AWS Hands-on for Beginners 全講座 Tier 表
この記事の内容
このたび AWS が公開している公式の初心者向けハンズオン
AWS Hands-on for Beginners の全講座を視聴しました。
当記事では、実際に初心者だった私が SAA 資格*を取得するまでの間に受講した感想を、おすすめ順 tier 形式でまとめてみたいと思います。
*AWS Certified Solutions Architect - Associate
※完全に独断と偏見による評価です。
※一部有料サービスを使用するハンズオンも含みます。
※業種や業務内容によって評価が変動すると思います。
※当記事は AWS 公式とは一切関係ありません。
各 teir
Tier SSS
「業務で少しでも AWS に触れる方や、とりあえず資格取得を考えている人は必ず受けたほうが良い」と評価した講座です。視聴しない理由を挙げるほうが難しいものとなっています。
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ハンズオンはじめの一歩: AWS アカウントの作り方 & IAM 基本のキ
最重要科目です。名前の通りはじめの一歩で基本中の基本となっています。IAM が AWS のセキュリティ管理を根幹から支えるサービスのため、実用上でも試験上でも知っておくべき内容となっています。 -
Security #1 アカウント作成後すぐやるセキュリティ対策
こちらも最重要です。「一旦セキュリティとか関係なくサービスの種類学びたいな」と思う方もいるかもしれませんが、他のサービスとのセキュリティ連携も関連するため必須科目です。 -
Network編#1 AWS上にセキュアなプライベートネットワーク空間を作成する
VPC を作成するハンズオンです。リージョン、AZ 、VPC の対応は AWS インフラの三大基礎概念となっています(個人の主張です)。これらを理解していないと何を学んでもしょうがないので、ぜひ最初に習得しておいてほしいと思います。
Tier S
AWS の中でも特に頻出サービスの、基本的な使い方を学べます。このランクまでは一通り受けておくのが無難だと思います。
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スケーラブルウェブサイト構築編
マルチ AZ で web サーバとデータベースインスタンスを立て ELB でルーティングする、お手本のような AWS テンプレ構成を学べます。特にプラクティショナーの勉強中に構成イメージが湧かない人に強くお勧めします。 -
サーバーレスアーキテクチャで翻訳 Web API を構築する
こちらは1つ上のハンズオンと対照的に、サーバーレスな構成のテンプレートとなっています。簡単な web アプリならこのハンズオンだけでかなり手広く作れるようになると思います。試験でも頻出の構成です。 -
AWS 上で静的な Web サイトを公開しよう!
S3 の使い方を学べるだけで最重要級なのですが、このハンズオンはなんと Route 53 や CloudFront 、Cloud9 に ACM まで触れる超お得コースとなっています。登場する全サービスが重要で頻出です。もはや AWS におけるスマ〇ラですね。 -
監視編 サーバーのモニタリングの基本を学ぼう
スケーラブルウェブサイト構築編で触れた構成図をもとに、CloudWatch でのモニタリングを学べます。サーバ監視は重要で試験にも頻出ですが、どの機能で何が見えるのかは意外と複雑なのが AWS です。CloudWatch には早めに触っておくべきだと思います。 -
Amazon EC2 Auto Scaling スケーリング基礎編
スケーラブルウェブサイト構築編の応用であり、クラウド上で web サイトを作る最大の利点を理解できます。Auto Scaling のメカニズムやその設定を学んでおくことで、今後の学習を大きく後押しすると思います。なので序盤に受けてほしいと思い、少々高めの tier 設定です。 -
AWS 環境のコード管理 AWS CloudFormationで Web システムを構築する
S と A の間くらいの重要度だと思います。ただ、CloudFormation を習得しているかどうかで AWS の運用できる幅が大きく変わるので、気持ち高めの設定としました。
Tier A
S と比べて必要性は落ちるものの、AWS の利用価値を根幹から支えるサービス群が学べます。「AWS ってこんな感じね」と掴めてくるのはこれらを受講し終えてからだと思っています。
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AWS SAM を使ってテンプレートからサーバーレスな環境を構築する
CloudFormation と一部重複する部分がありますが、サーバレスは便利だし CLI は便利なので、結果的に重要なハンズオンとなっています。CLI そのものに不慣れな方は少し苦戦するかもしれません。 -
Amazon CloudFrontおよびAWS WAFを用いて エッジサービスの活用方法を学ぼう
