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「AIでパーソナルブランディング」– 自分自身をAIで拡張する | [第10回]: AIで自伝ストーリーを語る

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🧠 AIでパーソナルブランディング:自伝ストーリーをAIで語る

1. はじめに:なぜ「自伝」をAIで語るのか?

今、情報発信の時代において「自分をどう表現するか」はエンジニアにとっても大きなテーマです。技術的なスキルだけでなく、自分の価値観や歩みをわかりやすく、共感性を持って伝えることで、採用・副業・登壇などの機会が格段に広がります。

しかし、自伝を書くのは意外と難しい。時間がかかるし、主観的になりすぎて読みにくくなることもあります。そこで本記事では、AI(特に生成AI)を活用して、自伝的ストーリーを魅力的に語る手法を紹介します。


2. 概要:生成AIでストーリーテリングを自動化する

生成AI(LLM:大規模言語モデル)を使えば、入力されたキャリア情報やエピソードをもとに、読みやすい文章を自動生成できます。具体的には以下のような手順で進めます:

  • ステップ①:キャリアデータを構造化して整理
  • ステップ②:プロンプトを設計
  • ステップ③:AIにストーリーを書かせ、編集
  • ステップ④:Web公開、共有

本記事では、実際のコードと結果を交えて、ステップごとに詳しく解説していきます。


3. 実装例:LangChain + GPT-4oで自伝生成パイプラインを作る

ここでは、Python を使って自動的に自伝ストーリーを生成するシンプルなパイプラインを構築してみます。

3.1 使用技術スタック

  • LangChain (プロンプト管理とチェーン処理)
  • OpenAI GPT-4o API
  • Streamlit(Web UI表示用)

3.2 ステップ①:自己情報をJSONで整理

{
  "name": "田中一郎",
  "current_job": "ソフトウェアエンジニア @ AIスタートアップ",
  "skills": ["Python", "AWS", "LLM", "MLOps"],
  "episodes": [
    {
      "title": "大学時代の挫折",
      "content": "情報学部に入ったが、最初はプログラミングが全く理解できず、自信を失った。"
    },
    {
      "title": "初めてのプロダクト開発",
      "content": "卒業研究でLINE Botを作成し、友人に使ってもらえたのが嬉しかった。"
    }
  ]
}

3.3 ステップ②:プロンプトを設計する

template = """
あなたはプロの自伝作家です。以下の情報を元に、読みやすくて共感性のあるストーリーを日本語で書いてください。

【名前】: {name}
【現在の仕事】: {current_job}
【スキル】: {skills}
【エピソード】:
{episodes}

制約:
- 一人称視点
- エンジニアとしての成長を軸にする
- 1500文字程度
"""

3.4 ステップ③:LangChain + OpenAI APIで生成

from langchain.chat_models import ChatOpenAI
from langchain.prompts import PromptTemplate
from langchain.chains import LLMChain

llm = ChatOpenAI(model="gpt-4o", temperature=0.7)
prompt = PromptTemplate(template=template, input_variables=["name", "current_job", "skills", "episodes"])
chain = LLMChain(llm=llm, prompt=prompt)

output = chain.run({
    "name": "田中一郎",
    "current_job": "ソフトウェアエンジニア @ AIスタートアップ",
    "skills": "Python, AWS, LLM, MLOps",
    "episodes": "- 大学時代の挫折: 情報学部に入ったが... \n- 初めてのプロダクト開発: 卒業研究でLINE Botを..."
})
print(output)

3.5 結果例(抜粋)

僕は、田中一郎。現在はAIスタートアップでソフトウェアエンジニアとして働いている。

大学に入った当初、プログラミングはまるで呪文のように思えた。最初の課題は何一つ動かせず、何度も挫折を繰り返した…
それでも、卒業研究で作ったLINE Botを友人に見せたとき、初めて「コードが誰かの役に立つ」ことを実感した…


4. 現場でのTips:AI生成の落とし穴と活用法

✅ 実践Tips

  • エピソード数は3つ程度がベスト:多すぎると焦点がぼやけます。
  • ストーリーテンプレートは目的別に複数用意:転職用、SNS投稿用、登壇紹介用など。
  • 生成結果は必ず編集する:事実との整合性、語調の統一は人間が担保すべき。

⚠️ よくある失敗

問題 原因 対策
ストーリーが抽象的すぎる プロンプトが曖昧 具体的なエピソードを書く
誤情報が混入する LLMの性質 人間が必ずレビューする
表現が不自然または過剰に盛られる temperatureが高すぎる設定 0.5~0.7程度に設定する

5. 発展編:マルチモーダルで「語る」体験へ

生成されたテキストは、さらに以下の技術で拡張可能です:

  • 音声化:Coqui TTSやAmazon Pollyで「語り」を音声に
  • 動画化:SynthesiaやD-IDを使って顔出し不要の動画生成
  • 漫画化:AIで漫画風のイラストにし、SNSで拡散

これにより、「読む自伝」から「聞く・観る自伝」へと進化させられます。


6. まとめ:AIで「自分らしさ」を拡張する時代

AIを活用することで、今までなら時間がかかった自己表現が圧倒的に効率化され、しかも質が上がります。ただし、AIに任せきりにするのではなく、「編集」「文脈付け」「感情の補正」などは人間の役割として残されます。

✅ メリット

  • 時間短縮
  • 客観性のある視点
  • 多用途に応用可能(ポートフォリオ、ブログ、SNS)

❌ デメリット

  • 嘘のように見えるリスク
  • 誤情報の混入
  • モデルのバイアス

最後に、生成AIは「嘘をつく道具」ではなく、「自分らしさを磨くレンズ」として活用すべきです。


✍️執筆者: フルスタックエンジニア / クラウドインフラ愛好家 / AIで自己拡張中

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