はじめに
この記事は、縁あって2020年1月から働き始めた純粋数学出身元大学院生のド新人プログラマが体験した思い掛けない出会い(ソフトウェア的な意味で)とその後を淡々と綴るものです。過度な期待はしないでください。
三行で
- 研究の道を断念して民間で就活し、色々あって Web エンジニア職で拾って頂けた
- いつの間にか見知らぬ有能ソフトウェアとマブい友達になっていた
- FileMaker はいいぞ。
というわけで、本記事は就職して初めて知った FileMaker くんとのまだ短い付き合いからその機能を紹介するものです。
現状ググって参考にできるほど先人の知見が蓄積されているとはお世辞にも言い難いので、魅力を世に発信することであわよくば FileMaker Pro のユーザが増えたらいいな、とも考えています。
想定している読者
- FileMaker のユーザ・将来のユーザ
- 大まかにプログラミングに興味のある方
- 似たような年齢・経歴の方々
- 未来の自分
玄人の方へ
筆者自身もまだ学習中の身ですので、多少の心得違い等ご容赦願います。
「こういう機能もあるよ」などコメントを頂けると大変助かります。
FileMaker あれこれ
FileMaker is 何?
- Claris 社が開発しているデータベース管理ソフトウェア
(弊社1 では2020年5月現在 FileMaker Pro 17 Advanced を利用) - ライセンスは有料(≒ちょっと入手して遊んでみようというユーザが少ない)
- 直感的に扱いやすい
- 機能が充実している(後述)
- Win と Mac に対応
弊社では社内システムの一部を FileMaker に依存しているだけでなく、新人研修に FileMaker の仕様や取扱のイロハが含まれており、程度の差こそあれ全職員必須のスキルと言えます。
逆に言えば、複雑なスクリプト(後述)をブラックボックスとして利用するユーザが一部に存在しても組織としては差し支えなく、PC の操作が得意でない人に忌避感をそれほど与えない見た目であることも長所の一つです。
更に1つのファイルを疑似的な Web ページのように構築したり2 、共有ファイルを仮想的なスケジュール表として利用したりすることも可能で、データ管理に限らないユーザ側の工夫の余地が多く残されているように感じます。
どんな機能があるの?
-
自由度の高いデータベース管理
見た目を一言で表現するなら「1行31ページでセルの配置が自由な Excel」
(表形式での表示との切り替えが任意) -
視覚的なわかりやすさと GUI への優しさ
可視化されたデータ多大な機能(文字入力以外の操作をマウスだけ行うことも一応可能) -
別テーブルとの連携(リレーション)
別テーブル(別ファイルでも可)の特定の項目との条件付けでデータを参照できる
⇒いちいち複数のテーブルを見比べる必要がない -
他形式のデータとの連携
インポート(MySQL, CloudSQL etc.)・エクスポート(csv, tsv, xml etc.)が容易 -
ファイル共有とセキュリティ
ファイルをホストコンピュータ上に置くことで、管理者が各ユーザに閲覧・編集権限を付与する形で共有が可能(ファイルを開く際のパスワードはユーザごとに設定させる) -
スクリプト
日本語ベースで記述され、選択肢からコマンドを選ぶことで4 メニュー内の操作や「ここに指定した内容を書き込む」等のステップを組み合わせて処理を自動化することができる FileMaker の華(1ステップずつのデバッグも可能)
所謂「開発側」の仕事はスクリプトを用いて種々の事務的な処理を自動化することが主で、筆者も既にスクリプトの作成に関与しています。
触った感触としては、どのような機能が存在するか(完璧に網羅する必要はありません)及び If 文や Loop 処理さえ把握していれば単純明快です。後々掘り下げてお話をする機会を作りたいと思います。
次回予告
次回の投稿から本題である機能の紹介に入ります。
FileMaker には特有の用語が沢山ありますが、基礎的な部分(フィールド、レコード、テーブル、レイアウト等)を押さえつつ、見本ファイルの画像を貼りながら解説していきたいと考えています。
下手に一から説明して入門書の下位互換になってしまっても詮ないので、私が経験したような実践から入れる形も視野に入れています(それが必ずしも読者への優しさに繋がるとは限りませんが……)。迷走や試行錯誤が続くかもしれませんが、初学者のたわごとと思ってご容赦ください。
なお、既に FileMaker の知識をお持ちの方向けには、弊社の先輩が投稿した記事をお読み頂くことを強くお勧めします。いずれも独自性と読み応えがあります。
ひとまず、隔週更新ぐらいで続けられればいいなと思っています。
それでは次の記事でお会いしましょう。