はじめに
こんにちは、Datadog Japan で Sales Engineer をしている AoTo です。
この投稿は AoTo Advent Calendar 2024 23日目の記事です。
みなさん、『入門 OpenTelemetry』は予約しましたか?私はしました🔭
では、今年開催された KubeCon NA 2024 には参加しましたか?私はしていません…
今回は KubeCon NA 2024 に合わせて発表された、Linux Foundation の認定資格『OpenTelemetry Certified Associate(OTCA)』を(ほぼ)最速で受験してきたのでその内容を記録します。
OTCA(OpenTelemetry Certified Associate) とは
ご存知の通り、OpenTelemetry はトレース・メトリクス・ログをはじめとするテレメトリーデータを計装・生成・収集・エクスポートするための、ベンダー非依存なオープンソースのオブザーバビリティツールです。
OTCA は OpenTelemetry を通してオブザーバビリティの基本概念の理解と実装方法、ベストプラクティスをはじめとする内容の理解を測る Linux Foundation 認定資格です。
本資格のドメインとコンピテンシーは以下のように定められています。1
トピック | 内容詳細 | 割合 |
---|---|---|
オブザーバビリティの基礎 | テレメトリ・セマンティック規約・ 計装・分析と結果 |
18% |
OpenTelemetry API と SDK | データモデル・構成と拡張・シグナル・ SDK・コンテキスト伝播・エージェント |
46% |
OpenTelemetryコレクター | 構成・デプロイ・スケーリング・ パイプライン・データ変換 |
26% |
オブザーバビリティパイプラインの 維持とデバッグ |
コンテキスト伝搬・デバッグ・ エラーハンドリング・スキーマ管理 |
10% |
試験はオンラインでのみ提供されており、試験ベンダーは PSI です。
試験時間は90分、多答選択式問題で試験は実施されます。
認定されると有効期間は2年間、試験に不合格でも1回の再受験が可能です。
(ほぼ)最速受験
本認定資格は KubeCon NA 2024 開催中(2024/11/12-15)に発表され、ベータ版として申請者の一部のみが受験できました。
私は発表直後の 2024/11/14 に OTCA を購入しベータ版にも申請しましたが、残念ながら権利を得られずに試験の公開を待ち構えていました。
2024/12/20 に Linux Foundation より以下の一般公開の案内がされ、個人的な都合もあり(ほぼ)最速日程の2024/12/22 に試験を予定しました。
Thank you for registering for the OpenTelemetry Certified Associate (OTCA) certification exam. We are pleased to announce that the certification exam can now be scheduled! You can review the domains and competencies, along with important exam instructions, on the certification page.
学習方法
日々 OpenTelemetry の情報に触れているのはもちろん重要ですが、初心者でも学習パスが必要です。
本試験は Associate とある通り、それほど高度な知識を問う問題ではありません。
Linux Foundation からも無償で『Getting Started with OpenTelemetry (LFS148)』が提供されており、Linux Foundation アカウントを作成すれば誰でもオンデマンドで受講可能です。
私ももちろん、本講座が公開された直後に一通り目を通しました。内容としては、基本的なオブザーバビリティ・OpenTelemetry の概念と、Java, Python アプリケーションと Jaeger を利用したハンズオンを含む、豊富な初学者向けのコンテンツです。
その他には冒頭でも触れている『入門 OpenTelemetry』が有効でしょう。本書籍は英題『Learning OpenTelemetry』として既に出版されており、先ほどの学習講座と内容は似通っています。
一方で細かい説明や図・コラムによってより深い理解を得られる書籍となっています。例えば OpAMP(Open Agent Management Protocol) についても触れられているなど、OpenTelemetry に関わる概念と技術について幅広く知ることができます。
そして何よりも忘れてはならないのが、OpenTelemetry Documentation の読み込みです。本ドキュメントはオブザーバビリティの基本概念から、各プロトコルや規則の標準化内容やその背景まで様々な説明がされています。
日本の心強い OpenTelemetry コントリビューターのお力で日本語ドキュメントもあるので、是非頻繁に色々なドキュメントをご参照ください。
おわりに
1月まで公開が待たれるかと思っていた OTCA が急遽公開となったため、急ぎ受験してきました。
結果は…一発合格でした🔭(結果も94/100で大満足です🎉🎉🎉)
OpenTelemetry は チョットワカル と思っていたので、今回は資格でしっかりと実力を示せて良かったです😇
OTel 好きの皆さん、是非これを機に体系的に OTel の基礎を体系的に学び直しましょう!
そしてこれから OTel に入門したいと言う方も資格試験を入り口に是非オブザーバビリティの世界に足を踏み入れてください!
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邦訳の都合上、一部省略しています ↩