f-stringsは、Python 3.6から導入された新しい文字列フォーマット機能です。従来の % 演算子や str.format() メソッドに比べて、より簡潔で読みやすい表記ができます。
f-stringsを使うには、文字列リテラルの前に f または F を付けます。そして、{expression} の形式で値や式を埋め込むことができます。
name = 'Alice'
age = 25
# f-strings
print(f'My name is {name} and I am {age} years old.')
# 出力: My name is Alice and I am 25 years old.
式の評価結果が文字列に展開されるので、数値型や他のオブジェクトも直接埋め込めます。
x = 10
y = 3.14
print(f'The value of x is {x} and y is {y}')
# 出力: The value of x is 10 and y is 3.14
さらに、f-strings内で関数を呼び出したり、演算を行うこともできます。
import math
r = 5
print(f'The area of a circle with radius {r} is {math.pi * r**2}')
# 出力: The area of a circle with radius 5 is 78.53981633974483
フォーマット指定子を使うことで、出力形式をきめ細かく制御できます。
x = 123.45678
print(f'Value of x is {x:,.2f}')
# 出力: Value of x is 123.46
f-stringsは複数行にまたがる文字列にも対応しています。''' (三重引用符)を使えば改行を含めることができます。
msg = f'''
Hi {name}!
============
Your age is {age}
'''
print(msg)
# 出力:
# Hi Alice!
# ============
# Your age is 25
f-stringsは、可読性が高く、柔軟性に富んでいるため、モダンなPythonコードではよく使われる機能です。文字列フォーマットが必要な場面では、積極的にf-stringsを活用するとよいでしょう。