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文系人間がコンピュータの内部に潜入してみた②

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文系人間がコンピュータの内部に潜入してみた②

こんにちは、BB-KING777です!前回の潜入レポートでは、コンピュータが実際に理解している機械語の世界と、フェッチ・デコード・実行サイクルの入り口まで探検しました。今回は、CPUの内部でどのように命令が実行されていくのかをさらに詳しく見ていきましょう!

📡 CPUの内部構造:レジスタという秘密の引き出し

前回、私たちのシンプルなプログラムを見てみましたよね。

int main() {
    int a,b,result;
    a=1;
    b=2;
    result = a + b;
    printf("result:%d",result);
    return 0;
}

このプログラムが機械語に変換されると、CPUはこれをどう処理するのでしょうか?

🗃️ レジスタとは何か?

CPUの中には「レジスタ」と呼ばれる超高速の小さな記憶場所があります。これは、まるでCPUの「作業机」のようなものです。

想像してみてください:

  • メインメモリ(RAM) → 大きな本棚
  • レジスタ → 机の上の小さな引き出し

本棚(RAM)からノートを取り出して机の上で作業するように、CPUもレジスタにデータを読み込んで処理を行います。

💻 足し算命令の実行を追ってみよう

さあ、具体的に機械語を見ながら、足し算処理がどう行われるか見てみましょう。

1163: 8b 55 f4                mov    -0xc(%rbp),%edx    // edx = a
1166: 8b 45 f8                mov    -0x8(%rbp),%eax    // eax = b
1169: 01 d0                   add    %edx,%eax          // eax = eax + edx (a + b)
116b: 89 45 fc                mov    %eax,-0x4(%rbp)    // result = eax

これは、result = a + b という1行のC言語コードが、機械語では4行の命令に変換されていることを示しています。

🔍 足し算のステップバイステップ

ステップ1: 値の読み込み(mov命令)

mov    -0xc(%rbp),%edx    // edx = a

この命令は「メモリの特定の場所から値を読み取り、edxレジスタに格納せよ」という意味です。

  • %rbp は「ベースポインタ」と呼ばれる特別なレジスタで、現在の関数のローカル変数がどこにあるかの基準点
  • -0xc(%rbp) は「rbpの値から12バイト引いた位置」という意味
  • その位置に変数 a の値(1)が格納されています
  • %edx はCPUの中の一つのレジスタ(小さな引き出し)

つまり、この命令で「変数aの値(1)をedxレジスタに読み込む」ということをしています。

ステップ2: もうひとつの値の読み込み

mov    -0x8(%rbp),%eax    // eax = b

同様に、変数 b の値(2)を別のレジスタ %eax に読み込みます。

ここで、CPUの中の状態は次のようになっています:

  • edxレジスタ:1(変数aの値)
  • eaxレジスタ:2(変数bの値)

ステップ3: 実際の足し算(add命令)

add    %edx,%eax          // eax = eax + edx (a + b)

ここで実際の足し算が行われます!

  • add 命令は「足し算をせよ」という命令
  • %edx,%eax は「edxの値をeaxに足せ」という意味
  • 実行後、eaxには3(2+1)という結果が格納されます

このステップの後のCPUの状態:

  • edxレジスタ:1(変わらず)
  • eaxレジスタ:3(2 + 1 の結果)

ステップ4: 結果をメモリに戻す

mov    %eax,-0x4(%rbp)    // result = eax

最後に、計算結果をメモリに書き戻します。

  • %eax,-0x4(%rbp) は「eaxの値を、rbpから4バイト引いた位置に書き込め」という意味
  • この位置が変数 result の場所です

これで、メモリ上の result 変数に値3が格納されました!

