1. はじめに
KiCad^1-1において、少々入り組んだ形のフットプリントを作成する方法を勉強しました。別件で試行錯誤1した際の副産物です。応用としては、導電ゴムを使用した押しボタンスイッチ(ラバーコンタクトスイッチ)の受け側のプリント基板パターンが思いつきます。
2. フットプリントエディタ
KiCad は、プリント基板を設計するための高機能な CAD ソフトウェアで、誰でも無料で使うことができます。プリント基板上に部品などを配置する際に使用する図形データをフットプリントと呼びます。KiCad には予め数多くのフットプリントがライブラリとして用意されています。必要なフットプリントがライブラリにない場合、自分でフットプリントを作成や修正するためのフットプリントエディタが用意されています。フットプリントエディタの操作方法やライブラリの管理方法については、解説本2などを参照ください。
3. ヒント
フットプリントライブラリにヒントがあります。以下のフットプリントには5角形があります。
パッドのプロパティをみると、カスタム形状(矩形アンカー)とあります。
「カスタム形状の基本要素」をみると、ポリゴンで角の数が5とあります。
「基本要素を編集」で「基本形状ポリゴン」を見ることができます。5角形の頂点5個の座標を指定しています。パッドの基準点(0,0)は 5角形の内部にあります。欄外に「塗りつぶしポリゴンにするには太さに0を設定する。」と説明があります。
4. ポリゴン図形の入力
導電ゴムによるコンタクトを想像して、仮にポリゴン図形を作成してみます。
ハンダペースト(F.Paste)、レジストマスク(F.Mask)のチェックを外しています。コンタクトのパッド部分のレジストを除外するために後でレジストマスクを追加します。
5. おわりに
作成したフットプリントは仮のもので、実際の導電ゴムボタンの大きさに合わせて適切に設計する必要があります。このような手作業でも可能な範囲でフットプリントを作成できることがわかりました。