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【実践編】今すぐ使えるAI技術の最先端プラットフォーム完全ガイド| [第2回] RAG – 検索と生成を組み合わせた最新AI技術

Last updated at Posted at 2025-03-26

近年、生成AIの発展に伴い、**RAG(Retrieval-Augmented Generation)**が注目を集めています。RAGは、**検索(Retrieval)生成(Generation)**を組み合わせた技術であり、従来のLLM(大規模言語モデル)の課題を克服し、より正確で文脈に沿った応答を生成することが可能になります。

本記事では、RAGの基本概念、実際の実装方法、そして応用事例について詳しく解説します。


1. RAGとは?

1.1. RAGの仕組み

RAGは、以下の2つの主要なプロセスを組み合わせたアーキテクチャです。

  1. 検索(Retrieval): 外部のデータソース(データベース、ベクトルストア、ドキュメントなど)から関連情報を検索
  2. 生成(Generation): 検索した情報を活用し、LLMが適切な応答を生成

従来のLLMは、トレーニング済みのデータに基づいて応答を生成するため、新しい情報を反映するのが困難でした。一方、RAGを活用することで、最新のデータを動的に取得し、より正確な回答を提供できます。

1.2. RAGのメリット

  • 正確性の向上: LLM単体よりも事実ベースの回答が可能
  • 情報のアップデート: 外部データを活用するため、モデルを再学習せずに新しい情報を取り入れられる
  • 計算コストの削減: モデル自体を大きくする必要がなく、軽量なままで高性能を実現

2. RAGの実装方法

ここでは、LangChainと**FAISS(Facebook AI Similarity Search)**を用いたRAGの基本的な実装を紹介します。

2.1. 必要なライブラリのインストール

まず、Python環境に必要なライブラリをインストールします。

pip install langchain openai faiss-cpu tiktoken

2.2. データのインデックス化(Retrieval)

FAISSを利用して、テキストデータをベクトル化し、検索可能なインデックスを作成します。

from langchain.vectorstores import FAISS
from langchain.embeddings.openai import OpenAIEmbeddings

# OpenAIのAPIキーを設定
import os
os.environ["OPENAI_API_KEY"] = "your-api-key"

# 例となるドキュメント
documents = [
    "RAGは検索と生成を組み合わせたAI技術です。",
    "FAISSは高速なベクトル検索を提供します。",
    "LangChainはRAGを簡単に実装できるライブラリです。"
]

# テキストのベクトル化
embeddings = OpenAIEmbeddings()
vector_store = FAISS.from_texts(documents, embeddings)

2.3. RAGによる応答生成(Generation)

次に、検索結果を活用して、GPTを使った応答生成を行います。

from langchain.chains import RetrievalQA
from langchain.llms import OpenAI

# 検索機能を組み込んだRAGモデルの作成
rag_chain = RetrievalQA.from_chain_type(
    llm=OpenAI(),
    chain_type="stuff",
    retriever=vector_store.as_retriever()
)

# クエリを入力し、回答を取得
query = "RAGとは何ですか?"
response = rag_chain.run(query)

print(response)

このコードを実行すると、FAISSが適切な情報を検索し、それをもとにGPTが回答を生成します。


3. RAGの応用事例

RAGはさまざまな分野で活用されています。

3.1. カスタマーサポート

企業のFAQやサポートデータを活用し、ユーザーの問い合わせに対して正確な回答を提供できます。

3.2. 医療・法律分野

専門的なドキュメントや論文を検索し、エビデンスベースの回答を生成することで、専門家の支援が可能になります。

3.3. コード補完・ドキュメント検索

ソフトウェア開発において、コードのリファレンスやドキュメントを検索し、適切なサンプルコードを提示するAIアシスタントの構築が可能です。


4. まとめ

本記事では、RAG(Retrieval-Augmented Generation)の概念から実装方法、活用事例までを詳しく解説しました。

RAGは検索と生成を組み合わせた技術であり、LLMの精度を向上させる
LangChainとFAISSを活用すれば、簡単にRAGを実装できる
RAGはカスタマーサポート、医療、法律、ソフトウェア開発など幅広い分野で活用可能

RAGを活用したAI開発に興味がある方は、ぜひ試してみてください!

「LGTM」&コメントでフィードバックをお待ちしています!


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