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データドリブンCSへの道のり

Last updated at Posted at 2021-12-12

■はじめに

はじめまして!
モバイルゲームのCSをおもに十何年間対応していたY.Oと申します。
現在の業務もNativeアプリなど、CSを担当領域としております。
今回取り上げるテーマはデータドリブンのCSです。
前置きするとデータドリブンといっても現在のところ、石垣を積んでいる段階です。そのため大きな成果までには至っていないことから、背景や取り組みの一部に焦点を絞ってお話ししたいと思います。

■CSの役割について

データドリブンとは一般的には、『データを総合的に分析して、未来の予測、意思決定、企画立案などに役立てる』、また『データを可視化して課題解決に結びつけること』を指すようです。
CSにおいて、なぜデータドリブンをより強く意識することになったのかといえば、お客さまの満足度を高める製品やサービスに資する、付加価値の高い組織へ変えたい、という動機が大きな要因の一つとなっています。
長年CSを携わってきたのですが、プロダクト(開発/運営)と比較してCSは、定量的なデータから分析することや、その分析したデータから提案するスキームが弱い印象でした。
CSをコストと考えてCSにそこまで求められていなかった、ということもありますが、従来のCSにありがちなオペレーション改善での効率化やVOCを伝えることに長けている、、、ぐらいの特性では、組織も人も生き残るが厳しい、、、という考えが根底にあります。

■取り組みについて

上記からCSでの分析と改善提案力を高めるため、定量的なデータを分析する素地を高めるようにいろいろ模索しています。ただ、上述の通り取り組み始めたばかりなので、大きな成果までは出ていません。
そのため今回は取り組んだCSポートフォリオ分析の一例を説明いたします。

■CSポートフォリオ分析について

●導入の背景

お客さまの日々のお問い合わせや要望から改善提案を行う際、問い合わせの件数や規模などのある種平面的な情報をもとにすることが多く、どのお客さまの層で、どの優先度で、、、というような複合的な情報が不足するなど、分析が希薄な提案となっていました。
上記課題に対して、CSポートフォリオ分析、という手法を用いることにより、単なる提案からデータに裏付けされた、且つ、明確な改善の優先順位を添えた提案ができることから、一部タイトルより実施を進めました。

●分析手法

CSポートフォリオ分析を簡単に説明すると、サービスに対する『重要度』と『満足度』を4象限でマッピングし、改善の優先度を可視化する手法です。
『重要度』と『満足度』の概要は以下の通りです。
・重要度:項目別の満足度と総合的な満足度との相関度の強さ。総合満足度へ影響を与える度合い
・満足度:サービスや製品の各項目、各機能に対する満足度合い
「重要度」をX軸、「満足度」をY軸とし、改善への優先度を『重点改善項目』『重点維持項目』『維持項目』『改善項目』に分けて可視化します。
改善の優先度は①→②→③→④で判断します。(但し状況やサービス内容によって順番は変わります)
AC.PNG

●運用について

実際の運用は以下のような流れとなっています。
①お客さまアンケートを実施
②お客さまのサービスの利用状況等の情報からセグメント化
③セグメントごとでのCSポートフォリオ分析の実施
④分析結果からセグメント毎での改善案とその改善優先度の検討、作成
⑤プロダクトへの提案

ポイントとしては、④の具体的な提案内容の検討です。データを読み解くだけでなく、サービスに対する知識やお客様視点が求められるため、ここの担当はある程度習熟度の高い方をお勧めいたします。

分析した際の一例として、プロダクトではイベント実施に重きをおいていたものの、分析からはコミュニケーション機能が全体サービスの満足度に対して関連性が強く、重点して改善すべきと分かったことから、その機能に対するお客さまの意見要望を分析した具体的な内容に落とし込んで、プロダクトへの提案を行っていました。
現在、上記取り組みは一部プロダクトでの実施にとどまっていますが、今後はより多くのプロダクトへ展開することや、提案を実施した効果を測定するスキーム等を検討しています。

■まとめ

CSポートフォリオ分析は手段、きっかけであって目的ではありません。これらを恒常的にCSが行うことにより、メンバーのデータに対する意識を強め、且つ、分析手法を付加価値として身につけることができます。
従来のCSの勘所に加えてデータに裏付けされた提案ができることで、CSメンバーのスキルやナレッジが向上することにより、自身の市場価値をアップさせることができます。
その結果としてCSの組織力も向上させることにより、サービスに対するお客さま満足度の向上やプロダクトへの売上/利益への貢献を高めていけるのではないかと考えています。
これらの取り組みはまだ道途中で、自分自身でも日々学びの真っ最中です。今回の話がお読みいただいた方へ何かしらの参考や、きっかけになれば、、、と思います!

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