🔹はじめに🔹
突然ですが大人になるにつれ怒りの感情を表に出さなくなったと思うことはありませんか?
今回はそんな世の大人達の為にガン飛ばして遊べる物騒なクソコンテンツアプリを作成しました!
- 普段優しそうというイメージを持たれてるけど、たまには悪ぶりたい人
- 舐められたくない人
- いざという時のために相手を威嚇する練習をしたい人
- 今むしゃくしゃしている人
- 東京リベンジャーズが好き!
そんな方々に是非使ってみて欲しいサービスです◎
本記事では主な機能や技術面の紹介をさせて頂きます。
面白い!と思って頂けたらエンジニア冥利に尽きます...!
🔹サービス概要🔹
カメラに向かってガン飛ばすだけ!
「たまにはちょっと悪ぶりたい〜(-"-#)」
そんな少しやんちゃな想いを叶えるサービスです◎
※現在はサービスの公開を終了しています。
🔹開発しようと思った背景🔹
個人的にムッ...!っと思っていてもTPO的にニコニコ^^としていることが多い人間だったのですが、これが人によっては舐められてしまう要因になることが分かり、時には睨みを効かすことの大事さを悟り、いざという時の為の練習環境になればという考えに至り本サービスを開発することにしました←
🔹実装済みの機能🔹
ガン飛ばしをテーマにコンテンツ型のサービスとして現在3つのモードをリリースしています。
診断モード | 訓練モード | 決闘モード |
---|---|---|
ガン飛ばしの怖さを可視化できます。 | 高い点数判定を出すコツを掴めます。 | 他ユーザーと闘えます。 (ユーザー登録が必要) |
診断モード
- 「〇〇人がひよった!」など個別の結果が表示される
- 結果に応じてランクが設定されていて最高ランクは"総長クラス"(120人ひよると出現)
- 結果をTwitterで拡散可能
後述のTeachable Machinesで取得した眼力値とAmazon Rekognitionで取得した感情値をそれぞれの数値に応じてレベル0(☆☆☆☆☆)からレベル5(★★★★★)に振り分け、かつレベル毎に設定した人数と掛け合わせることで総合値とランクを算出・設定しています。
※ランクと人数が矛盾しないように一部微調整しています。
(実は感情のレベルは見た目では5までなのですが、実質6まで存在しています)
ちなみにランクのモデルにしたのは。。好きな方は気付かれるかもですね...!
訓練モード
- 撮影判定のうち睨み角度(眼力)のコツを練習できる
- ★が5つ揃えば自動撮影
- ★が揃っても目を閉じている、笑っている、顔が写っていないなどは失敗になる
目を閉じている | 笑っている | 顔が写っていない |
---|---|---|
決闘モード
- ユーザーログインが必要
- プロフィールからMyメンチを3つまで登録、公開できる
- 公開できるのは1枚だけで、挑戦者を返り討ちしたらそのメンチのレベルが上がる
- 他ユーザーが公開したメンチに対して決闘を挑んで勝敗を決める
- 勝敗によりユーザー(or相手メンチ)のレベルが上がる
メンチ選択 | 決闘の流れ | 勝敗判定 |
---|---|---|
(その他)管理画面
- 登録ユーザー情報を確認・編集できる
- ユーザーの決闘履歴が確認できる
ガン飛ばしの判定方法について🤨
Amazon Rekognition
&Teachable Machines
を使用して独自のロジックを構築
Amazon Rekognition
https://aws.amazon.com/jp/rekognition/
目が開いているか閉じているか&感情を判定するため採用
開発当初はFaceAPIを使用していましたが、ガン飛ばし判定にリアリティを持たせるには目の開閉判定が必要になり変更しました。
余談ですがFaceAPIについては記事にもまとめていました。
https://qiita.com/Akinari0919/items/46042dedc8482073ca4f
Teachable Machines
https://teachablemachine.withgoogle.com/
ガン飛ばしは怒り感情にまとまらないので、表情判定をカバーするために採用
おかげで眉間に皺寄せを(実際クセがありますが)判定として導入できました。
現状の撮影〜データ取得までの流れは以下のような仕様になっています。
🔻工夫ポイント3つ🔻
① Myメンチ登録以外でのガン飛ばし撮影データはDB保存しない
撮影データはJavascript上でBase64変換していてモード毎のControllerへajax送信しています。
さらにAmazon Rekognitionへ送信する際にBase64からデコードすることでDBへ保存することなくレスポンスを受け取る形を実現しています。
◉フロントから受け取った撮影データをAmazon Rekognitionへバイナリ送信しているコード
現状concernsへモジュールとして切り出ししています。
module AwsRekognition
extend ActiveSupport::Concern
def check_face
credentials = Aws::Credentials.new(
ENV['AWS_ACCESS_KEY_ID'],
ENV['AWS_SECRET_ACCESS_KEY']
)
photo = Base64.decode64(params[:image]) # <= ここでデコード
client = Aws::Rekognition::Client.new credentials: credentials
attrs = {
image: {
