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Azure使う?使わない? ~Static Web Apps編~

Last updated at Posted at 2025-05-03

Qiita利用規約およびコミュニティガイドラインを遵守するために一部の表現を修正いたしました。

一般的にサービスの良い面は語られがちですが、残念な面について語られることは少ないですよね。
そこで本記事ではStatic Web Appsの残念な点をあえて挙げることで、Azureの利用を検討している方々にとっての判断材料となることを目的としています。

よろしければ前回のAzure Functions編を読んだうえで本記事をお読みください。
前回の記事を読んでいただくと本記事をより理解していただけると思います。

Static Web Appsとは?

Static Web Appsはその名の通り静的WebサイトをホストできるAzureサービスです。
React, Vue, Angular, Svelte, Next.js, Nuxt.jsなどのフレームワークにも対応しています。

2021年5月にGAした結構新しめのサービスで、Azureにも普通にありそうなのに無かったサービスなのでようやくこの手のサービスが来たかとAzure系エンジニア界隈でそこそこ話題になりました。

機能としてはGitHub等とのCI/CD、CDNによるグローバル分散、カスタムドメインやSSL/TLS証明書、IDaaSなど様々な便利機能を使用・統合することが出来ます。
また、オプション機能としてFaaSである Azure Functionsを内蔵している ためバックエンドを必要とするシンプルなWebアプリもホストすることが出来ます。
さらにオプションのオプションですが、自分で用意したApp Serviceなどをバックエンドとして使用することもできます。

ちなみに上記の各種機能は料金プランによって出来たり出来なかったりが決まっています。

Static Web Appsとは何か?というのが大体理解できたと思いますので、ここから本題となるStatic Web Appsの残念な面を情報提供していきます。

Javaを使用できない

本家のAzure FunctionsではJavaを使用できるのですが、上記で説明したStatic Web Apps内蔵のAzure Functionsでは Javaを使用できません
AzureのサービスではMicrosoft自身のC#がSDKやランタイムサポートの絶対的なTier 1として君臨しており、Java / Python / Node.jsがその次のTier 2グループを形成しています。
この3つは世界的に利用者の多いプログラミング言語なので納得していただけるところだと思います。
しかしそれだけにTier 2の言語すらも対応していないのかと残念なところですね。

Python 3.11がいまだに正式サポートされていない

Python 3.11自体はご存知2022年10月リリースです。
しかし2025年5月現在、Static Web Apps内蔵のAzure FunctionsではPython 3.10までなっており Python 3.11 は正式にサポートされていません。
当然ですが Python 3.12/3.13 もサポートされていません。
ちなみにAzureの外の世界では5か月後に Python 3.14 がリリースされるらしいです。

Node.jsを本番環境として使用できない

Node.js 20自体はご存知2023年4月リリースです。
しかし2025年5月現在、Static Web Apps内蔵のAzure Functionsでは Node.js 20 が正式にサポートされていません。
もちろん Node.js 22 もサポートされていません。
また、Node.js 18 はサポートされているのですが、2025年4月でNode.js公式の Node.js 18 サポートが終了しました。

つまり、2025年5月現在 本番環境として使用できるNode.jsバージョンが存在しません
サポート切れの18または未だにプレビュー状態の20を自己責任で使うということは一応出来ますが…本番環境として非推奨なのは言うまでもないです。

サービス終了疑惑(?)

Static Web Apps公式のGitHubリポジトリがあり "新バージョンのサポートどうなってんの?" という趣旨のIssueがあるのですが、Microsoft側は完全に無反応です。
というか、新バージョンに限らず様々なトラブルのIssueが報告されているのですが昨年あたりからMicrosoft側の反応が全く無いようです。

Azure UpdatesというAzure公式のアップデートログによると、Static Web Appsは割とコンスタントにアップデートされていたのに2024年5月で突然アップデートが止まっています。

長年Azureを使ってきましたが、Azure内ではメジャーなサービス(と私は思っています)でこのようなアップデート停止かつ公式リポジトリも完全放置、そして現在進行形で何のアナウンスも無し(逆に言うとサービス提供中ということなんですが…)このような運営はこれまで記憶にないです。

他のAzureユーザも気になっているようで "今後サポートや開発どうなるの?" と質問しているIssueなんかもありますがやはりMicrosoft側の反応はありません。

また、弊社の社内システムでも使われているサービスなので今後も状況をウォッチしていきたいと思います。

そんなところでそれではこの辺で締めておきます。

あなたの結論は?

Azure使う?使わない?:thinking:

参考

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