はじめに
YouTubeを見ていたら、心理学者が語る『頭がわるいとはどういうことなのか/「バカ」の研究』(GabalaboCH-ガバラボ)で、シコッティ談 『誰もが騙されるバイアスに過剰に反応してしまう人』と、認知バイアスが強調されていました。
ポイント
第1部 論理学的
二分法の誤謬
選択肢が、限られていると思い込んでしまう間違い。
ソリテス・パラドックス
定義が曖昧な語を用いることによって生じる間違い。
多義の誤謬
同じ語が、異なる意味で用いられることで生じる間違い。
循環論法
論証されるべき結論を、前提として用いる議論。
滑りやすい坂論法
最初のステップが、その後の一連の悪い結果を必然的に起こしてしまう。よって、最初のステップを起こさないようにせよと主張する。
早まった一般化
十分なデータが出揃う前に一般化を行う。
チェリー・ピッキング
都合の良い特定の証拠だけに注目し、それ以外の不都合な証拠を無視する。
ギャンブラーの誤謬
1回毎の試行が独立な時系列(表か裏か)の事象について、次回は前回とは異なる別のもの(今回表なら次回は裏)が出ると考える間違い。
対人論法
問題の論点ではなく、論じている人の資質などを批判することで、相手の主張を退ける。
お前だって論法
相手の主張がその人の振る舞いと異なることを指摘し、論点をそらすことで相手を負かそうとする論法。
藁人形論法
相手の主張を単純化したり、極端にするような操作をし、その歪めた主張に反論すること。
希望的観測
好ましい結果が起こることを、好ましくない結果が起こることより期待すること。
覆面男の誤謬
置き換えについての知識不足によって生じてしまう間違い。
連言錯誤
「AかつB」と「A」の選択肢があるとき、「A」である確率より、「AかつB」である確率が高いと判断する間違い。
前件否定
「もしAならばBである」に対して、「Aではない」「したがってBではない」に関する間違い。
後件肯定
「もしAならばBである」に対して、「Bである」「したがってAである」に関する間違い。
四個概念の誤謬
三段論法の3つの概念に4つ目を加えることで生じる間違い。
信念バイアス
導き出された結論が「信じられる」内容であったとき、その結論が、たとえ妥当ではない論証によって導き出されていても、その結論を信じてしまう。
信念のほうが論証による結論の正しさよりも重視される。
信念の保守主義
情報が与えられても即座には信念を更新することができない。
常識推論
人間が日常生活の中で行っている推論。?
認知科学的
(略)
社会心理学的
単純接触効果
ある物事・人・刺激に繰り返し接すると、徐々にそれに対して好意的な感情を持つようになる。
感情移入ギャップ
対象・人に対して、好意や怒りなどの感情を持っていると、感情を抜いて考えることが難しくなる。
ハロー効果
どこか優れている点を見つけると、その他も優れていると考える。
バーナム効果
ほとんどの人にあてはまるような性格についてのありがちな説明(例、占い)を、自分のことを言い当てているとして受け入れてしまう。
ステレオタイプ
血液型・性別・職業など、特定の集団かカテゴリに対して、個人の違いを無視して、1つの特徴でまとめてしまう。
モラル信任効果
社会的に意義のある活動をしている人が、少しくらい悪いことをしても世間は許すだろうと考える。
基本的な帰属の誤り
他人の行動の原因について説明するとき、状況や環境の要因を軽視して、その人の能力や性格を重視しすぎる。
内集団バイアス
自分の所属する集団やそのメンバを高く評価する。
究極的な帰属の誤り
よそに厳しく身内に甘い。
自分が所属しない集団やそのメンバが成功したときは外的要因・状況を原因だとし、失敗したときは内的要因・才能や努力が原因だと考える。
逆に、
自分が所属する集団やそのメンバが成功したときは内的要因・才能や努力を原因だとし、失敗したときは外的要因・状況が原因だと考える。
防衛的帰属仮説
良くないことが起こった時、加害者もしくは被害者で、自分に似た立場の方に自らを重ねて、反対の立場の人の責任を重く責める。
心理的リアクタンス
自分の選択・行動の自由を制限されていると感じると、制限する者に対して反発し逆らう。
現状維持バイアス
何かを変化させると現状をより良くなる可能性がある時でも、
損失の可能性を考慮して、現状を保持しようとする。
公正世界仮説
良い行いには良いことが、悪い行いには悪いことが返ってくると思う。
システム正当化バイアス
現状の特定の社会システムが存在していること自体に価値を見出し、そのシステムを正当化し、維持しようとする。
チアリーダー効果
一人でいるときよりも、グループの中にいるときのほうが、人の顔は魅力的に見える。
身元のわかる犠牲者効果
特定の個人の犠牲者には高い関心を示すが、人数や割合などの数値になると関心が低くなる。
同調バイアス
他人の行動を参考にして、自分の行動を変える。
バンドワゴン効果
多くの人が同一の選択肢をとることで、その選択肢をとる人が更に増える。
ダニング=クルーガー効果
知識のない人ほど、自分には能力があると課題評価してしまう。
逆に、
知識が豊富で能力が高い人は、周囲も自分と同じ能力があると考え、自分を過小評価する。
知恵の呪縛
自分が知っていることは他人も知っているだろうと思い込み、知識を持たない人の立場から考えることが難しくなる。
バカな人?
これだけのバイアスを並べられて、それらに惑わされない人は確かに賢いと思いますが、バカの定義で使われるのは辛い・・・
書誌情報
- 書籍名:認知バイアス事典
- 著者:情報文化研究所
- 出版社:フォレスト出版
- ISBN:978-4-86680-123-0