bytes: photo
},
attributes: ['ALL']
}
return client.detect_faces attrs
end
end
ユーザーからしたら撮影データが都度保存されていたら嫌ですよね^^;
② Myメンチ登録数は3つに限定、公開メンチは選択した1つに限定
強いメンチは記念に残しながら、新しいメンチで遊び直すことも可能にしてみました。
Myメンチ一覧 | 3つになった場合 | 1つだけ選択(公開)できる |
---|---|---|
追加ボタンより撮影・登録画面へアクセスできます。 | 追加ボタンは消え、直接撮影画面へのアクセスも出来なくなります。 | 公開中メンチはプロフィール画面に表示されます。変更ボタンから選び直しもしくは非公開で解除可能です。 |
◉公開メンチ設定用のコード
メンチテーブル(GlaringFacePhotos)に公開設定カラム(main_choiced)を追加することで実現
選択メンチをtrueにして他はeach do
で回しながらfalseにしています。
before_action :find_glaring_face_photo, only: [:update, :destroy]
# 選択したメンチを公開すると選択されていないメンチを非公開にする
def update
@glaring_face_photo.update(main_choiced: true)
current_user.glaring_face_photos.where.not(id: params[:id]).each do |gfp|
gfp.update(main_choiced: false)
end
redirect_to profile_path
end
# 非公開ボタンで全てのメンチを非公開にする
def hide
graring_face_photos = current_user.glaring_face_photos.all
graring_face_photos.each do |gfp|
gfp.update(main_choiced: false)
end
redirect_to profile_path
end
private
def find_glaring_face_photo
@glaring_face_photo = current_user.glaring_face_photos.find(params[:id])
end
今後Myメンチ数の上限を変更することがあっても影響しない形なのが良いです◎
③ 決闘に勝った場合はリンチ防止の為日付が変わるまで再戦不可にする
勝てる相手に何度も挑んでいたらリンチになってしまうので、その防止策として同じ相手に勝てるのは1日1回までに限定しました。
決闘前 | 決闘で勝利した場合ロック | 0時を回ったらロック解除 |
---|---|---|
◉勝った場合に再戦不可にしているコード
勝利した場合にUserとGlaringFacePhoto(相手のメンチ)の中間モデルを作成
※ここではBeats(打ち負かし)テーブルとして扱っています。
def result
user = User.find(params[:enemy_id])
gfp = user.glaring_face_photos.find_by(main_choiced: true)
if 省略
# 勝った場合
elsif params[:enemy_score].to_i < params[:my_score].to_i
省略
# 再戦不可にする
gfp.beats.create(user_id: current_user.id)
省略
end
end
◉日付を跨いだ時点で再戦可能にするコード
全てのロックを解除するタスクを作成して定期実行させています。
# heroku schedulerで毎0時に定期実行
namespace :beat do
desc "全ての勝利ロックをリセットする"
task reset_beats: :environment do
Beat.all.delete_all
end
end
一般的なBookmark実装を応用した内容になりました。
🔻苦労ポイント3つ🔻
① ガン飛ばしの感情データは怒りではない
眉を顰めるとSAD(悲しい)が反応するなど感情が安定しなかったため、試行錯誤の末に反応しやすい怒り
悲しい
困惑
落ち着き
を組み合わせて数値を算出することにしました。
# Amazon Rekognitionのレスポンスから感情値の取得
response.face_details.each do |face_detail|
(0..7).each do |i|
@angry = face_detail.emotions[i].confidence if face_detail.emotions[i].type == 'ANGRY'
@sad = face_detail.emotions[i].confidence if face_detail.emotions[i].type == 'SAD'
@confused = face_detail.emotions[i].confidence if face_detail.emotions[i].type == 'CONFUSED'
# 表情に個性がないCALM(落ち着き)は数値を小さくする
@calm = face_detail.emotions[i].confidence * 0.1 if face_detail.emotions[i].type == 'CALM'
end
