AWSより、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) ベースの EC2 インスタンスの価格を2024 年 4 月 1 日以降に変更するとの通知がありました。
価格改定の経緯
Red Hat側ではもともと「小規模」と「大規模」という2 段階の価格モデルで提示していました。
ただ、この2種類で区別するには市場規模が大きくなりすぎたとのことで、今回からは、vCPU 数に応じた価格とする形になります。
10年以上前から同じ区分であったとのことですし、改定の経緯には納得。
RHEL公式アナウンス
AWS上の価格改定の対象
オンデマンドと スポットインスタンスのすべての使用に適用されます。
また、2024 年 4 月 1 日以降に購入したCompute Savings Plans、Savings Plans、リザーブドインスタンスも対象となります。2024 年 4 月 1 日より前に購入したものは古い価格で請求されるとのことなので、価格改定後に課金額が上がる場合は早めにSavings Plansへ入るといったことも検討してもよいかもしれません。
AWS上の価格例
改定後の価格一覧はまだ内容ですが、既存からの比較表はこちらのFAQに記載されています。
https://aws.amazon.com/jp/partners/redhat/rhel-pricing/

通常のRHELのOSを利用している場合、vCPU数が12以下か、16以上かで影響度が大きく変わってきます。
12 vCPU以下のインスタンスを利用している場合
微弱ですが、値下げとなります。
例:c5.xlarge (4 vCPU 8 GiB)
1時間あたり$0.0024の値下げ
→730時間稼働している場合は 0.0024 * 730h = $1.752 の減額
16 vCPU以上のインスタンスを利用している場合
サイズに応じた値上げとなります。
例:c5.4xlarge (16 vCPU 32 GiB)
1時間あたり$0.0428の値下げ
→730時間稼働している場合は 0.0428 * 730h = $31.244 の増額
これはかなりの値上げとなりますね。
※HA等の場合は異なりますので、ご自身の利用のインスタンスと表を確認してみてください。
請求単位の変更
また、EC2 RHEL ベースのインスタンスは、時間単位から秒単位の請求に移行するとのこと。
ポイント
今回の価格改定のポイントは、インスタンスサイズが大きければ大きいほど課金額の影響が大きいということでしょう。
具体的には16 vCPU(4xlarge)以上のインスタンスから、影響が出てきます。
小さいインスタンスを利用している場合にはあまり影響ないですが、16 vCPU以上のインスタンスをお持ちの方にはかなり大きな変更となりそうです。
合わせて秒単位の課金になることもありますし、不要な時間帯の停止やSavings Plans等の利用といったコスト減に向けた工夫が必要となりそうですね。