この記事は、第5世代移動通信システム(以下、5G)の概観を把握するために、役にたちそうな情報を取りまとめていく。
その2。
#ノンスタンドアローンとスタンドアローン
5Gの基本仕様は、その構成から以下に分類されている。
###ノンスタンドアローン (NSA)
「5G Phase1」で策定されたもの。
LTE(4G技術)とNR(5G技術)を組み合わせて実現する。
「NSA」と略される。
基地局やコアネットワーク設備に4Gの設備を利用するため、設備投資の削減や4Gとの並行稼動が容易となり、5G開始当初にはメリットが大きいとされる。
###スタンドアローン (SA)
「5G Phase2」で仕様の詳細が策定される予定のもの。(まだ策定されていない)
NR(5G技術)のみで実現する。
「SA」と略される。
5G専用設備で構成されるため、5Gの性能を最大まで引き出せることがメリットとされる。
5G開始当初は「NSA」で構築されたとしても、最終的には「SA」に向かうものとして標準化が行われている。
#ノンスタンドアローンの構造
3GPP「TR 21.915 V1.0.0 Figure 5.3.2-1: The NSA Architecture」
- en-gNB : 5Gの無線基地局。「ユーザ・データ(C-plane)」を扱う。
- eNB : 4Gの無線基地局。制御信号(U-plane)を扱う。
- EPC : LTEと同時期に策定されたコアネットワーク。4Gおよび5GのNSAで利用される。「Evolved Packet Core」。MMEおよびS-GWは、EPCを構成する設備。
- コアネットワーク:「基幹通信網」「バックボーン」とも呼ばれる。基地局以降の通信事業者側のネットワーク。
NSAでは、5Gの通信が「制御信号(U-plane)」と「ユーザ・データ(C-plane)」に分割される。
制御信号(U-plane)は、eNBでコントロールされる。
ユーザ・データ(C-plane)は、en-gNBで送受信される。
5Gエリアではない場合、eNBでユーザ・データを送受信することも想定されている。
5Gの通信端末(スマホ等)は、en-gNBとeNBの双方にアクセスすることになる。
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol25_3/vol25_3_003jp.pdf
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/1114990.html
https://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015/e/911758d75e12f886bef99fd5fc06aab7