web アプリ構築で大活躍するサービス 2 種です。サービスがとにかく便利で、試験でもかなり頻出となる構成なので、ぜひ受講してほしいと思います。 -
Amazon Elastic Container Service 入門 コンテナイメージを作って動かしてみよう
ここで使用する Fargate は、コンピューティングにおいて EC2 と Lambda の中間に位置する自由度を持ったサービスです。また、AWS 上での立ち位置というよりコンテナ自体の重要性が高いため、特に開発者に重要なハンズオンとなります。
Tier B
重要ではあるものの、業種などによって需要が大きく変動するだろうと判断した講座群です。インフラ系、アプリ開発系に特化しています。やや専門的になってきていますが、SAA を受験する際はこのランクまで受講することをおすすめしたいです。
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AWS Step Functions 入門 - ビジュアルツールを使ってローコードにワークフローを作成する
「へーこんなこともできるんだ」の最たるものだと思います。GUI 中心でいろいろ組めて楽しいです。 -
Network編#2 Amazon VPC間およびAmazon VPCとオンプレミスのプライベートネットワーク接続
インフラ系技術者には極めて重要な内容となっています。そうでない方は一旦後回しでも良いと思います。「VPC ちょっと触ったけどよくわからなかった」という人にはちょうどいい教材かもしれません。 -
Network編#3 クライアントVPNをつかって、リモート接続環境を構築しよう
こちらもインフラエンジニア向けです。エンドポイントやらインターフェイスやら、ネットワーク系は似たような機能の言葉がたくさん出てくるので、試験対策でこんがらがってしまう人は受講して手を動かしてみることをおすすめします。 -
AWS Amplify を用いた Web サイトの構築方法を学ぼう
お手軽 web サイト制作ハンズオンです。しかし S3 でのホスティングが静的 web サイト界の王者なので、相対的にこちらの重要度が下がります。構成内容としては Cognito が地味に重要サービスだと思います。実際使ったらどうなるのか知っておいて損はないでしょう。 -
AWS Code サービス群を活用して、CI/CD のための構成を構築しよう!
アプリ開発で重要な機能群となります。しかし使わない人はまったく使わないサービスでもあると思うので、この位置としました。Code〇〇が多すぎるので、試験勉強で混乱するならぜひ受講しましょう。
Tier C
使用するサービスの専門性がかなり高くなっていて、極端に人を選びます。ピンポイントで該当サービスを必要とする場合に受講の必要が生まれると思います。
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AWS Lambda と AWS AI Services を組み合わせて作る音声文字起こし & 感情分析パイプライン
AI 関連サービスに所縁のない人にとってはあまり重要でないサービスです。S3 をトリガーとした Lambda 構築の練習にはなります。 -
AWS Systems Managerを使ったサーバ管理はじめの一歩編
はじめの一歩とついているので重要そうに見えますが、AWS 初心者がいきなりこれ作ることあるのか?と感じる少し発展的な構成のように思います。試験でも頻出とは言い難いためこの位置としました。サービスの有用性自体は高いので、必要な人が受講すればよいと思います。 -
AWS Managed AI/ML サービス はじめの一歩
AWS の提供する AI 系サービスを散発的に学べます。各サービスでハンズオンが独立しているので、ピンポイントで取り組むことも可能です。必要に応じて受講してください。機械学習のため一部けっこう時間がかかることにご注意ください。 -
手を動かしなら学ぶ Analytics サービス入門
大規模なデータ分析がメインユースケースのハンズオンです。そのためこちらも需要が少々尖っているかなという印象です。Redshift は試験において頻出ですが、用途がそう広くないのでハンズオンを経ずとも学習にさほど困らず、それも併せてこの位置となります。 -
Amazon Connectによる基本的なコンタクトセンター構築
コールセンターを作るハンズオンです。このシリーズの中でも随一のピンポイントサービスです。この構成がそもそも実ビジネス運用に近すぎるので、このままドキュメント化するだけで良いのではと思いました。コールセンターを実務上で作ったことないので想像で物を語っていますが......。
まとめ
公式の提供しているハンズオンとしては、全体でかなり充実していることが伝わったかと思います。
とはいえ、取り上げられていないサービスでも Amazon Aurora や S3 Glacier などの試験頻出兼便利なものがたくさんあります。なので、こちらの記事もそうですがあくまで AWS を学び始めるきっかけとしてとらえるのが良いでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。