⚙️ なぜこんなに複雑?レジスタを使う理由

「ちょっと待って!なぜこんなに複雑なの?なぜRAMから直接計算できないの?」

素晴らしい質問です!理由は主に2つあります:

  1. 速度 - レジスタへのアクセスは、RAMへのアクセスより圧倒的に速い(100倍以上!)
  2. CPUの設計 - CPUの演算回路(ALU)は直接レジスタとだけやり取りするように設計されています

これはちょうど、あなたが料理をするとき、冷蔵庫(RAM)から食材を取り出して、まず作業台(レジスタ)に置いてから調理するようなものです。冷蔵庫のドアを開けたまま中で料理はしませんよね?

🎭 CPUの裏側:命令セットアーキテクチャ

これまで見てきた movadd のような命令は、実はCPUの「命令セット」と呼ばれるものの一部です。

命令セットは、CPUが理解できる「動詞」のリストのようなものです。Intel/AMDのx86-64アーキテクチャやARMアーキテクチャなど、異なるCPUファミリーは異なる命令セットを持っています。

これは、例えば日本語と英語が異なる言語であるのと同じです:

  • x86-64 CPUは「mov」という命令を理解します
  • ARMプロセッサは代わりに「ldr」(load register)という命令を使います

でも、言語は違っても「何かを動かす」という意味は同じですね。

🔄 パイプラインの秘密:命令の重なり

現代のCPUには、もうひとつ知っておくべき素晴らしい技術があります:「パイプライン」です。

フェッチ・デコード・実行のサイクルは、実は重なって同時進行しているんです!

例えるなら、自動車工場の組立ライン:

  • 1台の車が完成するのを待ってから次の車の組立を始めるのではなく
  • 1番目の車がエンジン取り付けに移ったら、2番目の車のフレーム組みを始める

同様に、現代のCPUは:

  • 1番目の命令を実行している間に
  • 2番目の命令をデコードし
  • 3番目の命令をフェッチしています

これにより、CPUの性能が大幅に向上しているのです!

🧮 ALU:算術論理演算ユニット

足し算を実行する段階で重要な役割を果たす部品が「ALU」(Arithmetic Logic Unit:算術論理演算ユニット)です。

ALUは、CPUの中の「計算部門」のようなもの。足し算、引き算、AND、OR、NOTなどの基本的な操作を行います。

私たちの例では:

  1. edxレジスタとeaxレジスタの値がALUに送られ
  2. ALUが足し算を実行し
  3. 結果がeaxレジスタに書き戻される

ALUは電気信号で動作していて、数百万〜数十億のトランジスタから構成されています。これが電子的に「1+2=3」を計算しているのです!

🎓 まとめ:文系人間でも理解できるCPUの内部

さあ、2回にわたる探検で、私たちはCPUの内部に潜入してきました!ここで学んだことをまとめましょう:

  1. プログラムはROMに格納:私たちが書いたコードはコンパイルされて機械語になり、ROMに格納されます

  2. フェッチ・デコード・実行:CPUは機械語を読み取り、解読し、実行するサイクルを繰り返します

  3. レジスタは超高速メモリ:CPUは内部にある小さな「引き出し」(レジスタ)を使って高速に計算します

  4. 命令は複数ステップに分かれる:単純な足し算も、実は複数の基本ステップに分解されます

  5. パイプラインで効率化:現代のCPUは複数の命令を同時に処理することで性能を向上させています

これで、あなたはコンピュータが内部でどのように動作しているのか、その基本を理解できたはずです!

次回は、コンピュータのもう一つの重要な要素「メモリ階層」について探検してみましょう。キャッシュメモリとは何か?なぜRAMとSSDでは速度に大きな差があるのか?そんな疑問を解き明かしていきます!


さて、あなたのパソコンの中でこんな複雑なことが行われていると思うと、少し驚きませんか?毎秒何十億もの命令を処理しているCPUは、まるで目に見えない小さな職人のようです。その職人たちの働きを少しでも理解できたなら、この記事の目的は達成されました!

次回もお楽しみに!🕵️‍♂️💻

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