#はじめに
USB PDと言えば、USB Type-Cのコネクタです。12/10位のニュースで、新しいiPhoneがLightningケーブルからさよならするそうです。それに代わるものとして、USB Type-Cが採用されるとの事で、スマホアクセサリー界隈が、ざわつくことが予想されます。
きっと、この流れは組み込み界隈にも落ちてくるかなと思っております。
そこで、USB Type-C®︎を使ったUSB PD®︎についてざっくり備忘録的な感じで、書いてみます。
#USB PDの仕様
これまでUSB Type-Aで5Vを給電していたシステムからUSB Type-CのPower Deliveryをサポートすることで、20V/5Aつまり100Wまでの電力を扱えることになります。
USB PDは、5V/9V/12V/15V/20Vの電圧から最大5Aまでの電流を流したり、受けたり出来る仕様なのですが、Programmable Power Supplyという仕組みであれば、扱いたい電圧が3.3Vから21Vまで可変できる仕様になっています。
この電源のSource及びSinkのどちらにもなるDRP(Dual Role Power)という機能も搭載する機器も増えています。
※DRP機器は、モバイルバッテリーなどが該当します。充電もできるし、チャージャーにもなります。
この仕組みを使って、もっと色々な回路が構成出来ないかと思案しています。
##こんな使い方はどうだろうか?その1
###ロボット用の電力
ロボットと言っても軽めのものを想定しています。これまで、バイクなどのバッテリーを積んだりしていたケースがあるところにUSB PDを、使ってみるのはどうでしょうか?
バイクのバッテリーを、入手するより家電量販店で大容量のモバイルバッテリーを入手する方が遥かに簡単です。
##こんな使い方はどうだろうか?その2
###アダプタの代替品
DCアダプタは、非常に便利な給電方法の1つです。これに置き換わるものを探す方が大変なのかもしれません。そんなレッドオーシャンに、あえてUSB PDを突っ込んでみたいです。
電圧が可変できるタイプのアダプタなら、用途も色々。Nゲージのパワーパックの電圧ソースとして、使ってみたくなりませんか?
##こんな使い方はどうだろうか?その3
###電力が必要なSoCを扱う場合
最近のSoCは、AIのエンジンを搭載していたりFPGAを搭載したり、電圧は低くても電流が必要なケースは、結構ありそうです。そこで、USB PDを使うことで、システムにあった電源周りを構成することができそうです。
このように様々な可能性を秘めているUSB PDですが、高速インターフェイス系の規格にもUSB PDをサポートが必須になりつつあります。
ThunderboltかDisplayPortであるとかHDMIども、USB Type-Cの物理層を使いつつ、各々のプロトコルと電源を通す仕組みになりつつあります。
最新規格であるUSB4.0も走り始めています。
##コンプライアンステストについて
USBは規格ものなので、コンプライアンステストが存在します。USB PDのロゴ認定プログラムも存在します。
USBの、コンプライアンステストには、ベンダー情報ファイルを用意する必要があります。
認証テストラボへ提出して、認定試験を行なってもらいます。
通すか通さないかは置いておいて、試験規格のドキュメントに目は通しておいた方がいいかもしれません。無料で入手できます。
USB IFへのリンク
https://www.usb.org/documents
###参考:USB PDテスター
USB PD用のコンプライアンステストができるテスターがあるそうです。
GRL-USB-PD-C2
https://graniteriverlabs.com/usb-pd-c2/
これを使うと、コンプライアンステストができるようなので、試させてもらいました。
こんな感じ。
USB PDのチャージャーの例です。テストが自動でできます。