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量子暗号について簡単に勉強してみた

Last updated at Posted at 2021-01-03

はじめに

今回の記事は、研究室のテーマ決めで量子暗号通信についての研究を行うことを視野に入れ、事前にどのようなものなのかある程度知っておきたいことから調査し、まとめました。
ど素人の解釈なので雑な部分や適当、または極端な部分が多々あると思いますがお許しください。

量子暗号通信

現在はRSA暗号といった公開鍵と秘密鍵から成り立つ暗号が主流となっています。この方式は、現在の古典コンピュータでは、破るのに膨大な時間を要することから、安全性が高く広く利用されています。しかし、このRSA暗号も量子コンピュータによって短時間で破られてしまう日も近いと言われています。
そこで近年話題となっているのが「絶対に破られない」通信方式と言われているBB84プロトコルを用いて量子(光子)を配送する量子暗号通信です。

量子暗号通信を理解するために必要な知識

ここで量子暗号通信について説明する上で必要となる知識についてザックリとまとめていきます。

ハイゼンベルグの不確定性原理

ある量子の位置xは精密に測定でき、また同様に運動量pも精密に測定できます。
しかし、それらを共に精密に測定することは不可能であり、一方の精度を上げると、必然期に他方の精度が落ちてしまいます。

量子の重ね合わせ

量子は2つの状態を同時に保有すことができます。

観測者効果

量子は微小な粒であることから、1度観測するとその量子が持つ性質が変化してしまいます。

Vernam暗号

Vernam暗号は、送信側のアリスが伝達したい文字列Aと、同じ長さの乱数列Xの排他的論理和をした文字列Sを受信側のボブに送信します。ボブは受信したSと、先ほどと同じ乱数文字列Xとの排他的論理和を求めることで、文字列Aを得られるといった暗号です。
Vernam暗号の特徴として、

A⊕X⊕X=A

と、なることです。そのため、文字列Sは、乱数列Xが知られない限り復元が不可能ということです。
しかし、この暗号には2つの欠点が存在します。
1.ボブとアリスが暗号を共有している必要がある
2.送信毎に別の乱数列を生成する必要がある
そのため、実用的な暗号通信ではなく、一般的には利用されていません。

量子暗号通信とVernam(バーナム)暗号の併用

量子暗号通信では、Vernam暗号では難点とされている乱数列X(鍵)を、量子の持つ特徴を活かすことで盗聴者イブにばれないようにボブに共有します。
鍵の配送を行うBB84プロトコルでは、光子を光ファイバーを利用してボブに送ります。
アリスが送る光子は偏光方向(0°, 45°, 90°, 135°)を4つの状態の内から1つ決めて送ります。偏光に意味を持たせるため、次の表のように翻訳することとします。

0 1
90°
45° 135°

ボブは送られてきた光子を0°, 90°の偏光状態の光子を観測できるフィルターを用いるか、45°, 135°の偏光状態の光子を観測できるフィルターを用いるか任意に決定します。
ここで重要となるのが光子には(0°, 90°)の0または1と、(45°, 135°)の0または1の性質を両方持たせることができ、観測側は、(0°, 90°)と(45°, 135°)の2つの状態両方を同時に観測する方法がないことです。そのため1度観測してしまうと性質が変化する量子は2度と同じ状態を再現できなくなります。また、アリスが斜めの偏光状態で送った光子を(0°, 90°)を観測できるフィルターを用いても、意味のあるデータ(0または1)として受け取ることができてしまうことです。
ボブは、どちらのフィルターを用いたのか、従来のネット回線を用いてアリスに報告し、正しいフィルターを用いた観測以外の受信したデータは破棄します。
アリスは間違ったデータの部分となる光子を送信し、ボブが任意のフィルターで受信します。これを全てのビットが共有できるまで繰り返し行います。

利点

この通信方式を用いることの利点は、現在の計算量の観点からの安全性ではなく、現代の物理法則に基づいて安全が保障されている点です。そして、2つのデータを保持する光子の片方のデータしか確認できないため、盗聴しようとしもそれを検出できる点です。

難点

光子の伝送速度が速くても10Mbpsで決して速い通信速度とは言えないことです。

まとめ

今回の記事はここまでになります。
自分ではある程度理解しているつもりですしたが、それを書きとめようとすると理解が足りていないことに気づかされました・・・。また、上手くまとめられず書きたいことが上手に書けなかったため、わかりづらい記事になってしまったと思います。m(_ _)m
量子コンピュータや、それに関連する技術は遠い未来の物だと考えていましたが、実現する世界がすぐそこまで来ていることを改めて感じました。近未来の技術を先取りし、これからの時代の技術に後れを取ることがないよう、これからも深く学び続けていきたいと思います。

参考文献

バーナム暗号について:
https://mathwords.net/vernam

量子暗号の仕組み:
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk28-3-5.pdf

BB84プロトコルの仕組み:
https://www.ipa.go.jp/security/fy12/report/ryoushi.pdf

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