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ランチにPicoはいかがでしょうか~第4話 C/C++ 開発環境の導入~

Last updated at Posted at 2021-02-08

ごきげんよう、ちゃまおです。

今回の記事では、Windows10でC/C++を用いてRaspberry Pi Picoの開発をする為の環境導入について解説します。Micro Pythonの開発環境導入は第2話に記載しているので、そちらをご覧下さい。

本題に入る前に

スペック違いによるエラー等は考えにくいのですが、念の為に、C/C++の開発環境を導入した私のパソコンについて、必要最低限の情報を載せておきます。

OS: Windows 10 Pro (64bit)
OSバージョン: 2004

CPU: Intel (R) Core(TM) i7-4770HQ CPU @ 2.20Hz
RAM: 16GB

Windows 10には、ローカル環境でLinuxを動かす事が出来るWindows Subsystem for Linux(通称WSL)があります。ただ、今回の記事では、WSLを用いた開発環境導入の方法については取り上げません。

また、CUIでのコマンド操作(ディレクトリの移動)や、PATHの追加方法などは知っている前提で書きますので、ご了承ください。

開発環境の導入について解説

ここからは、Getting started with Raspberry Pi Picoのp.35-40を参考に、解説していきます。まずはインストールするものが全部で6つあります。

1. ARM GCC compiler

(2021年2月8日時点での最新版は10-2020-q4-major)

リンクの一番上にあるWindows 32-bit Installerのexeファイルをダウンロードして、インストールしましょう。32bit版のみですが、64bitのパソコンでも問題なく動きます。注意点としては、下図の上から3つ目にある"Add path to environment variable"にチェックを入れ忘れない事です。

armgcc4.png

2. CMake

(2021年2月8日時点での最新版は3.19.4)

CMakeは、32bit版と64bit版の両方用意されていますので、お使いの環境に合わせてダウンロードとインストールを行いましょう。どちらにしてもmsiファイルのダウンロードがお勧めです。スクショを忘れてしまいましたが、Install Optionsの所では、"all usersへPATHを追加する"の文章をクリックします。ただし、私の実行環境ではPATHが追加されていなかった為、手動で追加を行いました。

3. Build Tools for Visual Studio 2019

リンク先をスクロールしていき、「Visual Studio 2019のツール」のタブを開くとBuild Tools for Visual Studio 2019が見つかりますので、ダウンロードとインストールしましょう。Getting started with Raspberry Pi Picoのp.36には

8.2.1.3 Installing Visual Studio Code"

と書かれていますが、恐らく記載ミスです。

インストールの際は、下図の通りの場所にチェックマークを入れましょう。

vs2019-4.png

4. Python

(2021年2月8日時点での最新版は3.9.1)

PythonはRaspberry Pi Pico以外でも使い道はあり、例えば、機械学習のフレームワークとして有名なTensorflowのシステム要件を読むと、Python3.5-3.8と書かれているので、最新版をインストールする事は必ずしも良いとは限りません。

Getting started with Raspberry Pi Picoのp.37ではPython 3.7を扱っていた為、私はPython3.7.9を選び、x86-64 executable installerのexeファイルをダウンロードしました。

下図ではカスタムインストールを選びましょう。

python379-1.png

下図では一番上の"Install for all users"にチェックを入れましょう。

python379-3.png

下図では"Disable path length limit"をクリックしておきましょう。

python379-4.png

5. Visual Studio Code

(2021年2月8日時点での最新版は1.53.0)

注意点としては、PATHの追加項目にチェックマークを入れ忘れない事で、それ以外は特段難しくなかったと思います(私はかなり昔にインストールしたので、記憶が曖昧です、すみません)。

6. Git

(2021年2月8日時点の最新版は2.30.0)

私は"Git for Windows Setup"の64bit版を選び、ダウンロードとインストールしました。Gitのインストールは選択項目が多くて非常に大変でした。以下では、私が選んだ項目のスクショを貼り付けますので、インストールの参考にして頂ければと思います。

git2.png

git3.png

git4.png

(注)下図ではVisual Studio Code以外にもエディターを選択できますが、パソコンにインストール済みのエディタしか選択できません。

git5.png

git6.png

git7.png

git8.png

git9.png

git10.png

git11.png

git12.png

git13.png

git14.png

SDKとサンプルコードのダウンロード

必要なもの全てのインストール作業が終わったら、GitのBashを起動させて、インストール作業を行いたいディレクトリに移動して、Getting started with Raspberry Pi Picoのp.38に書いてあるコマンドを打ちます。

git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-sdk.git
cd pico-sdk
git submodule update --init
cd ..
git clone -b master https://github.com/raspberrypi/pico-examples.git

