はじめに
日本企業の体質の中には軍隊色が強く残っています。本書は、転換期となる今、その悪習に対して、日本軍の失敗と同じ間違いしているから学んで修正しよう!と伝えています。
ポイント
第1章 戦略性
- 大きく考えることが苦手。俯瞰的な観点から最終目標への道筋作りに失敗。
- 「目標達成につながる勝利」を選ぶこと。目標達成に繋がらない勝利が存在する。
- 戦略のミスは戦術ではカバーできない。
- 指標こそが勝敗を決める。日本は指標が間違っていた。
第2章 思考法
- 革新・変化が苦手。鍛錬が得意。改善が得意。
- 型を反復練習するが、型を超えられない。
- 「売れないのは努力が足りないからだ!」は本当か?
- 目標のための組織ではなく、組織のための目標を作ってしまう。
- 戦局を変えるxxx(例、新技術)がカギだった。
第3章 イノベーション
- ルールを作ることが苦手。ルールを習熟することが苦手。
- 技術進歩だけではイノベーションは生まれない。
- 効果を失った同じ指標を負い続けるといずれ敗北する。しかし、離れられなかった。
第4章 型の伝承
- 方法に依存する。
- 型の伝承を優先してしまう。
- 成功の本質ではなく、型と外見だけを「虎の巻」として伝承してしまう。
- 過去の成功体験のコピー・拡大だけを求める。
- 経験の伝承ではなく、「勝利の本質」を伝えていく。
- イノベーションの目は組織が奪う。
第5章 組織運営
- 現場活用が下手。
- 司令部が「現場の能力」を活かせない。
- 現場、最前線をまったく理解できない中央部。
- 米軍が追求した、戦果につながる人事システム。
- 新戦略が生まれる場所とは。。。
第6章 リーダシップ
- 環境変化を乗り越えることが苦手。
- 自分の目と耳で確認したいと、耳障りの良い、脚色された情報しか入らない。
- 正確な情報はトップには届かない。
- リーダが組織の限界を作ってしまう。
- 間違った勝利の条件を組織に強要する。
- 居心地の良さが問題解決能力を破壊する。
第7章 日本的メンタリティ
- 空気への集団感染。
- 厳しい現実から目を背ける思考。
- 間違ったリスク管理。
- 場の「空気」が白を黒に変えてしまう。
- 都合の悪い情報を封殺しても問題自体は消えない。
- リスクを隠すと悲劇は増大する。
- 耳に痛い情報を持ってくる人物を絶対に遠ざけない。
書誌情報
- 書籍名:「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 著者:鈴木 博毅
- 出版社:ダイヤモンド社
- ISBN:987-4-478-01687-9