はじめに
シニアな年齢の筆者でも、そこそこ短期間でAWS Solutions Architect Professional(SAP)認定を取得できましたので、認定までの過程を共有します。筆者の勉強方法は比較的シンプルだと思います。良い対策本がないSAP学習の参考になれば幸いです。
もちろん、シニアでない方にも。
なぜSAP認定を取得?
筆者が若い頃、組み込み系エンジニアから業務系に転身した時、「Oracleスゲー」と感動して、Oracleの資格をとりまくった時期がありました。それと同じ「スゲー」と思える感動がAWSにはあります。資格を馬鹿にする人たちもいますが、サービスのコンセプトを正しく理解し、全般的な知識を身につけるのには資格取得がもっとも良い学習手段だと思っています。
なぜ短期取得?
最初は、「AWSの知識を習得しながら、ついでに受験してみようかなぁー」 ぐらいに思っていましたが、周囲の技術レベルに追いつくためにも集中して勉強し、取得することにしました。
どのくらい短期間?
実は短期間といっても、ダラダラやっていた期間が存在します。
- 2019-10-14 勉強開始
- ↓ (ダラダラ勉強期間)
- 2019-11-29 本格勉強開始
- ↓ (集中期間)
- 2019-12-13 受験
ダラダラ勉強期間 1.5ヶ月 + 集中期間 2週間
ダラダラ勉強した期間を入れると、それほど短期間ではないかもしれません。それでもシニアにとっては短期間です。
筆者のレベル
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趣味でAWSは使っています
- 自宅サーバ(Linux)をLift & Shift済み
- C/C++開発にEC2やCloud9を利用中
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AWS Solutions Architect Associate認定取得済み
これはダラダラ勉強で取得しています。
対策本「徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト教科書」を、半年ぐらいかけて勉強しました。ダラダラ勉強はよくありません。半年間、他の事(技術調査やプログラミング)に本気で取り組めませんでした。
何を使って勉強したか
いろんなサイトを見て浮気しそうになりましたが、少ない教材を繰り返し勉強することにしました。筆者がシニアだからかもしれませんが、1度や2度勉強しても、すぐに忘れてしまいます。
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Exam Readiness: AWS Certified Solutions Architect – Professional
- AWS公式トレーニングサイトの無償コンテンツ
- SAPの基本的な内容を分かりやすく説明しています。筆者が普段使う機会がないAWS Organizations やIDフェデレーション関連が説明されているので、とても助かりました
- 1回 3時間〜4時間で学習できます
- 筆者が勉強している時は英語版しかありませんでしたが、現在は日本語版もあります
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AWS WEB問題集で学習しよう
- 7問1セットの問題集(日本語です)が48セット用意されています。(2019/12/30現在)
- 問題は頻繁に追加やブラッシュアップがなされています
- 何より良かったのが回答の説明です。詳しい解説の他、それを補足するリンクまでついています
- 解説までキッチリ理解すれば、かなり力が付くと思います
- 7問1セットという絶妙の長さが、飽きやすい筆者に合っていました
- 模擬試験
- AWSが提供する公式模試
- PSIで受験するなら、本番試験と同じ操作感で受験できます
- Udemyの問題集
- UdemyにもSAPの問題集(模試形式)があります。英語中心ですが日本語もあります
- 日本語のものを補助的に使いました
- 模試形式75問の教材ですが、「10問ずつ解いては答え合わせ」の繰り返しで利用しました
どのように勉強したか
- ダラダラ勉強期間(2019/10/14-2019/11/29)
- この期間は闇雲にダラダラ勉強しています
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1.WEB問題集を通勤電車(約45分)で片道1〜2セットペースで1周ちょっと(1周は当時46セット)
- 1.WEB問題集の2周目を始めた際、1周目で勉強した事をほとんど覚えておらず愕然としました
- 2.Exam Readiness: SAPを2回 気が向いた時に自宅で
- 実際にAWSを使ってみる
- 有償なサービスが多く、コストに気をつけて使う必要があります
- 集中期間①(2019/11/29-2019/12/7)
- 1.WEB問題集 通勤時間+昼休み+自宅学習で約2周
- 4.UdemyのSAP問題集 通勤時間+昼休み+自宅学習で75問(試験1回分)
- 2.Exam Readiness: SAP 休日に自宅学習で 1回
- 3.模擬試験 2019/12/2
- スコア65% これは苦しい戦いになると思い、試験前日のビジネスホテルを予約しました
- 集中期間②(2019/12/8-2019/12/11)
- 1.WEB問題集 通勤時間+昼休み+自宅学習で約1周
- 4.UdemyのSAP問題集 通勤時間+昼休み+自宅学習で75問(試験1回分)
- 2.Exam Readiness: SAP 休日に自宅学習で 1回
- 集中期間③(2019/12/12 受験前日)
- 3.模擬試験 2019/12/8 ビジネスホテルで
- スコア75% 思ったより点数が伸びず、ちょっと心配になりました
- 4.UdemyのSAP問題集 ビジネスホテルで 75問(試験1回分)
- 3.模擬試験 2019/12/8 ビジネスホテルで
どんな試験だったか
雑感
問題数が多い上に問題文も長く、170分間集中して取り組まなければなりません。難易度もかなり高く、シニアな技術者には大変堪える試験です。そのため体調管理にも気を配る必要があります。筆者のように前日、試験場近辺のビジネスホテルに泊まるのはオススメです。
試験の内容
内容を詳しく書くことはできませんが、以下のような印象の試験でした。
- 難易度について
長文の問題が多いのですが、時折、短文の問題もあります。諦めずに最後まで解きましょう。最初の10問位は慣れていないこともあり、とても難しく感じます。筆者も悲壮感、いや絶望感を感じながら解き進みました。しかし、徐々に調子が出て結果的にスコア804。 模擬試験よりも少し良いスコアが出やすいのかもしれません。
- 出題傾向
75問という出題数の多い試験なので、満遍なく出題されるのは当然ですが、2.Exam Readiness: SAPで解説されている内容は、特に理解しておく必要があります。また、**「ソリューションアーキテクト プロフェッショナル」**と、言うだけあって、様々なAWSのサービスを組み合わせたベストソリューションを問われる問題が多かった印象です。正確に出題傾向を知るためにも、模擬試験の受験をお勧めします。
さいごに
正直に言いますと、
- AWSの資格取得など取る必要ない
- 資格なんて取らなくても、簡単に使えるのがパブリッククラウドだろ!
と、以前は考えていました。
しかし、毎週の様にリリースされる新サービスを上手に使うには、サービスそれぞれのコンセプトを理解する必要があります。早い時期からAWSを使っている技術者は、AWSの成長と共に苦労なく身についているかもしれませんが、筆者のように遅れて利用を始めた(特にシニアな)技術者にその時間はありません。AWS認定資格にはAWSからのメッセージが込められています。効率よくAWSの考え方を理解するために、是非、挑戦してみて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。