LoginSignup
21
12

More than 5 years have passed since last update.

1年目のスタッフ向けにCodePenとVueでクイズを作ってみた

Last updated at Posted at 2018-12-02

この記事は Vue.js #3 Advent Calendar 2018 の 3 日目の記事です。

はじめに

無事にフロントエンド研修が終わって、各プロジェクトで働いている1年目の皆様。お元気ですか?
そろそろ、先輩のチェックなしで、一人でお仕事ができるようになってきた頃でしょうか。

実は皆さんに、お伝えしなければならないことがあります。
それは、研修生時代にやらなかった、とある学習内容があります。

food_vegetable_sald.png

この学習内容は、技術研修の内容を、厳選に厳選を重ねた結果、「優先順位の関係」で省かれたものです。

今後、様々なお仕事を経験することで、ある程度は獲得できる知識ではあります。

しかし、どんなプロジェクトにアサインされるのかは、会社の都合によるところが大きく、
この学習内容について、簡潔にまとまったサイトや書籍が見つけられませんでした。。。

そこで今回、この場を借りて出題させていただきますね~

ルール

まずは、CodePenに書かれた「HTML」「CSS」「JS」の内容を見てください。

以下の3点について、いろいろ設定を変えています。
・文字の色
・文字の背景色
・文字の内容

See the Pen VueSample by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.

内容を見たら、自分の頭の中で「出力結果」を想像してみてください。
想像できたら「Result」を押して、「自分が想像した結果」と「出力結果」が一致しているか確認してください。

最後に、必ず「問題の解説」が書かれています。
なぜ、その出力結果になるのか?しっかり解説を読んでから、次の問題にお進みください。

フロントエンドQuiz 全12問 の はじまりはじまり~

第1問

See the Pen Vue1 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.

第1問-解説
HTML5では非推奨になった「bgcolor」属性を使用しています。
「bgcolor」によって、背景色が「red」になっています。

もしかして、初めて見る人もいるかもしれません。

きちんと開発体制が整った現場ですと、まず見ないパターンです。
もしあっても、コードレビューで指摘されて修正されます。

私の感覚で大変恐縮ですが、実際には「bgcolor」属性よりも「width」属性の方がよく見る気がします。

なぜ、そのような古いコードが現在でも見られるのか?
それには、以下のような「深い理由」があります。

・システム開発会社などでは、フロントエンド専門のエンジニアがいないことがある
・システム開発会社などでは、バックエンドのエンジニアが作った「汚いフロントエンドの実装」を、納期を優先するために許してしまう(中小企業のお客様は、システムの中身がどう作られているか、よくわからない)
・エンジニアが1つのプロジェクトに長期で所属し、新しい技術を使えないシチュエーションが長く続いたため、勉強意欲がなくなった
・エンジニアの業務歴が長くなってきて、だんだんと指摘してくれる先輩エンジニアがいなくなり、昔のやり方のままコードを書いている

ということで、現在でも「古い書き方」が混じったコードを見ることがあります。

もし今のプロジェクトで、GitHubのプルリクエストに、厳しいフィードバック受けている方は、大変ありがたいシチュエーションですので、しっかり学んでくださいませ~

第2問

See the Pen Vue2 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第2問-解説
「bgcolor」によって、背景色に「red」を指定しています。
しかし、スタイルシート「background-color」によって「blue」に上書きされています。

第1問で「bgcolor」は「非推奨の属性」ということを書きました。
普段は使用される機会は少ないですが、もし「非推奨属性とスタイルシート」がバッティングした場合、いったいどちらが勝つのか?実際やってみたのがこの問題です。

「非推奨の属性」<「スタイルシート」

というのが今回の答えです。

第3問

See the Pen Vue3 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第3問-解説
「style」属性の「background-color」によって、背景色に「red」を指定しています。
しかし、スタイルシート「background-color」によって「blue」を指定しています。

