LoginSignup
0
0

More than 5 years have passed since last update.

世界初の"培養"ステーキの生産へ - イスラエルのスタートアップ

Last updated at Posted at 2018-12-25

原文 - Israeli Company Claims Invention of First ‘Lab Grown’ Steak : 2018/12/19

イスラエルの会社であるAleph Farmsは、実験室で「成長する」世界初のステーキを生産したと発表した。

テルアビブ(イスラエルの人口第2位の都市)に本拠を置くAleph Farmsの研究者たちは、動物を屠殺しない方法で食用肉の製造に成功したと発表した。同社の発明は「本物の牛ステーキの食感と構造」であると主張している。

Shulamit Levenbergは、Aleph Farmsの共同創設者であり最高科学責任者。彼女は、同社の製品は「クリーンミート」だと考える。これは、清潔で管理された環境で育ち、動物を殺す必要がないためだ。

培養肉生産に反対する者の中には、「クリーンミート」という用語を用いるべきでなく、「合成肉(synthetic meat)」がより正確な表現であると主張する。多くの企業が、野菜をベースにした製品でリアルな肉の代用品を作り出そうとしてきた。他にも、米国を拠点とするJust社のような企業も、研究室で培養された牛肉を生産する計画を行っている。

このプロセスは、科学者が実際の牛から細胞組織を集めることから始まる。 Aleph Farmsは、これは動物に害を与えることなく簡単に終えるとしている。それから抽出された細胞は成長するための栄養分を与えられ、分裂、培養が進められていく。

そうして培養された細胞は3D技術を使用して、ステーキチップ(注:意訳。原文では"realistic tissue")に形作られる。同社によれば、3週間という短い期間で肉片を製造することができ、1枚の製造にかかる費用は約50ドルとのこと。

Levenbergによると、これまでラボで培養される動物肉は、たいてい1種類または2種類の細胞組織の単純な構造に限られているそうだ。これでは本物のステーキと同様の食感、形、味を楽しめる肉を生産するのは難しい。そのため、これまでのところ細胞培養で作られた食肉製品の開発は、(1種類または2種類の肉をブレンドすればよい)ひき肉に限られていた。

Levenbergによると、Aleph Farmsはこれまで食べられてきたステーキと同様の「4種類の動物細胞」を使用して、筋肉、脂肪および結合組織を含む、ステーキの同じような特性を含む肉片を作り出すことができた。同社はこの生成手法を、消費者が望む牛肉に食感を近づけるための重要なものだと考える。

Aleph FarmsのWebサイトには、ステーキの調理、下準備、食べ方に関するビデオが掲載されている。

更に生産コストを下げるために、同社はまだ技術開発を続けていく方針。ステーキ製品は2年以内に販売される予定だ。 Aleph Farmsは、この生産方法によって、これまでの牛肉の生産に必要な土地、水、食料資源の量を大幅に減らすことを期待している。

国連食糧農業機関(FAO)は、肉の需要は2050年までに70%近く増加すると予測している。それにより世界中で資源不足を引き起こし、環境に悪影響を及ぼす可能性があると述べる。

2018年の初め、オランダのMosa Meat社は2021年までに培養肉を製造、レストラン向けに販売する計画を発表した。同社は2013年に発表して以来世界で初めてラボで培養肉からハンバーグを製造した。

Mosa Meat社も同様のプロセスを使って牛肉を作るが、Mosa Meat社はステーキではなく、主にハンバーガーを作るための牛挽き肉製品の発売を開始する予定だ。

同社は、培養肉の生産プロセスでは、これまでの食肉生産よりも96%少ない温室効果ガスの排出量にとどまり、加えて、99%少ない土地と96%少ない水で生産できるとしている。(編集:Bryan Lynn)

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0