2人のプレイヤーが対等な場合について、囚人のジレンマ、男女の争い、チキンゲームの関係について考えた。
2人のプレイヤーは対等であるとして、次のような対称な利得行列を持つゲームを考える。
$c, d, e, f$ の大小関係により、どんなゲームであるかが決まる。$c, d, e, f$ の大小関係がはっきりと定まる(狭義全順序関係がある)とき、$4!=24$ 通りのゲームが考えられるが、それらについてゲームの分類を行うと次のようになる。
順序関係をノードとして、例えば、$c>d>e>f$ の場合を$cdef$と表記している。隣り合う順序を入れ替えて変化する順序関係間にリンクを張った。$c$と$d$の順序を入れ替えてもゲームの分類は変わらないので、$c>d$の場合のみを表記した。上図のネットワークの下に、破線で結ばれて、$c,d$ の順序を入れ替えたネットワークがあると考えればよい。
結局、$c>d$の場合、$c$と$f$、$e$と$d$の大小関係に注目すればよく、
「$c>f$ かつ $e>d$」⇒ 強支配ゲーム(戦略$s_1$を選ぶ方が利得が大きい)
「$c>f$ かつ $e< d$」⇒ 男女ゲーム(相手と同じ戦略を選ぶ方が利得が大きい)
「$c< f$ かつ $e>d$」⇒ チキンゲーム(相手と異なる戦略を選ぶ方が利得が大きい)
「$c< f$ かつ $e< d$」⇒ 囚人ゲーム(戦略$s_2$を選ぶ方が利得が大きい)
と分類されることになる。
強支配ゲーム:
どちらのプレイヤーにも強支配戦略があるゲーム。ナッシュ均衡が1つ。
男女ゲーム:
「男女の争い」として知られるゲーム。両プレイヤーが同じ戦略を選ぶ状態がナッシュ均衡。
チキンゲーム:
「チキンゲーム」として知られるゲーム。両プレイヤーが異なる戦略を選ぶ状態がナッシュ均衡。
囚人ゲーム:
「囚人のジレンマ」として知られるゲーム。ナッシュ均衡が1つ。