LoginSignup
164
90

500万円のAWSサービスを申し込んでしまった話

Last updated at Posted at 2023-12-18

はじめに

数年前に500万円のAWSサービスを申し込んでしまうという事件がありました。
以前にLTで発表したネタですが、今回記事にしました。

過去のセッション資料

背景:AWS教育環境

  • AWSの社内教育を目的として自由に利用できるAWSアカウントを用意
  • 一部のメンバーに管理権限を付与
  • 利用ルール
    • IGWやNATなどの作成禁止(社内プロキシを経由させる)
    • VPCピアリングの禁止
    • 不要なリソースは削除、利用する期間のみ起動

事件発生

ある日突然、AWS教育環境で高額のAWS利用料金が発生

image.png

3000ドルのサブスクリプション!?

AWS Shieldってなに?

マネージド型のDDoS攻撃保護サービス
WEBサービスへ大量リクエストしサーバーダウンさせるような攻撃に対する防御ができる

Standard料金:無料
Advanced料金:1ヶ月3,000 USD、1年間のサブスクリプション契約

3,000$×12ヵ月×為替142円 = 約500万円!?

申し込み方法:マネジメントコンソールで数クリック

image.png

image.png


すごく簡単に申し込めますね!

対応

  • CloudTrailで調査し、ユーザーの操作を確認
    • 結果、料金を確認せずに契約してしまったことが判明
  • とりあえずキャンセルしようするもマネジメントコンソールからキャンセル不可

対策

その後の対策として下記4点を実施しました

  1. 事前教育
  2. 適切な権限設定
  3. Slack通知
  4. 請求アラート

対策1:事前教育

IAMユーザーの発行前にAWSの基本教育を実施
下記の3つのe-learningに合格すること
image.png

対策2:適切な権限設定

  • 管理権限は原則提供しない
  • 提供するポリシーでは下記のActionを明示拒否
    • shield:CreateSubscription
  • 設定可能であればOrganizationsのSCP設定で拒否する

対策3:slack通知

毎日slackでAWS利用料を通知
いつでも気軽に利用状況が分かる
image.png

対策4:請求アラート

  • 請求アラートを設定
    • CloudWatchメトリクス
    • 一定額を超えた場合にメールで関係者に通知
    • 10日、20日時点で〇〇ドルを超えた場合に発報
  • 現在は他にも機能あり
    • AWS Budgetsのアラート機能
    • AWS コスト異常検出(AWS Cost Anomaly Detection)

まとめ

  • AWSには簡単に契約できてしまう高額なサービスが存在します
  • あらかじめ対策しておきましょう!
    • 適切にユーザーの権限を設定
    • AWS利用前の教育ルールを策定
    • 請求アラートなどの検知機能を設定
164
90
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
164
90