#概要
本記事では、NASの任意のディレクトリをUbuntuの計算機サーバにマウントした手順をまとめる。
※ QNAP NAS自体の導入方法は書かない。参考にさせて頂いたサイトだけ載せておきます。
※ autofs自体の導入方法は書かない。
#経緯
所属研究室では、ZFSというNFSサーバサービスを用いて、ファイルサーバの大容量ディレクトリを複数台の計算機サーバ(Ubuntu16.04.3)に共有するという構造をとって来たが、先日ついにファイルサーバの容量が足りなくなってしまった。
自前でファイルサーバを立てるのは大変なので既製品に頼ることにし、QNAP NAS TS-453Beを購入した。
NAS側の設定
NFSサービスを有効にする
- ブラウザにNASのIPアドレスを入力し、管理webページに接続する
- 管理者権限のユーザ名とパスワードでログインする
- コントロールパネル>ネットワークサービスとファイルサービス>Win/Mac/NFS>NFSサービス を開く
- 利用したいバージョンのNFSにチェック(NFSv2・NFSv3/ NFSv4)
- 適用ボタンを押下
共有したいフォルダにNFSアクセス権を設定
- コントロールパネル>権限設定>共有フォルダ
- マウントしたい共有フォルダの「アクション」欄の「共有フォルダ権限の編集アイコン」を押下
- 権限タイプの選択で「NFSホストのアクセス権」を選択
- アクセス権にチェック
- 権限を適宜変更
- 適用ボタンを押下
計算機サーバ側の設定
所属研究室ではNFSクライアントサービスとしてautofsを利用しているので、これを用いてマウントを行う。
autofs とは
autofsは、共有ファイルの自動マウントおよび自動アンマウントをしてくれるautomountシステムである。
NFSクライアントサービスとしては、apt install
できるnfs-common
などが一般的?であるらしい。そのようなパッケージを用いる場合、/etc/fstab というファイルにNFSサーバやマウント先のパスの設定などを書き、ディレクトリの共有を行う。
しかし、/etc/fstab を使用した場合だと、ユーザーが NFS でマウントしたファイルシステムにそれほど頻繁にはアクセスしなくても、システムにはその使用頻度に関係なくマウントしているファイルシステム専用のリソースを維持しなければならないという弱点がある。
これに対し、automountシステムは自動的にマウント・アンマウントを行うので、システムのリソースを節約することができるという利点がある。
autofs は、デフォルトの主要設定ファイルとして /etc/auto.master (マスターマップ) を使用し、マウント設定は/etc/auto.hogeに書く。
NFSクライアント側の設定
- /etc/auto.hogeファイルを編集。管理者権限が必要。
-
$ sudo /etc/init.d/autofs restart
にてautofsを再起動。
/etc/auto.hogeの書式はmount-point [options] location
で、例えば以下のようになる。
/nas_home -fstype=nfs,rw,noacl,rsize=32768,wsize=32768 192.168.0.2:/homes # nas
ここで、オプションの意味は
- rw:読み込み書き込み可、
- noacl:ACP の処理をすべてオフにする、
- rsize及びwsize:NFS 通信の読み込み (rsize) と書き込み (wsize) のときに一度に転送するデータブロックサイズ (バイト単位) 。NFSv3 のデフォルト値はいずれも 8192、NFSv4 のデフォルト値は 32768 。