連載 [第3回] :ベトナムオフショア開発の成功術:正しく理解して成功へ!
ベトナムのエンジニアは優秀なのに、なぜプロジェクトは失敗するのか?
こんにちは、バイナリテックのイサムです!
本シリーズでは、日本企業がベトナムのオフショア開発を成功させるためのポイントを深掘りしています。
今回は、「ベトナムのエンジニアは優秀なのに、なぜプロジェクトが失敗するのか?」というテーマでお話ししたいと思います。
ベトナムのエンジニアは本当に優秀なのか?
結論から言うと、ベトナムのエンジニアは確かに優秀です。
私自身、多くのベトナムの開発チームと仕事をしてきましたが、技術力の高いエンジニアが多いと感じています。
彼らの強みは以下のような点にあります。
✅ アルゴリズムやプログラミングスキルが高い
✅ 最新の技術を積極的に学ぶ姿勢がある
✅ コミュニティでの情報共有が活発
特に、若いエンジニアが多く、新しい技術に対する適応力が高い点は大きな魅力です。
では、なぜそんな優秀なエンジニアがいるのに、日本企業のオフショア開発プロジェクトがうまくいかないのでしょうか?
プロジェクトが失敗する3つの原因
1️⃣ 日本側の要件定義が不明確
オフショア開発で最も多い失敗要因の一つが、「要件の曖昧さ」です。
日本の企業文化では、「察する文化」 が根付いており、言葉にしなくても意図を汲み取ることが期待されることがあります。
しかし、ベトナムのエンジニアは 明確な指示や要件がないと動きづらい 傾向があります。
例えば、以下のような状況が頻繁に発生します。
❌ 「この機能は大体こんな感じで作っておいて」→ 仕様の認識ズレが発生
❌ 「適当に調整しておいて」→ 期待した品質にならない
解決策として、日本側が仕様をより明確にドキュメント化し、具体的なアウトプットのイメージを共有することが重要です。
2️⃣ コミュニケーションのギャップ
言語の壁や文化の違いが、プロジェクトの進行に影響を与えることは少なくありません。
特に、ベトナムのエンジニアは日本人に対して「ノー」と言いづらい傾向があります。
例えば、こんなやり取りが起こりがちです。
🗣 日本側:「この機能、2週間でできる?」
👨💻 ベトナム側:「できます!(実は厳しい…)」
ベトナムのエンジニアは「期待に応えたい」という思いが強いため、無理なスケジュールでも「できる」と答えてしまうことがあります。
その結果、納期直前に「やっぱりできませんでした」となり、プロジェクトが炎上するケースも…。
解決策としては、
✅ 「本当にできるのか?」を掘り下げて確認する
✅ 進捗をこまめにチェックし、小さなマイルストーンを設定する
などの工夫が必要です。
3️⃣ 品質管理の甘さ
「とりあえず動けばOK」という考え方が、日本とベトナムでは異なることも、プロジェクト失敗の一因です。
ベトナムの開発現場では、単体テストやコードレビューの重要性が日本ほど浸透していないことがあります。
そのため、納品されたコードを確認すると…
⚠ バグが多い
⚠ リファクタリングがされていない
⚠ 仕様と微妙にズレている
といった問題が発生しやすいです。
これを防ぐためには、
✅ テストやレビューの基準をしっかり定める
✅ 品質管理を意識した開発プロセスを導入する(例:CI/CDの活用)
ことが重要です。
まとめ:成功するためのポイント
ここまでのポイントを整理すると、プロジェクトを成功させるためには、以下の3つが重要です。
🔹 要件をできるだけ明確にし、ドキュメント化する
🔹 進捗管理を徹底し、無理なスケジュールを防ぐ
🔹 品質管理の文化を根付かせる
ベトナムのエンジニアは優秀ですが、日本と異なる文化や考え方を理解し、適切なマネジメントをすることが成功のカギです。
次回の記事では、「成功するプロジェクトのマネジメント手法」について、より具体的なテクニックを紹介していきます!
「ベトナムオフショア開発のリアル」シリーズ、引き続きよろしくお願いします!
それでは、また次回! 🚀