ここらへんのスタイルの優先順位について、研修中は

「要素」<「クラス」<「ID」

を覚えて、なぜかスタイルが当たらない場合は「style属性」で直接書いたり「!important」を付けよう
と習ってきたかもしれません。

これは「簡略化したルール」で、初心者用の書籍やWebスクールでも、このように教えています。
実は、このルールでも8割くらいは大丈夫なのですが、残りの2割を切り捨てています。

そのため、たまに、なぜかスタイルが適用されないから、「style属性」で直接書いたり「!important」を付けているコードがあります。

業務歴1年目は、それでもかまわないのですが、2年目以降は「詳細なルール」を勉強して、汚いスタイルの上書き合戦を避けなければなりません。

詳細なルールで解説しますと
「background-color: red」は「スタイル属性」ですので、詳細度は「0.1.0.0.0」。
「background-color: blue」は「要素セレクタ」ですので、詳細度は「0.0.0.0.1」。

「0.1.0.0.0」>「0.0.0.0.1」

その結果、詳細度が大きい「background-color: red」が勝ちます。

第4問

See the Pen Vue4 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第4問-解説
第3問では「style属性」の詳細度が大きいことによって、「style属性」の色が表示されていました。
今回は「!important」を付けることによって、「style属性」に勝とうとしています。

それでは、詳細度のチェックをしてみましょう。
「background-color: red」は「スタイル属性」ですので、詳細度は「0.1.0.0.0」。
「background-color: blue」は「要素セレクタ + !important」ですので、詳細度は「1.0.0.0.1」。

「0.1.0.0.0」<「1.0.0.0.1」

その結果、詳細度が大きい「background-color: blue」が勝ちます。

このように「!important」は最強の詳細度「1.0.0.0.0」をプラスします。
そして、ほとんどの場合にスタイルが適用されることになります。

裏を返せば、安易に「!important」を付けると、その後の改修では常に「!important」を付けて上書きする必要が出てきて、ソースがどんどん汚くなってきます。

「!important」は、最終兵器であり、安易に使用すべきではありません。
もし「!important」を使用して良いシチュエーションをあえて挙げるとすれば、
自分でソースを変更できない「外部の広告タグ」のスタイルによって、サイト本体のスタイルが崩れた場合に、他に方法がなくて、仕方なく「!important」を使用します。

第5問

See the Pen Vue5 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第5問-解説
第4問では「!important」の詳細度が大きいことによって、「style属性」が負けました。
今回は「style属性」の方でも「!important」を付けることによって「CSS」側に勝とうとしています。

それでは、詳細度のチェックをしてみましょう。
「background-color: red」は「スタイル属性 + !important」ですので、詳細度は「1.1.0.0.0」。
「background-color: blue」は「要素セレクタ + !important」ですので、詳細度は「1.0.0.0.1」。

「1.1.0.0.0」>「1.0.0.0.1」

その結果、詳細度が大きい「background-color: red」が勝ちます。

このコードは末期状態です。
もし現場のコードがこんな状態になったら、担当のエンジニアは、改修作業にストレスを感じると思われます。
(ブラウザゲームの現場では、実際にあるのですが。。。)

第6問

See the Pen Vue6 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第6問-解説
第5問では「!important」の詳細度が大きいことによって、「style属性」が勝ちました。
今回は、CSS側が反撃した結果になります。
 
本来「style属性」+「!important」の組み合わせは、詳細度「1.1.0.0.0」と最強に近く、「style属性」+「!important」でないと勝てません。

CSS側は「!important」は作れても、「style属性」が作れないため、詳細度「1.1.0.0.0」を超えることができません。

万事休すか?

