目的
pythonの開発環境を構築し、仮想環境ごとにパッケージ管理を行う開発手法をご紹介します。
Pythonでのアプリ開発・AI開発・データ分析などに必要となるので、ご活用ください
前提
- bash, zshなどシェル(ターミナル)の知識
- apt, homebrewなどパッケージ管理ツールの知識
Python3のインストール
homebrewを使用してPython3をインストールします。
Python3にはpip3が付属しています。
brew install python3
python3およびpip3がインストールされたかを、バージョン確認のコマンドで確認します。
それぞれのバージョンが出力されればOKです。
python3 -V
pip -V
エイリアスを設定する
エイリアスを設定しておけば、ショートカットのようにコマンドを省略して打てます。
よく使うコマンドに対し、エイリアスを設定することをオススメします。
設定は、ホームディレクトリに存在するシェルの設定ファイルに追記することで反映されます。
シェルがbashなら .bashrc
, zshなら.zshrc
などが設定ファイルです。
編集はvi, vim, nanoなどのお気に入りのCUIエディタで行えます。(ここではvim)
vim ~/.bashrc
編集画面が開きますので、i
を押して編集モードになったら、G
で最下部にカーソル移動し、下記を追記します。
保存はEsc
で編集モードから離れ、:wqを押すと保存されます。強制終了は:q!です。
他の箇所はシェルが壊れてしまう可能性があるので、わからない方は編集しないようにご注意ください。
# python用エイリアス
alias mkvenv='python3 -m venv venv'
alias python='python3'
alias pip='pip3'
alias pyver='python --version'
alias <コマンドの省略名>='<実際に実行したいコマンド>'
という形式で作成できます。
mkenv: Python用の仮想環境を作ります
python: python3, python2などバージョンでコマンドが変わるので、現在使用中のpython3をpythonとして打てるようにします
pip: こちらも同様にバージョン名なしで打てるようにします
pyver: バージョン確認用
無事に保存できれば、次回シェルを開くとエイリアスが使えます。
編集を即時反映させたい場合、設定ファイルを下記コマンドでリロードします。
source ~/.bashrc
プロジェクトごとに独立したPython環境を作る
パッケージをpipでインストールしようとするとエラーがでます。
グローバルにインストールする場合はHomebrewなどを利用し、プロジェクトごとにインストールする場合は個々の環境を作りその中で行います。
仮想環境を作ると、シェルの環境を汚さずPythonパッケージをその環境内だけで扱うことができます。
シェル全体にpython3のxyzパッケージがあるが、プロジェクトごとに異なるバージョンを利用したい場合などに便利です。
virtualenvはプロジェクトごとに独立したPython環境を作るツールです。
これをグローバルにインストールし、それを利用して個々の環境を作れるようにします。
代替ツールとしてpyenv
, conda
があります。
brew install virtualenv
バージョンを確認します
virtualenv --version
仮想環境を構築します
virtualenv env_py3.8 --python=python3.8
virtualenv <仮想環境の名前> --python=<pythonバージョン指定>
--の部分はオプションなのでなくてもOKです。
仮想環境を開始します(env_3.8は自分用に置き換えて下さい。)
source env_3.8/bin/activate
仮想環境の中でpip installなどを行えます。(huggingface_hubパッケージの例)
pip install huggingface_hub
pip show huggingface_hub
仮想環境を終了します
deactivate
仮想環境でインストールしたパッケージが仮想環境の外では存在しないことを確認します
pip show huggingface_hub