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はじめに

 この書籍はシステム開発の業界で極めて有名です。『人月の神話』(1975年初版)は、工数として「1人3ヶ月」と「3人1ヶ月」は異なるものだと伝えています。しかし、未だに人月を単位として見積るプロジェクトは多数存在し、顧客と意味のない数字遊びを続けている営業も多数存在します。それがソフトウェア後進国の現実の姿です。
 また増補版で追加された『銀の弾丸などない』は、ソフトウェア実装の複雑性を一気に解決する方法はない、という主張です。
(なお、本書は1995年に大規模改定されています。今回はそちらを見ながらポイント解説します。)

人月の神話 目次2.png

ポイント

第2章『人月の神話』

  • 人月とは、が相互に交換可能だという意味を表す。これが成り立つ前提の1つは作業者間でコミュニケーションが不要な場合(完全分散可能のケース)のみ。
  • 波及:スケジュールの遅延が発覚した場合に、期間の追加ではなく、要員を追加してしまう。しかし、…
  • ブルックスの法則:遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、さらにプロジェクトを遅らせるだけだ。

第3章『外科医チーム』

  • プログラマの生産性は10倍違う。
  • 調整を必要とする人の数が、労力コストに絶対的な影響を及ぼす。コストの大部分がコミュニケーションとなり、うまくコミュニケーションできなかったことにより発生するマイナス面の修復のコストとなる。
  • 少数精鋭チームは10人を超えてはならない。
  • 大規模チームの構成は外科手術チームのように編成すべき。一人が執刀医(チーフプログラマ)、副、事務係、ツール制作者、テスト担当者、xxxエキスパート、管理者、編集者、秘書

第16章『銀の弾などない』

  • 銀の弾丸:狼人間を退治するには、銀の弾丸を使うしかない。
  • 本質的作業:抽象的なソフトウェアを構成する複雑な構造体を作り上げること。(設計のことか?)
  • 偶有的作業:それをプログラミング言語で実装すること。

書誌情報

  • 書籍名:人月の神話
  • 著者:フレデリック・P・ブルックス,Jr.
  • 出版社:丸善出版
  • ISBN:978-4-621-06608-9

参考

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