# 感情値の平均を算出
emotion_power = (@angry + @sad + @confused + @calm) / 4
end
加えてTeachable Machines
を掛け合わせた形にしたのは前述の通りです。
② 診断判定で得た結果(撮影データ含む)を詳細ページに渡せない
データを保存していないので、DBから取り出す実装ができませんでしたが、
こちらはform_withのhidden_fieldで渡すことで一旦解決しました。
<%= form_with url: mode_check_show_path do |f| %>
<%= f.hidden_field :body, id: "body", value: "" %>
<%= f.hidden_field :star, id: "star", value: "" %>
<%= f.hidden_field :photo, id: "photo", value: "" %>
<%= f.hidden_field :point1, id: "point1", value: "" %>
<%= f.hidden_field :point2, id: "point2", value: "" %>
<%= f.hidden_field :rank, id: "rank", value: "" %>
<p><%= f.submit "判定詳細", class:"button-40", id:"detail" %></p>
<% end %>
この辺りは今後Vue.js導入などフロント改変時に更に上手く処理していきたいです◎
③ 勝敗結果画面をリロードする度に勝ち星が増えてしまう
決闘の勝敗でController内で勝ち星を追加しているので、リロードする度にControllerを経由することで勝ち星が増え続けるという現象が起きていました。
こちらはページ遷移を起こさず同一ページ上で処理を行うことでリロードしたら勝敗内容からリセットされる形になり、解消できました。
jqueryを用いてajax送信したデータに対してControllerからレスポンスを得ています。
<form>
<input type="hidden" name="face_score" id="face_score" value="">
<input type="hidden" name="enemy_id" id="enemy_id" value="<%= @user.id %>">
<input type="hidden" name="enemy_score" id="enemy_score" value="<%= @gfp.face_score %>">
<input type="hidden" name="enemy_image" id="enemy_image" value="<%= @gfp.image %>">
<p><button class="button-40" id="detail"><%= t ".battle" %></button></p>
</form>
いよいよVue.js導入しかないと確信に変わった瞬間でした^^;
今後の予定
リファクタリングが進んだら順次着手します◎
アイデアが尽きません(苦笑)
- 機能説明するためのガイド表示
- レベルによってランク名(総長etc.)を表示
- ランキング表示
- ライバル登録
- Twitter投稿時の動的OGP(公開選択式)
- 仮装ユーザーを管理画面から作成する機能
- 100人切りモード
etc.
🔹使用技術🔹
バックエンド
- Ruby(3.0.3)
- Ruby on Rails(6.1.4.1)
Gem
- sorcery
- kaminari
- meta-tags
- aws-sdk-rekognition
- dotenv-rails
- rails-i18n
フロント
- JavaScript
- jquery
- HTML
- CSS
- Bootstrap
- Font Awesome
- AdminLTE
インフラ
- heroku
- PostgreSQL
🔹テーブル設計・ER図🔹
ポイント補足✍️
▼ Usersテーブル
- role : 管理者(Admin)権限をenumを使用して管理します。
- offense_win_count : 他ユーザーに挑戦した決闘に勝利した数を記録します。
▼ GlaringFacePhotosテーブル
ユーザーのガン飛ばし写真(Myメンチ)を登録するためのテーブルです。
- face_score : 戦闘力。他ユーザーと比較するために登録されます。
- defense_win_count : 他ユーザーに挑戦された決闘で返り討ちした数を記録します。
- main_choiced : 公開用メンチに選択されているかを管理します。
▼ Beats(打ち負かし)テーブル
他ユーザーに決闘して勝った場合は再戦できないようにロックするための中間テーブルです。
※毎日0時にリセットされ再戦可能になります。
▼ BattleHistoriesテーブル
ユーザー同士の決闘履歴を残すテーブルです。
管理画面でのみ戦闘力を表示できるようにしています。
🔹おわりに🔹
最後までお読み頂きありがとうございました!
まだまだ紹介したい内容はありますが一旦このくらいにします(笑)
今後の追加実装でまた区切り着いた時に編集していこうと思います^^
分かり辛い表現や、もっと上手なコーディング方法、タイポなどあれば教えていただけると喜びます!
Twitterからのコメントでも大丈夫です!
https://twitter.com/runmizzo