この記事は、Microsoft Power BI Advent Calendar 2024 シリーズ2の12月6日担当分の記事です。
1. はじめに
2024年7月に Power BI Lightning Talk 会 2 で登壇させていただいた「ダッシュボードを使ってみた」の内容です。
1-1. 登壇までの流れ
- 2024年6月 Power BI LT 会 1 に参加
- 次は自分が登壇してみようと決心してネタを探し出す
- セマンティックモデルのライブ接続をまずやってみる
- 使い道がわからないダッシュボードと組み合わせたらネタになる!?と思いつく
- 2024年7月 Power BI LT 会 2 で初登壇
1-2. 登壇内容
- セマンティックモデルのライブ接続
- ダッシュボード
の概要を確認し、それらを組み合わせることで
異なるワークスペースを基にしたダッシュボードを作る
というお話しをさせていただきました。
以下、その内容です。
2. セマンティックモデルのライブ接続
2-1. Microsoft Learn 1次情報
- Power BI サービス ライブ接続機能を使用して、同じセマンティックモデルから.pbixファイルに複数のレポートを作成し、それらを異なるワークスペースに保存できます
2-2. ライブ接続の方法
OneLakeデータハブから自分がアクセス可能なセマンティックモデルを選択することで、ライブ接続されたレポートを作成することができます。
- Power BI Desktopの場合 : ホームタブ > OneLake データハブ
- Power BI サービスの場合 : ホーム画面 > OneLake データハブ
2-3. ビューの違い
ライブ接続されたレポートは、テーブルビューがありません。モデルビューではテーブルアクセントが付いています。DAXクエリビューは2024年7月からサポートされました。
ビュー | Importモード | ライブ接続 |
---|---|---|
レポートビュー | 〇 | 〇 |
テーブルビュー | 〇 | - |
モデルビュー | 〇 | 〇 テーブルアクセント |
DAXクエリービュー | 〇 | 〇 2024年7月~ |
2-4. セマンティックモデルが複数に影響
Power BI Desktop からサービスに発行する時に出てくるウインドウ「このデータセットを置き換えますか?」のコメントに、
このデータセットを置き換えると、次の影響が出ることがあります:
- 2個のワークスペース
- 2個のレポート
- 1ダッシュボード
のように表示され、複数のレポートに接続されていることが分かります。
Power BI サービスでは、ワークスペースのセマンティックモデルをクリックすると「既に存在するものを確認する」の下に、接続されている複数のレポートとダッシュボードの一覧が表示されています。複数に影響することを認識してからセマンティックモデルを更新しましょう。
3. ダッシュボード
3-1. Microsoft Learn 1次情報
- ビジネスを注視し、最も重要なすべてのメトリックをひとめで見るための手段です
- 複数の基となるレポートから生成できます
- 基になっているデータが変化するとタイルが更新されます
- ダッシュボードに視覚エフェクトを追加するには、ピン留めアイコンを選択します
- 既存のダッシュボードと新しいダッシュボードのどちらにピン留めするかを選択します
3-2. テーマ設定
様々な色合いのレポートを集めて1つのダッシュボードにピン留めする際、統一感を出すためにテーマを設定しましょう。
テーマ設定の流れ
- Power BI Desktop > 表示タブ > 現在のテーマで保存
- テーマ.json を取得
- Power BI サービス > ダッシュボード > 編集 > ダッシュボードのテーマ > JSONテーマのアップロード
4. 異なるワークスペースを基にしたダッシュボードを作る
ここからが本題です。
- 1つのワークスペース内のレポートをまとめるなら組織アプリ
- 異なるワークスペースをひとめで見るならダッシュボード
という使い分けを考えました。前者は普通のやり方です。後者は今回思いついたアイデアです。後者のやり方は以下の通りです。
- 下図ワークスペースA, B, Cそれぞれからセマンティックモデルのライブ接続でタイル用のレポートをワークスペースDに作って、ダッシュボードにピン留めする
- タイルはカスタムリンクで、基にしたワークスペースA, B, Cに属するレポートのURLを設定し、タイルをクリックすると基にしたレポートが開くようにする
- 組織アプリA, B, C, Dのオーディエンス機能でアクセス権を登録したユーザーに組織アプリDのURLのみを共有する。
ワークスペースDにはライブ接続されたレポートとダッシュボードのみが配置されています。セマンティックモデルは存在せず、更新不要のワークスペースです。
5. まとめ
- セマンティックモデル ライブ接続で異なるワークスペースからのダッシュボードが作れる
- インタラクティブ機能がないので、探索するためにタイルから基となるレポートにカスタムリンクで誘導する
- ダッシュボード共有はオーディエンス切替ができる組織アプリを使う
Power BIのダッシュボードはひとめで見るための手段です。各部門がそれぞれ作成してサイロ化してしまった各ワークスペースのセマンティックモデルにライブ接続し、1つのダッシュボードに集めることで経営層が全体像をひとめで把握することができます。
Power BI LT 会の登壇がきっかけで、ダッシュボードの使い道を思いついて活用することできました。このような機会を与えてくださったPower BI 勉強会に感謝いたします🙇
[後日譚] 2024年10月から実際の業務で運用し始め、事業部の社員全員が
売上高
,在庫
,経費
,投資
,品質ロス
,CO2排出量
の概要をひとめで見れるようになりました。各部門が各自でセマンティックモデルを更新するので、ライブ接続されたダッシュボードは何もしなくても自動的にライブ更新されています🐪 また、タイルをクリックするだけで各部門のレポートに遷移するため、ポータルの機能も兼ね備えています👍
参考