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ConMas Gateway スクリプトのデバッグ (1)

Last updated at Posted at 2022-08-06

製造現場の紙帳票のデジタル化を担うi-Reporter。現段階ではまだベストなソリューションとは言えませんが、今後の機能アップが期待出来るとすればそのポテンシャルは大きく、紙帳票のデジタル化に留まらず、旧態依然な現場のパネルまでも、i-ReporterをのせたWindowsのタッチパネルに入れ替わるかもしれません。日本の製造業をチャンピオンに返り咲かせるDXの誘因として重要なソリューションのひとつであることに間違いはありません。。
このi-Reporterシステムに必須といってもよいのが"ConMas Gateway"です。まだ機能面での不足がある ConMas Gateway ですが、i-Reporter の jQuery.ajax とも言える ConMas Gateway を使わずして i-Reporter の存在意義は語れません。

この記事では、ConMas Gateway スクリプトの効率的なデバッグ手法について複数回に分けて解説します。

この記事の内容は、IT系開発に不慣れなFA系システム開発者向けです。WEBシステムのサーバ・サイド開発等に長けたITエンジニアにとっては、当たり前のことが書かれています。

この記事の内容を理解するために、i-Reporterに関する細かな知識を事前に得ている必要はありません。ただし、この知識がない方は、ある程度の想像力を働かせながら読み進める必要があります。

システム・モデル

Screenshot from 2022-08-06 18-02-52.png

  • ConMas Gateway から起動されたスクリプトは、i-Reporter からPOST(あるいはGET)されたデータを、標準入力を介して ConMas Gateway から受け取ります。
  • スクリプトは i-Reporter へのレスポンスを標準出力を介して ConMas Gateway へ渡し、ConMas Gateway はこれを i-Reporter にレスポンスします。

つまり、ConMas Gateway のスクリプトは、WEBシステムにおける CGIを使うスクリプトと何ら変わりがありません。

面白いのは、ConMas Gateway と ConMas Server の間にインタフェースが全く存在せず、両者は何のやりとりもしないことです。
もちろん、ConMas Server のデータベースは公開されているため、ConMas Gateway が直接あるいはスクリプトを介して、このデータベースをアクセスすることは可能です。

なお、ConMas Gateway はスクリプトがなくても、自らの機能でデータベースをアクセスし結果を i-Reporter にレスポンスすることが出来ます。ただし、このデータベースのアクセスはシンプルなものに限定され、複雑な処理、あるいはデータベース・アクセス以外の処理を行うにはスクリプトが必要となります。
この記事では、このスクリプトのデバッグについて述べており、ConMas Gateway 自身が持つデータベース・アクセスについては述べていません。

データ

i-Reporter とスクリプトの間でやりとりされるデータはJSONです。これは、データを処理する手続きをシンプルに記述できるという点で歓迎できます。

  • POSTされるデータは、クラスタ(i-Reporterで処理される帳票上のデータの最小単位)の属性と(当該クラスタに入力された)データが key: value のタプルとなったJSONです。複数のタプルが配列で並びます。どのクラスタをPOSTするかは、事前に ConMas Designer 上で選択します。
  • GETされるデータは任意です。ConMas Designer による設定でURLに続くデータを任意に記載することが出来ます。
  • レスポンスは、帳票上のクラスタのIDと当該クラスタに表示されるデータをタプルにしたJSONです。もちろん、このタプルは配列で複数にすることができます。

この記事では、データのフォーマットに関する細かな解説をしません。データのフォーマットに関する細かなルールや、ConMas Designer での設定については、シムトップス社から提供されるマニュアルを参照してください。これらの情報がなくても、この記事を読み進める上での支障にはなりません。
マニュアルにアクセスするには、シムトップス社のサイトにアクセスするためのIDが必要になります。

標準と思われるデバッグ手法

標準と思われるデバッグの手法は、i-Reporterで(必要であれば帳票にデータを入力し)帳票上のアクション・クラスタを発動させ、当該クラスタに設定されたスクリプトを動作させながらテストと不具合の解消を進めるという(何の工夫もない)いたって普通の方法です。
小さく単純でテストが簡単なスクリプトのデバッグでは、この方法でも良いかもしれません。ただし、大きく複雑で、高度なテストとデバッグを要するスクリプトの場合には問題が生じます。

問題

  • この方法ではスクリプトの動作を簡単にはトレースすることができない
  • この方法でのスクリプトのトレースは、デバッグのための古典的なプリント、あるいはカバレージをファイル等に出力するなどが必要となる。一方で、Python で提供される Pdb や Trace 等のコマンドラインで容易に使える強力なツールが使用できない。

次回

続きは次回とさせていただきます。
初心者の方々のために、ゆっくりとマッタリと進めさせていただきます。
次回は「ではどうすれば良いか」です。

ConMas Gateway スクリプトのデバッグ (2)

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