SENSYN ROBOTICS(センシンロボティクス) Advent Calendar 2019 の 1日目 担当の @Chitama です。
センシンロボティクス という会社で Webやアプリを担当しています。
エンジニアも増えてアドベントカレンダーができるようになりました!🎉🎉🎉
今回は、ドローン事情の変化を振り返ってみたいと思います。
ドローン市場の温度感
一般的な注目度
Googleトレンドでどののくらいドローンが検索されたかの傾向です。意外にもこの2年は横ばいで微増といった感じでした。
ちなみに、近年いちばんドローンが世間をざわつかせたのは、ドローンの首相官邸落下事件です。
落下とは言っても黒塗りのPhantomが着陸状態で見つかっています。
出典:Google トレンド
メディアの注目度
実生活に即した取り組みややビジネスとして始動するニュースが多く、期待感だけなく実用化に向けて着々と進んでいると感じられます。
こちらは、2019年11月の一部。
DRONEII、ドローン配送についての考察。ロジスティック業界に異変あり
AIソリューション「AMY」を開発するAutomagi、君津市とドローンを使った橋梁点検の実証実験に参画
JR西系、ドローン会社に出資
飛行中のドローンを別ドローンで客観視 2画面と模型で操縦を簡単に 東北大など研究
その名はイカ。大砲から飛び出す砲弾型ドローン
サーマルカメラ搭載のドローンで失踪事件を解決したフォトグラファー
エンジニア界隈の注目度
エンジニア界隈での盛り上がり度として、Qiitaの記事件数を比較してみました。
ドローンとタグづけされた記事が2年前に比べて2.4倍に🎊
技術要素 | 2017 Qiitaヒット件数 | 2019 Qiitaヒット件数 |
---|---|---|
ドローン | 154 | 376 |
C# | 73,626 | 137,703 |
python | 26,599 | 61,123 |
PHP | 22,857 | 38,328 |
※ 2019年11月28日時点 | ||
※ 検索方法は技術要素をキーワード検索 | ||
※ Drone だと 352 件 |
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社外エンジニアにドローンのイメージを聞いてみると、「ドローン=簡単」、「ドローン=おもちゃ」というイメージを持っている人もいるので、一般的な認知としてはまだこれからといった感触です。 |
ドローン機体の進化
ドローンの分類
ドローンの用途を大きく分けて、軍事用と民生用の2つがあります。
さらに民生用ドローンは、3つに分けられます。
- 民生用ドローン
- トイドローン、ホビードローン、インドアドローン
- マイクロドローン
- 産業用ドローン
- 軍事用ドローン
トイドローン/ホビードローン/インドアドローン
一般的に200g以下のドローンです。
3千円前後でセンサーなしのドローンから、1万前後で機能満載のドローンなど様々な種類があります。
プログラミングやFPVが出来るトイドローンも出てきて、手軽なトイドローンの幅はますます広がっています。
先日発売されたばかりのたたみ式フライカム DJI Mavic Mini は、日本限定版の199g仕様なのでこのカテゴリです⌘⌘⌘
マイクロドローン
カスタマイズできる40g前後のドローンを指すことが多いです。
スピードや機敏性をスペックアップできるのでレース用ドローンと呼ばれることもあります。
ホビー用途で使うなら、トイドローンでできることも増えてきたので、大きさ以外の違いは少なくなってきました。
産業用ドローン
メディア、農業、エネルギー、インフラ、建設といった現場で、様々な業務を行うドローンです。
軍事用ドローン
各国の軍隊が国防やテロ防止のために開発しているドローンです。
監視だけなく、兵器としての利用も始まっています。
主なドローンの機体メーカー
世界で3大主要ドローンメーカーといえば、近年は顔ぶれは変わらず、
軍事用ドローンを除くと、DJIの世界シェアは7割といわれています。
日本の国内シェアもほとんどビッグ3です。
国内メーカのこれからに期待です!
ドローン制御の進化
今年の2月に報告された全世界のドローン関連特許状況をみると制御系の進化は活発です。
平成30年度 特許出願技術動向調査-ドローン-(2007〜2017年の統計)
課題別の傾向
- 制御の高度化:4,725件
- 機体の性能の向上:3,010件
- 低コスト化:1,262件
機体(通信)別の傾向
遠隔操作系が多く、セキュリティが少ないです。
遠隔操作では、ドローン機体の操縦操作やカメラなどの付属機の操作ができます。
出典:平成30年度 特許出願技術動向調査-ドローン-
自動制御系の傾向
オートパイロットが多く、AIが少ないです。
オートパイロットは、人間が事前に作成したルートやカメラアクションをドローンに送って自動飛行させたり、自動撮影させたりすることです。
AIは、人間が介在せずドローンが自分で判断して、飛行したり写真を撮影したりする自律型のドローンです。
出典:平成30年度 特許出願技術動向調査-ドローン-
ドローンソリューションの進化
先ほどの 平成30年度 特許出願技術動向調査をみると点検分野では「鉄塔・送電線」がダントツに出願されています。
SENSYN ROBOTICS も今年提供を開始したSENSYN FLIGHT COREに鉄塔点検できるサービスを追加しました✨
SENSYN ROBOTICSでは他に、今年1年で2つの軸となるドローンソリューションを提供開始しました🎉
かんたんなフライト設定で事前に作ったルートをドローンの自動飛行から実績管理ができる SENSYN FLIGHT CORE
-
業務自動化統合プラットフォーム SENSYN FLIGHT CORE
自動飛行に加えて、自動離発着や自動充電などを備えたSENSYN DRONE HUB
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完全自動運用型ドローンシステム SENSYN DRONE HUB
企業への導入、実証実験が着々と増えてきています。
その他、各社とも続々とソリューション提供を開始しています。
海外では、宅配ドローンも始まっています。
法律の変化
今年もドローンに関する法律が一部改正されました。
2019年5月17日 及び 2019年6月13日付けで改正
ドローン規制について改正された法律は、次の3つです。
- 小型無人機等飛行禁止法
- 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法(ラグビー特措法)
- 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法 (オリパラ特措法)
飛行禁止対象施設に次の5施設が追加されます。
- 自衛隊施設
- 米軍施設
- ラグビーW杯大会会場
- 東京オリンピック・パラリンピック大会会場
- 空港
ちなみに、小型無人機等飛行禁止法の改正なので、200g未満のドローン(トイドローン)も規制対象です。
2019年9月18日付けで施行
次の法律と省令が一部施行・全面施行されました。
追加されたポイントは6つです。
- 飲酒時の飛行禁止
- 飛行前確認
- 衝突予防
- 危険な飛行禁止
- 一部の空港における禁止空域の拡大
- 航空法違反の罰則
航空法違反の罰則については、航空法および飛行ルールに違反した場合、50万円以下の罰金が課されることがあります。
さらに、今回追加された飲酒時の飛行禁止に違反した場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が課されることがあります。
また、観光客によるドローントラブルも増えているので、海外旅行者向けての注意喚起も急務となっています。
出典:警視庁テロ総合対策本部のリーフレット
個人的 2019年の振り返り
担当プロダクト的に業務でドローンに触れる機会が少ないので、プライベートでトイドローンを飛ばして遊んでいました。
既成のトイドローンでも十分楽しいのですが、次は機械いじりができるマイクロドローン作り&FPV飛行に挑戦です。
FPVは無線を使う免許が必要なので、次回はドローンまわりの資格についてお伝えしようと思います。
2日目はフィールドエンジニアからインフラエンジニアまで多彩にこなす @t-noguchi さんが Kubernetes導入 についてお伝えします✨