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LPT(リンクパススルー)機能の概要と、ON⇔OFFするとどうなるか

Last updated at Posted at 2019-07-17

##概要
LPTとは、メディアコンバーター(以下、M/C)において、あるポートでのLinkDownを別のポートに転送する機能。
##言葉
Link (Fault) Pass Through。略してLPT
日本語訳には様々なパターンがあるが、意味するところは同じと思われる。

##意図
Linkdownを別のポートに伝達することで、障害の早期発見・早期対応を助ける。
##動作概念図
####LPTなしの場合

図1.png


図2.png
回線障害・ポート障害・ポートshutdownなどでM/C 2とRouter2の間でLinkDownが発生しても、そのLinkDownがM/Cを越えて転送されない。Router1とM/C 1の間では疎通が取れているため、LinkUpのまま。Router1からの見え方は、LinkUpしているのに通信はできない、という状態になる。

図3.png
M/C同士の間でLinkDownになった場合、Router1・Router2ともにLinkUpしているのに対向機器との通信ができない状態になる。

いずれの場合でも、Routerから見るとポートがLinkUpしているのに通信ができない、という状態になる。LinkDownをトリガーとしてバックアップ回線に切り替える設定(HSRPのtrack interfaceなど)が作動せず、障害復旧に遅れが生じる恐れがある。


####LPTありの場合

図4.png


図5.png
M/C 2とRouter2の間でLinkDownが発生したケース。M/C 2(~Router2)のポートでLinkDownを検知すると、LPT機能によってLinkDownが転送され、M/C 2(~M/C 1)のポートもLinkDownに切り替わる(上図)。そこからM/C 1もLinkDownを転送し、最終的にはRouter1のポートもLinkDown状態に切り替わる(下図)。
図6.png
M/C同士の間でLinkDownになった場合でも、各M/CがRouterとの接続ポートにLinkDownを転送し(上図)、各RouterのポートがLinkDownに切り替わる(下図)。

このように、LinkDownを別のポートに転送することで、障害の早期発見・早期対応を助けるのがLPTの主要な目的である。


##LPT試験

LPTが正常に動作しているかを確認するためには、下記のような流れで試験を行えばよい。

  1. 両対向で結線し、正常にLinkUpすることを確認する。
  2. 片方を抜線(shutdown)し、LinkDownが転送されることを確認する。
  3. 再度結線し、両対向で正常にLinkUpすることを確認する。
  4. もう片方でも2・3を確認する。

##LPTを使った障害切り分け
LPTを有効にすると障害の早期発見には効果的だが、すべての区間が一律でLinkDownステータスになるので障害の切り分けが難しい。障害の切り分けをするには、LPTを一時的にOFFにする必要がある。
具体的に言うと、LPTをOFFにすれば、直接接続している機器との疎通だけを確認できるということである。

###実例

下記構成でLinkUpしない場合について考える。

図7.png

LPTがONになっているので、すべての区間がLinkDownになっている。LPTがONのままだと、障害箇所が特定できない

そこで、LPTをいったんOFFにする。すると、LinkDownの転送が止まり、問題のない区間についてはLinkUpになる。障害箇所が1か所であれば、下図3つのうちのどれかに当てはまり、LPTをOFFにしても引き続きLinkDownが発生している区間が障害箇所と特定できる。
図8.png

また、結線の時点でLPTをOFFにしておくことで、RouterとM/Cとの間に問題がないことを確認することもできる。例えばRouter2が接続されていない状態でRouter1を接続する場合、上図②と同じ状態と考えることができる。LPTをOFFにして結線してRouter1~M/C 2までLinkUpしていれば、その区間に問題がないことを確認できる。

##まとめ:LPTをON⇔OFFすると…

隣接機器間での疎通に問題がないかを確認できる。
すなわち、障害の切り分け・区間ごとの疎通確認ができる。

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