AIとRPAの違いとは?業務自動化ツールの使い分けガイド
🧩 1. はじめに:業務自動化の波に乗れてますか?
DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、企業では「業務の自動化」が喫緊の課題となっています。
最近では「AIで業務を自動化しよう!」「RPAで人手作業を削減しよう!」といった声をよく耳にしますが、実際の現場ではこんな疑問が多く聞かれます。
- AIとRPAってどう違うの?
- 自分の会社にはどっちが適してるの?
- そもそも、何をどうやって導入すればいいの?
本記事では、ソフトウェアエンジニアの視点から、AIとRPAの違い・共通点・選び方を徹底解説し、さらにPythonとUIベースのツールを使った具体例を紹介します。読み終わる頃には、「うちの業務、まずはここから自動化できそう!」と思えるはずです。
🧠 2. AIとRPAの違いを正しく理解しよう
✔️ RPA(Robotic Process Automation)とは?
定型的なルールベースの作業をソフトウェアロボットが自動で実行する仕組み。
RPAはExcel処理、社内システムのクリック操作、帳票出力など「決まりきった手順」を高速かつ正確に代行してくれるツールです。代表的なツールには以下があります:
- UiPath
- Automation Anywhere
- WinActor(日本企業向け)
✔️ AI(Artificial Intelligence)とは?
人間の知的行動(判断、推論、予測など)を模倣する技術。
AIは主に「非定型業務」に強みがあります。たとえば:
- 顧客の文章から感情を判定(NLP)
- 画像から製品の不良を検出(画像認識)
- 営業成約率を予測(機械学習)
🆚 RPAとAIの違いを図で整理!
項目 | RPA | AI |
---|---|---|
主な用途 | 定型業務の自動化 | 非定型業務の支援 |
処理方法 | ルールベース | 統計・学習ベース |
導入難易度 | 低~中(ノーコード可) | 中~高(学習とデータ前処理が必要) |
拡張性 | 低(決まった範囲) | 高(学習次第で進化) |
代表的なツール | UiPath, Power Automate | TensorFlow, scikit-learn, OpenAI API |
💻 3. 具体例で理解する:RPAとAIの役割分担
ケーススタディ:請求書処理業務の自動化
🛠️ 手順1:RPAでPDF請求書の保存・ファイル名整理
例:Power Automate Desktop や UiPath で「請求書PDFをダウンロード → 顧客名ごとにリネームしてフォルダに格納」などの操作を記録。
・トリガー:受信メールの添付PDF
・アクション:
1. 添付ファイルを保存
2. ファイル名から日付・会社名を抽出
3. 所定フォルダにリネームして移動
🧠 手順2:AIで請求書の内容を解析・CSVに変換
ここでAIの出番です。たとえば、OCR + 自然言語処理で請求書の中身を読み取り、金額や項目を抽出してCSVに変換します。
import pytesseract
from PIL import Image
import re
image = Image.open("invoice_sample.png")
text = pytesseract.image_to_string(image, lang='jpn')
# 金額などを正規表現で抽出
amounts = re.findall(r'¥[\d,]+', text)
for amt in amounts:
print(f"抽出金額: {amt}")
📝 ポイント:pytesseractはGoogleのTesseract OCRをPythonから使えるライブラリです。
🧪 4. 実務に役立つTipsと落とし穴
✅ 現場で気をつけたいポイント
課題 | 回避策 |
---|---|
RPAがUI変更に弱い | セレクターの安定性に注意。IDやクラス名で取得する |
AIが学習データに依存 | トレーニングデータの質・量が最重要 |
部門間連携が複雑になる | 業務フローの可視化と要件定義をしっかりと |
✅ 導入時のおすすめステップ
- 業務の洗い出し(属人作業・繰り返し作業を優先)
- RPAから導入して「自動化体験」を得る
- その後、AIで高度化して判断系タスクへ展開
🚀 5. 応用例:AI × RPA のハイブリッド活用
AIとRPAは競合ではなく、補完関係です。
💡 例:AIによる顧客のメール内容分類 + RPAによる応答テンプレ送信
- AI(BERTなど)でメールを「苦情・問い合わせ・注文」などに分類
- RPAがテンプレメールを自動選択&送信
from transformers import pipeline
classifier = pipeline("text-classification", model="cl-tohoku/bert-base-japanese")
text = "商品が届かないのですが…"
result = classifier(text)
print(result) # [{'label': '苦情', 'score': 0.92}]
このように組み合わせれば、人的判断+実行まで自動化できます。
🧭 6. まとめ:AIとRPA、どう付き合うか?
✅ メリット・デメリット
RPA | AI | |
---|---|---|
👍 強み | 手軽に始められる、ノーコード | 柔軟な判断、拡張性 |
👎 弱み | ルール外は対応不可 | 導入に専門知識が必要 |
✅ 今後の展望
- RPAツールにもAIが統合される(例:UiPathのAI Center)
- ローコード/ノーコードの進化で現場活用が一層加速
- AIエージェント化が進み、意思決定支援から実行まで可能に
📌 最後に
RPAは現場の即効薬、AIは長期的な競争力強化。
どちらも適材適所で使い分けることが鍵です。
まずはRPAで「やってみる」。次にAIで「考えさせてみる」。
それが、自動化の第一歩になります。
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