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MATLABで単相全波整流回路をシミュレーションする

Last updated at Posted at 2022-12-13

始めまして。Blitz1127です。

電力系のシステムは立派な教科書はあるけど、あまりシミュレーションされてないと感じています。今回は、MATLABを用いて単相全波整流回路の動作をシミュレーションします。

単相全波整流回路とは

全波整流回路はACからDCに変換する回路です。安価なACアダプタなどでは、このような回路が活用されています。効率や電源品質といったところでは優れた回路というわけではないのですが、安価に製造できるといったところからよく活用されています。

単相全波整流回路の電気回路

図1のとおり、単相交流回路に対して、ダイオードが4つ並べられた回路になります。ダイオードを通過した後は、負荷(抵抗にて模擬)が接続されています。図中では、途中にコンデンサが負荷と並列接続されていますが、このコンデンサについては別途説明します。

single_phase_full_bridge.png
図1 単相全波整流回路構成

回路特性

教科書に書いてある特性を以下の表1に示します。

表1 全波整流回路の入出力波形
single_phase_full_bridge_waveform_table.png

入力波形は交流電源となりますので、正弦波となります。
出力波形について、電流の流れ方は以下の2つのモードがあります。(図2参照)
a)モード1 0 < t < T/2 のとき
 図中の左上のダイオードと右下のダイオードが使用されるモードです。入力正弦波の正の値が負荷に出力されます。
b)モード2 T/2 < t < T のとき
 図中の右上のダイオードと左下のダイオードが使用されるモードです。入力正弦波が反転されます。そのため、入力正弦波の負の値が反転し、負荷に出力されます。

これらのモード1,2を組み合わせると表1左下のような波形になります。
この波形だとあまり美しくないので、コンデンサで電圧が変動しているのを綺麗にします。その結果が表1右下のような波形です。

single_phase_full_bridge_current.png
図2 全波整流回路の電流経路

MATLABでの解析条件

それでは、MATLABで解析してみましょう。解析回路は図3の通りです。コンデンサは容量を変更するようにします。回路パラメータは表2の通りとします。

single_phase_full_bridge_MATLAB.png
図3 MATLABでの解析回路

表2 回路パラメータ

電源 100Vrms
ダイオード オン抵抗 1mΩ
電圧降下 0.8V
スナバ抵抗 500Ω
スナバコンデンサ 250nF
コンデンサ 1mF
抵抗 1kΩ

MATLABでの解析結果

図4,5にMATLABでの解析結果を示します。
上がコンデンサなしの場合、下がコンデンサ有りの場合です。
コンデンサなしの場合、正弦波の絶対値のような波形が得られています。オン抵抗・電圧降下・スナバの影響などにより、ピーク電圧やモード切替時の電圧などが正弦波の絶対値の値と異なっています。
コンデンサありの場合、正弦波のピークあたりで電圧が推移していることがわかるかと思います。これが、平滑コンデンサの効果になります。

single_phase_full_bridge_waveform_mat_noC.png
図4 全波整流回路の出力波形(平滑用コンデンサなし)

single_phase_full_bridge_waveform_mat_C.png
図5 全波整流回路の出力波形(平滑用コンデンサあり)

まとめ

本記事では、単相全波整流回路の基本とMATLABでの解析を紹介しました。波形の簡単な紹介のみだったので、もう少し詳細な解析も実施していきたいと思います。

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