LPIC202試験の出題項目のうち、よく似ていて混同しやすい内容を横断的に整理しました。
サマリ
- サーバ or ツールとその役割・特徴
- サーバ or ツールのメイン設定ファイルと書式タイプ
- 構文チェックコマンド
- オマケ(筆者の受験履歴と勉強方法)
1. サーバ or ツールとその役割・特徴
サーバ or ツールとその役割・特徴です。
※一部サーバ or ツールではないものもありますが、ご了承ください。
対象サーバ or エージェント | 役割 |
---|---|
BIND | 名前解決(ホスト名とIPアドレスの相互交換) →代表的なDNSサーバソフトウェア |
Apache | Webサーバ バーチャルホスト機能、MPM機能あり |
Squid | プロキシサーバ →クライアントからのアクセス制御、キャッシュによるアクセス高速化 |
Nginx | Webサーバ →高速で負荷に強い、リバースプロキシ、メールプロキシの機能あり |
Samba | Windows以外のOSでWindowsのファイル共有の仕組みを実現 →ファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインコントローラetc |
NFS | ネットワークを介してファイルを共有 →Unix系OS同士で使用 |
DHCP | サーバプールのIPアドレスをクライアントへの割り当て |
PAM | 認証方式の一元管理 |
LDAP | ディレクトリサービス →情報をDITで保持・提供 |
Postfix | MTA(Message Transfer Agent) →メッセージ転送 |
Procmail | MDA(Mail Delivery Agent) →MTAから受け取ったメールを個々のユーザ―に配信 |
Dovecot | MDA(Mail Delivery Agent) →POP3, IMAP, POP3S, IMAPSに対応 |
Sieve | メールフィルタリング(プログラミング言語) |
SSH | リモートホスト間の通信を行うためのプロトコル →協力な認証機能と暗号化により、高いセキュリティを提供 |
VPN | 仮想プライベートネットワーク →公衆ネットワークを介し、専用回線で接続されているかのようなプライベートなネットワークを構築する技術 |
2. サーバ or ツールのメイン設定ファイルと書式タイプ
サーバ or ツールのメイン設定ファイルです。
※パスは代表的なものであり、使用するサーバ上では異なる場合もあります。
書式に着目し、
タイプ | 書式 | |
---|---|---|
① | BIND型 | オプション 設定値; |
② | Apache型 | オプション 設定値 |
③ | Samba型 | オプション = 設定値 |
④ | その他型 | ①~③のどの書式にも該当しないもの |
の大きくわけて4タイプに分類してまとめました。 |
①BIND型(オプション 設定値;)
対象サーバ or エージェント | 設定ファイル | 記述例 |
---|---|---|
BIND | /etc/named.conf | recursion yes; |
Nginx | /etc/nginx/nginx.conf | proxy_pass http://localhost:8080; |
DHCP | /etc/dhcpd.conf | option routers 192.168.0.1; |
②Apache型(オプション 設定値)
対象サーバ or エージェント | 設定ファイル | 記述例 |
---|---|---|
Apache(Red Hat系) | /etc/httpd/conf/httpd.conf | ServerName www.example.com |
Apache(Debian系) | /etc/apache2/apache2.conf | 同上 |
Squid | /etc/squid/squid.conf | http_port 8080 |
NFS | /etc/exports | /share 172.16.0.0/255.255.0.0(rw) |
OpenLDAP | /etc/openldap/slapd.d(ディレクトリ) or /etc/openldap/slapd.conf |
include /etc/openldap/schema/core.schema |
OpenSSH | /etc/ssh/sshd_config | LogLevel INFO |
OpenVPN | /etc/openvpn/server.conf | port 1194 |
③Samba型(オプション = 設定値)
対象サーバ or エージェント | 設定ファイル | 記述例 |
---|---|---|
Samba | /etc/samba/smb.conf | workgroup = WORKGROUP |
Postfix(基本設定) | /etc/postfix/main.cf | mydomain = example.net |
Dovecot | /etc/dovecot/conf.d(ディレクトリ) or /etc/dovecot.conf |
protocols = imap imaps pop3 pop3s |
④その他型 ①~③のどの書式にも該当しないもの
対象サーバ or エージェント | 設定ファイル | 記述例 |
---|---|---|
PAM | /etc/pam.d(ディレクトリ) or /etc/pam.conf |
auth required pam_securetty.so |
Postfix(各種デーモン) | /etc/postfix/master.cf | smtp unix - - n - - smtp |
3. 構文チェックコマンド
対象サーバ or エージェント | 構文チェックコマンド |
---|---|
BIND | named-checkconf |
Apache(Red Hat系) | apachectl configtest |
Apache(Debian系) | apache2ctl configtest |
Squid | squid -k parse |
nginx | nginx -t |
Samba | testparm |
OpenLDAP | slaptest |
Postfix | postfix check |
4. オマケ(筆者のLPIC受験履歴と勉強方法)
筆者のLPICの受験履歴と勉強方法です。
年月 | 受験試験 | 得点(合否) | 勉強期間 | 勉強方法 |
---|---|---|---|---|
2019年3月 | LPIC101(Ver4.0) | 590/800(合格) | 3週間 | Ping-t |
2019年4月 | LPIC102(Ver4.0) | 660/800(合格) | 1ヶ月 | Ping-t |
2019年7月 | LPIC201(Ver4.5) | 540/800(合格) | 1ヶ月 | Ping-t |
2019年8月 | LPIC202(Ver4.5) | 450/800(不合格) | 1ヶ月 | Ping-t |
2019年9月 | LPIC202(Ver4.5) | 660/800(合格) | 上記+1ヶ月 | Ping-t、小豆本(※1)、白本(※2) |
※1 小豆本:Linux教科書 LPICレベル2 Version 4.5対応 | 翔泳社
※2 白本:Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.5対応 | 翔泳社
試験の感想など
どの試験でも、試験学習サイトPing-tにお世話になりました。
解説が充実していて、オススメ!
LPIC1試験は基礎的な知識を問う内容。Ping-tをやりこめば十分合格可能。
LPIC2試験もping-tのみでも合格は可能かと思いますが、
・より深く、かつ、実践的な内容を問われること
・不合格だった場合の精神的、費用的負担
を考慮すると、最初から上記の書籍も購入して臨んだほうがよいかと。
また、LPIC202はLPIC1, 201と系統が異なるので注意が必要です。
これから受験される皆様、頑張ってください!
参考
Linux教科書 LPICレベル2 Version 4.5対応 | 翔泳社
3.設定・起動 | Squid
13.6. Squid の起動と停止 | Turbolinux 11 Server: ユーザーガイド
[【LDAP環境構築:6】 コマンドまとめ | Qiita] (https://qiita.com/mykysyk@github/items/5496ad57ac589119ff54)