はじめに
本書籍との出会いはMBA研修でした。経営学のケース分析として紹介され、まとめてレポートし発表するものでした。読んでみると経営としてありがちなジレンマ(良い判断のつもりが、結果として最悪手になる)ケースがうまくまとめられていると感じました。
この書籍は経営学にとって極めて著名なのですが、この書籍を読む読まないにかかわらず、この原則を知らずに経営している人々は失格・無能と思われます。
ポイント
持続的な優れた経営者の末路
- 業界をリードしていた企業が、ある種の市場や技術の変化に直面した時、今まで通りに頑張るほど、その地位を守ることに失敗する。例、多数。
- その企業は、競争の感覚を研ぎ澄まし、顧客の意見に注意深く耳を傾け、新技術に積極的に投資していた企業。
- IBMのメインフレームからPC
- 写真フィルムからデジカメ
- 固定電話から携帯電話
- 書店からアマゾン
- CDからVOD
- 大手企業など優良経営企業の場合、すぐれた経営こそが、業界のリーダの座を失っった最大の理由。
- (半端に/見せかけに)優秀で、しかし世の全体像がわからず、リスクを回避する経営者の場合は要注意。(あるある)
破壊的イノベーションの法則
- 原則
- 企業は顧客と投資家に資源を依存している。
- 小さな企業は大企業の成長ニーズを解決できない。
- 存在しない市場は分析できない。
- 反対するのは、マーケティング部門と(視界の狭い)経営陣。
- 革新的なアプローチを、市場将来性と技術将来性の全体型見て判断できる経営者は極めて少数。
当初の顧客の需要を満たし過ぎたことに気づかない。
- 「顧客の意見に耳を傾けよ」というアドバイスが常に正しいとは限らない。率直に言えば、間違った方向に導くことがある。
競争軸の変化に気付けない。見ぬふりをする。既存の判断基準から判断できない。
- HDD高速大・容量競争から、小型化・省電力競争への変化。そして低速なSSD。
- 対象顧客が、大企業(のニーズ)から、コンシューマへ。
書誌情報
- 書籍名:イノベーションのジレンマ
- 著者:クレイトン・クリステンセン
- 出版社:翔泳社
- ISBN:4-7981-0023-4