採用され学生エンジニアとして開発・保守を行なっているというなんとも素晴らしいエピソード付きのアプリです。
現在は専用のAPIまで用意されているとか...
2 早稲田大学「わせコマ」
こちらは早大生が早大生のために開発された非公式アプリです。時間割の登録が大学公式ポータルMyWasedaかSafariのボタンを押すだけでインポートできるようになっており基本的な機能のアクセスには大学のアカウント登録が必要無い点が特徴です。ただ現在のApp提供元が時間割アプリでお馴染みの(株)Penmarkが行っており学割機能等はそちらからの提供と思われます。
3 岡山理科大学「岡理アプリ」
現役岡山理科大生が開発行なっており、最寄りバスの時刻表示や各講義の学生によるレビュー機能が印象的です。個人的には細かなUIやバグの修正などこまめにアップデートが行われている点が好印象。
4 一橋大学「バシコマ」
モダンなシラバス検索ページ、シラバスのブックマーク・時間割機能などに加え、学生同士のコミュニティ機能も備えている。学生は嬉しい学務サイトへの自動ログイン機能なども搭載されており、個人的には非公式アプリとして必要な機能を全て盛り込んでいると思う。現在はコンピューター研究会を中心に運用が行われている。
5 茨城大学「茨城大学 (非公式)」
こちらは時間割のインポート・共有機能やタスク登録、キッチンカーの出店情報の確認などが行える。このアプリの特徴は、なんといってもiOS版のみの開発であるということ。それ故かどうかは分からないが、Appleの製品やサービスとの連携が素晴らしい。Apple Watchでの時間割確認、iPhone上の種類豊富なウィジェット、iCloudバックアップ、時間割のAirDrop共有等々... Appleユーザーは至れり尽くせりなアプリである。
6 徳島大学「トクメモ+」
こちらは大学webサービスへの自動ログイン機能を提供している。大学関連ページへのショートカットも充実している。トップページに様々なサークルが勧誘・告知やプロジェクトの宣伝を行うカードがあり、他アプリに比べてサークル関連のコンテンツに充実している点が特徴である。
7 九州大学「九州大学(非公式)」
こちらはリリースアプリ合計320万インストール(Xプロフィールより)を達成している開発者の方が開発した非公式アプリ。講義の過去問を先輩方がクラウドにアップロードすることで閲覧できる機能や先進的すぎて逆に使い所がないデジタル学生証などユニークな機能が多い。ストアレビューで提案された機能の実装も積極的に行われている。AppStore教育カテゴリ第94位という実績もある。
8 立教大学「St. Globe - 立教大学非公式空き教室検索アプリ」
こちらについては、開発者の情報が分からず学生の方なのか不明だが非公式アプリなので取り上げる。こちらは空き教室に特化しており、Apple提供のマップにオリジナルピンが立っているなどのこだわりは感じられる。オフラインで大学施設の営業時間を確認できる。
9 東京工業大学
その1「TitechApp3:東工大アプリ」
こちらは時間割の管理や課題の確認ができるアプリ。ポータルサイトやWi-Fiへの自動ログイン機能も提供されている。学生向けのアプリ開発等を行うサークルTitech App Projectが中心となっている。アプリ名の“3”にもある通りこれまで新バージョンのリリースを何度か行い現在の形になったものと思われる。Macアプリ版もリリースされている。
その2「T2Extension」
東工大のポータルログインでお馴染みマトリックスコードの管理ができる。筆者自身が使用したことはないが、Safariの拡張機能が提供されているので普段使っているブラウザで自動ログインができることは特徴的だと思われる。
10 東京大学「TIC - 東大生の時間割アプリ」
こちらは本記事執筆時点で1番新しく2024年度の開始とともにリリースされた時間割を主としたアプリ。科目毎にチャット機能やAIを利用した求人サービスも提供されている。大学周辺の飲食店のクーポン機能などオリジナリティのある機能が提供されていて、今後も豊富なコンテンツが提供されると思われる。アプリ提供者名は学生主導で設立されたスタートアップの企業名になっている。
11 帝京大学「UnitTraking~帝京大学の単位管理アプリ~」
こちらは既に市場が形成されている時間割ではなく、単位管理をテーマとしたアプリ。同じ講義を受講している人同志でチャットができるなど単位管理アプリながら高機能である。ここまでに紹介したアプリにも時間割から合計単位数を表示するアプリはあったが必修や選択必修、選択科目を区別して卒業要件と関連させているのはユニークである。
最後に
ここまでを踏まえると、大学非公式アプリもしくは学生による学生のためのアプリは、時間割機能を主軸にしつつも、各大学特有の不便さやシラバスに対応したユニークなアプリがたくさんリリースされています。
今回はiOS版が存在するものを対象にしましたが、Android版やWeb版、Windows用ソフト、コマンドラインを使うプログラム等々を含めれば膨大な量があります。ぜひ皆さんも自身の学校の非公式アプリを使ってみてはいかがでしょうか?
これ忘れてるよーみたいなものあればコメントで教えてください!
今回の調査で私のiPhoneは大学非公式アプリだらけで、どこの学生なんだよって見た目です...