Developer Command Prompt for VS 2019を用いたサンプルコードのビルド方法

次に、Developer Command Prompt for VS 2019を起動させます。Getting started with Raspberry Pi Picoのp.39によると、

setx PICO_SDK_PATH "..\..\pico-sdk"

と書かれていますが、この通りに打ち込まないように!!!(私は、この通りに打ち込んで、失敗しました)

こちらの解説記事が分かりやすかったのですが、要するに、先ほどのコマンドは、「pico-sdkフォルダをダウンロードした場所を、"PICO_SDK_PATH"と言う名前でPATH設定してね。」と言う意味です。

終わったら、ダウンロードしたpico-examplesのフォルダに移動します。そこで以下のコードを打ってください。

mkdir build
cd build
cmake -G "NMake Makefiles" ..
nmake

パソコンのスペックにもよりますが、ビルド完了までそれなりに時間が掛かります。無事にビルドが終わると、pico-examples -> buildフォルダ内の各サンプルフォルダの中にUF2ファイルが生成されます。あとは、お好きなUF2ファイルをRaspberry Pi Picoに書き込めば動きます。

Visual Studio Codeを用いたサンプルコードのビルド方法

Getting started with Raspberry Pi Picoのp.39によると、Developer Command Prompt for VS 2019を立ち上げ、codeと打ってVisual Studio Codeを立ち上げる事で、ビルド環境の導入が楽になるみたいです。

Visual Studio Codeには、拡張機能があり、これを上手く活用する事で、快適なコーディングが行えます。

インストール直後は英語のメニューになっているので、日本語の拡張機能を入れましょう。左下の歯車マークか、Ctrl + Shift + Xで拡張機能を開きます。検索窓があるので、"Japanese Language Pack for Visual Studio Code"を検索して、インストールします(下図)。インストール後の設定方法は、使用法の所に記載があるので、それを読みながら作業してください。

VSCode_CLang.png

続いて、"CMake Tools"を検索して、インストールします。

VSCode_CMake_1.png

CMake Toolsの設定を行う為に、歯車マークか、Ctrl + ,で設定を開きます。設定画面左下の拡張機能タブから"CMake Tools configuration"を選びます(下図)。

VSCode_CMake_2.png

"CMake Tools configuration"の設定画面を下にスクロールしていくと、"Cmake: Configure Environment"が見つかります。Developer Command Prompt for VS 2019を立ち上げ、codeと打ってVisual Studio Codeを立ち上げている場合は、自動で「項目: PICO_SDK_PATH、値: ご自身で設定したPICO_SDK_PATHの場所」となっていると思います。空だったり、間違っていた場合は、正しく設定してください。

さらに下にスクロールすると"Cmake: Generator"が見つかります。Developer Command Prompt for VS 2019を立ち上げ、codeと打ってVisual Studio Codeを立ち上げている場合は、自動で「NMake Makefiles」となっていると思います。空だったり、間違っていた場合は、正しく設定してください。

設定が終わったら、Visual Studio Codeの左上から「ファイル -> フォルダを開く」を選択し、pico-examplesフォルダを選択します。そうすると、上の方に「pico-examplesのキットを選択してください」と言う画面が自動で出てきますので、"GCC for arm-none-eabi"を選びます。下の青い枠内で「キットが選択されていません」と言う文字が見えると思いますが、キットを正しく選択したら「GCC for arm-none-eabi」に代わります。

キット選択後は、自動でCMakeが行われるので、終わるまで待ちます。終わったら、下の青い枠内にある歯車マークを押す事でビルドされます。私の環境では未確認ですが、CMake後に自動でビルドされる設定があるかもしれません。

VSCode_CMake_4.png

無事にビルドが終わると、pico-examples -> buildフォルダ内の各サンプルフォルダの中にUF2ファイルが生成されます。あとは、お好きなUF2ファイルをRaspberry Pi Picoに書き込めば動きます。

非常に長くなりましたが、解説は以上になります。お疲れ様でした。

次回予告

開発環境が整いましたので、次回は自分で書いたコードのビルドと実行方法を書く予定です。

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