背景色が「red」のまま、何もできないのかというと、実はそうではありません。
工夫次第で、CSS側から「blue」にすることができます。

そうです、どうしても「red」が勝つなら、勝たせてやればよい。
その「red」を生かしつつ、「色相」をずらして「blue」にしてしまえば良いのです。

※ご参考
右側に書いてある「色相スケール」や「色相環」で見ると分かりやすいです。
色相 - Wikipedia

「色相」はWebデザイナーの方にとっては「色の基礎知識」として、学生時代に勉強した内容かもしれません。
「red」から色相を240度ずらすと「blue」になります。

第7問

See the Pen Vue7 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第7問-解説
「background-image」と「background-color」の宿命の対決です。
今回は、詳細度の大きさは関係ありません。CSSの仕様としてどちらが優先されるかです。

ということで、結果は「background-image」が優先されるようです。

本来「background-image」のサンプルを作るなら、赤色の画像を使用するところです。しかし、画像を準備する手間があったため、横着をしてグラテーションで背景を作りました。

第8問

See the Pen Vue8 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第8問-解説
「computed」を使用して「小数の精度が悪い」というテーマで出題しました。
一見すると「0.3」で「blue」になりそうですが、実は「0.30000000000000004」が合計となり「red」になります。

ということなので、もしJavaScriptで小数の計算をする場合は、一度「10」や「100」を掛けて整数にしてから、最後に「10」や「100」で割り戻すと、きちんとした計算が出ます。
また、「BigNumber.js」という便利なライブラリもありますので、こちらを利用することも検討してみてくださいませ。

BigNumber.js

第9問

See the Pen Vue9 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第9問-解説
JSONが出てきました。一見すると正しそうですが、実は不正なJSON形式です。
実はJSONは、HTMLみたいに「''」と「""」を両方使用できません。「""」のみ使用できます。

もし9行目の内容を、「''」と「""」を入れ替えて書けば、正しいJSONとなります。

第10問

See the Pen Vue10 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第10問-解説
「日付」というJavaScriptで、誰もが一度はハマるポイントです。
今回も一見すると、正しいように見えますが、「result_date」の中身は「1999/9/11 12:13:14」となります。
 
原因は「getMonth()」が「0~11」の値を返すからです。

しかし「getFullYear()」や「getDate()」は「-1」されないため、なぜ「getMonth()」だけそのような動きをするのか、まったく不思議です。

第11問

See the Pen Vue11 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第11問-解説
初見殺しの問題です。一見すると、両方とも「11」になりそうですが、そうはなりません。
 
「age」は単なる数字で、プリミティブ型と呼ばれます。
プリミティブ型は、文字やtrueなどがあり、関数の引数に設定すると、コピーが使用されます。
→「birthday」の内部では「ageのコピー」が使用される。
 
「boy」は連想配列で、オブジェクト型と呼ばれます。
オブジェクト型は、配列や日付などがあり、関数の引数に設定すると、それ自身が使用されます。
→「birthday」の内部では「boyそのもの」が使用される。
 
つまり「ageのコピー」に対して「+1」しても「ageそのもの」には影響しません。
その結果「age」が「10」、「boy.age」が「11」となって、背景色は「red」になります。

第12問

See the Pen Vue12 by satoshi hayashi (@satoshi_hayashi) on CodePen.


第12問-解説
初見殺しの問題です。一見すると、例外が発生して「red」になりそうですが、そうはなりません。
 
実は、「setTimeout」で関数を実行すると、関数内で例外が発生しても、catchでは捕らえられなくなります。
これがもし、「setTimeout(this.work, 0);」ではなく「this.work();」という普通の実行だったら、catchが実行されて「red」になります。

最後に

全12問、大変お疲れ様でございました。
 
「フロントエンドQuiz」の全12問は、
前半は「CSS」寄りの内容、後半は「JS」寄りの内容になっておりました。
 
これは、私の周りだけかもしれませんが、男子は「JS」が得意で「CSS」が苦手、女子は「CSS」が得意で「JS」が苦手という傾向が見られます。

フロントエンドにおいて「CSS」と「JS」は車の両輪です。
もし今回のQuizを通して、何かしら得るものがありましたら、Quizの作者として大変うれしく思っております。

21
12
2

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
21
12