EBS(Elastic Block Store)
サービス概要
EC2 インスタンスで使用するためのブロックレベルのストレージボリュームを提供。
ボリュームは、デバイスとしてインスタンスにマウントが可能で、同じインスタンスに複数のボリュームをマウント可能。これらのボリューム上にファイルシステムを構築も可能。
EBSは、データにすばやくアクセスする必要があり、長期永続性が必要な場合に推奨。
特徴
- EBS ボリュームは、特定のAZで作成され、そのAZ内のインスタンスにアタッチ可能。
- AZの外部でボリュームを使用するには、スナップショットを作成し(S3へ保存)、そのスナップショットをその外部リージョン内の新しいボリュームに復元する。
- EBS には、ボリュームタイプとして 汎用 SSD (gp2)、プロビジョンド IOPS SSD (io1)、スループット最適化 HDD (st1)、および Cold HDD (sc1) が用意されている。
- 暗号化は EC2 インスタンスをホストするサーバーで行われ、EC2 インスタンスから EBS ストレージに転送されるデータが暗号化される。
- 汎用 SSD (gp2) ボリューム=さまざまなワークロードに対応できるコスト効率の高いストレージとして使用可能。レイテンシーは 1 桁台のミリ秒であり、長時間 3,000 IOPS にバースト可能。(I/O クレジットおよびバーストパフォーマンス)
- プロビジョンド IOPS SSD (io1) ボリューム=ランダムアクセス I/O スループットにおけるストレージパフォーマンスと整合性が重要な、I/O 集約型ワークロード (特にデータベースワークロード) のニーズを満たすように設計。ボリュームの作成時に一定の IOPS レートを指定可能。
- スループット最適化 HDD (st1) ボリューム=IOPS ではなくスループットでパフォーマンスを示す、低コストの磁気ストレージに使用可能。ボリュームのベースラインスループット (ボリュームのスループットクレジットが蓄積されるレート) は、ボリュームサイズによって決まる。(スループットクレジットとバーストパフォーマンス)
- Cold HDD (sc1) ボリュームは、IOPS ではなくスループットでパフォーマンスを示す、低コストの磁気ストレージに使用可能。
種類やタイプ
ボリュームタイプ
汎用 SSD (gp2) | プロビジョンド IOPS SSD (io1) | スループット最適化 HDD (st1) | Cold HDD (sc1) | |
---|---|---|---|---|
説明 | さまざまなワークロードに適した、価格とパフォーマンスのバランスが取れているSSD | ミッションクリティカルな低レイテンシーまたは高スループットワークロードに適した、最高パフォーマンスのSSD | 高スループットを必要とするアクセス頻度の高いワークロード向けの低コストのHDD | アクセス頻度の低いワークロード用に設計された低コストのHDD |
ユースケース | ・ほとんどのワークロード ・システムブートボリューム ・仮想デスクトップ ・開発/テスト環境 |
・持続的なIOPSパフォーマンス、またはボリュームあたり 16,000 IOPSまたは250 MiB/秒以上のスループットを必要とする重要なビジネスアプリケーション ・大規模なデータベースワークロード |
・低コストで安定した高速スループットを必要とするストリーミングワークロード ・ビッグデータ ・データウェアハウス ・ログ処理 ・ブートボリュームには使用できない |
アクセス頻度の低い大量データ用のスループット指向ストレージ低いストレージ ・コストが重視されるシナリオ ・ブートボリュームには使用できない |
ボリュームサイズ | 1GiB - 16TiB | 4 GiB~16 TiB | 500 GiB~16 TiB | 500 GiB~16 TiB |
ボリュームあたりの最大 IOPS | 16,000 (16 KiB I/O) | 64,000 (16 KiB I/O) † | 500 (1 MiB I/O) | 250 (1 MiB I/O) |
ボリュームあたりの最大 スループット | MiB/秒 * | 1,000 MiB/秒 † | 500 MiB/秒 | 250 MiB/秒 |
類似サービスとの比較
S3 | EBS | EFS | Glacier | |
---|---|---|---|---|
概要 | オブジェクトストレージ、安価で高信頼性のストレージ、インターネットからもアクセス可能 | ブロックレベルのファイルストレージ、EC2のローカルストレージ | 共有ファイルストレージ | 低価格、長期保管ストレージ |
場所 | リージョン | AZ | リージョン | リージョン |
自動複製 | 複数AZ | AZ内3か所 | 複数AZ | |
暗号化 | 設定する必要あり。SSE-S3/KMS/C。 | ボリューム作成時に暗号化。既存ボリュームの暗号化不可。(使用中ボリュームを暗号化=スナップショットを取得し、新規に暗号化ボリュームを作成し、リストア。 | 保管中、転送中のデータを暗号化。暗号化のキーはKMSにて管理可。 | AES-256で自動で暗号化 |
ベストプラクティス
- EBSのBCP(事業継続計画)対策としては、EBSボリュームのスナップショットを作成し、そのスナップショットを別リージョンでも利用する。別AZ/別リージョンのインスタンスにコピーをする際は、一度スナップショットをS3へ保存し、別AZ/別リージョンへ展開する。
- EC2とEBSを利用してDBを構築する場合、読み取りと書き取り性能を考慮して、EBSボリュームはプロビジョンドIOPS SSDにする。
- EBSのポイントインタイムスナップショットでは、増分バックアップにより、初期スナップショットからの差分のみを取得するため、ストレージコストを最小限にできる。
- EBSのボリュームタイプの選択で、ボリュームサイズが100GBなど小さい場合、gp2(汎用SSD)を利用したほうがコストを抑えられる。
- SSD:小さく煩雑な読み書き。1GB~16TB(io1は4GB~16TB)。料金は単位あたりHDDの倍くらい。
- HDD:大きなストリーミングデータ用。500GB~16TB。単位当たりでは安い。(が、初期が500GBのため、~200GBくらいまではSSDの方が安くなる。)
- スループットが最大500MB/秒必要なストレージでは、するプット最適化HDDが費用対効果が高い。
- Data Lifecycle Managerを使用すると、EBSスナップショットをスケジュールし、保持ポリシーに従い古いスナップショットを削除できる。Data Lifecycle Managerはスナップショットの作成、保持、削除を自動化できる。
- AMIはEBSのスナップショットを含んでいるため、障害時に備えるのはAMIのコピーのみで可能。
- 最も回復性が高く、1つのボリュームが故障してもすぐにデータ利用がしたい場合、RAID1構成で2つ以上のEBSボリューム間でミラーリングをとれば、回復性の高いデータ冗長構成にできる。