はじめに
こんにちは.孔明です.ロボットの強化学習による制御が流行っているので,波に乗ろうとRTX 4060 Ti (VRAM 16GB)が載ったゲーミングマシンを買いました!!
どうせ学習回すのにしか使わないからとWindows無しのカスタムをして5000円浮かせたところまでは良かったのですが,せっかくスペック盛ったPCがあるならFusion(旧Fusion360)も動かしたいことに届いてから気付きました.計画性がないので...(5000円で正規ライセンスのWindowsが買えると思うとつけておけばよかったですよねこれ)
調べてみるとwineで頑張ればFusionが動くらしい記事を見かけたので,それを参考に気合でインストールしてみた備忘録を残しておきます.
免責事項
Fusionは公式にはWindowsとMacOS向けにのみ提供されており,今回の手順は外法的な立ち位置です.本稿を参考に行われた作業によって生じたいかなる損害も私は責任を負いかねますのでご了承ください.実施される場合は自己責任でご利用くださいませ.
環境
- CPU: Intel Core i5-14400F
- GPU: NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti (VRAM 16GB)
- RAM: 32GB
- OS : Ubuntu 24.04.2 LTS
手順
リポジトリのclone
READMEのコマンドをコピペしても動かなかったので,リポジトリを手元に落として地道に作業します.
cd ~
git clone https://github.com/cryinkfly/Autodesk-Fusion-360-for-Linux
インストーラの実行
リポジトリ内へ移動して
cd Autodesk-Fusion-360-for-Linux/files/setup/
chmox +x autodesk_fusion_installer_x86-64.sh
インストーラを実行します.
./autodesk_fusion_installer_x86-64.sh --install
しばらく待ちます.成功すると,Fusionが起動してブラウザでサインインするためのボタンが出てきます.
サインイン
サインインボタンを押下すると,firefoxが起動していつものAutodeskサインインページが開きます.普段どおりにログインします.
手動リダイレクト
ここはUbuntuへ無理やりインストールしている今回ならではの手順です.Windowsへ正規のインストールの場合は,サインイン完了後にFusionへ自動でリダイレクトされますが,今回の手順ではこれが期待通りに動作しません.そこで,ブラウザからのリダイレクトで渡されるtokenを手動でコピペしつつ,AdskIdentityManager.exe
へ与えて起動することでこの問題を回避します.
まずはAdskIdentityManagerがある場所の1個上のディレクトリへ移動します.
cd ~/.autodesk_fusion/wineprefixes/default/drive_c/Program Files/Autodesk/webdeploy/production/
ここでls
すると,乱数名?ハッシュ値?のようなディレクトリがいくつか並んでいます.その中から,Autodesk Identity Manager
ディレクトリを含んでいるものを気合で探してそこへ移動します.
例えば30c9
というディレクトリにあったとすると(実際はもっと桁数多いです),最終的に~/.autodesk_fusion/wineprefixes/default/drive_c/Program Files/Autodesk/webdeploy/production/30c9/Autodesk Identity Manager
へ移動すればよいです.
移動できたら,先程ログインしたブラウザへ戻ります.「製品が起動しませんか?再実行」のようなリンクがあるので,ここを右クリックしてアドレスをコピーします.
コピーしたアドレスを以下のコマンドのYOUR_REDIRECT_ADDR
と置き換えて実行します.ダブルコーテーションは残してください.
WINEPREFIX=$HOME/.autodesk_fusion/wineprefixes/default wine ./AdskIdentityManager.exe "YOUR_REDIRECT_ADDR"
例えばリダイレクトの再実行リンクからコピーできたアドレスがadskidmgr:/login?code=piyopiyo=
であったとき,以下のコマンドを~/.autodesk_fusion/wineprefixes/(中略)/Autodesk Identity Manager
で実行すればよいことになります.
実行例は以下の通り.
cd ~/.autodesk_fusion/wineprefixes/default/drive_c/Program Files/Autodesk/webdeploy/production/30c9/Autodesk Identity Manager
WINEPREFIX=$HOME/.autodesk_fusion/wineprefixes/default wine ./AdskIdentityManager.exe "adskidmgr:/login?code=piyopiyo="
セッションの有効期限が切れてしまった場合は,~/.autodesk_fusion/bin/autodesk_fusion_launcher.sh
を実行してFusionを立ち上げ直しましょう.
これで認証が通れば,晴れてUbuntuでFusionを動かせます.お疲れ様でした!