RSGT(https://2021.scrumgatheringtokyo.org)
で自身が参加したセッションのメモ&ふりかえりです。
ふりかえりの手法は、びばさんが配信しているPodcastである、ふりかえりAM ep.4(カンファレンス用のふりかえりをする例)で紹介されていたFun Done Learnを参考にしています。
概要
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Yosuke Matsuuraさん, Yasunobu Kawaguchiさん, Ken Matsumotoさん
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Day2(1/7) 14:00~14:45
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「ボトムアップでのアジャイルチームづくりは、どうしたらよいか?」「アジャイルチームを作ったものの、なかなかその先に進まない」「顧客要望やトップダウン指示で、アジャイルチームを早急に作り成果を求められているが何から始めたらよいか、わからない」
こうしたご質問を数多くいただくようになりました。日本企業の経営層から開発エンジニアまで、みんな悩んでいるみたいです。みなさんご存じの通り、アジャイルにおけるマネジメントの基礎は、チームにあります。チームがなければ、ベロシティも測れないし、見積もりもできないし、デリバリーできません。しかし、いまだに、作るものが決まって、予算が取れてから人をかき集めるプロジェクトが後を絶ちません。どうやって調達・開発するのかが決まっていないのに、なぜか金額や期間は決まってしまう。まあ日本人、子供のころからチームチーム刷り込まれてますし、集まれば仲良くやることには長けてます。なんとかしますよ。大人ですし。「うちの会社にいる人間はまじめな奴が多いから、チームというのは勝手に集まればできるもので、まあ、よいチームを作るためにワークショップでもして、親睦を深めたらいい」....などと、簡単に思っているマネージャーも結構多いのではないかと思います。ち・がーーーーーーう。
そんな風にしたって、簡単にはうまくいかないこと、みんな体験してますよね?小学校の掃除の班でケンカが絶えない。遠足のグループ活動が楽しくない。あいつの言うことが納得できない。一人でやった方が仕事が早い。特定の人が仕事のほとんどを背負って周りは動けてない。うまくできない人がいるけど十分に教える余裕がない。
私たちのチーム作りは失敗の連続。でも仕方ない。人間関係って難しいから。私一人が我慢すればよいのだ。...いつもそうやって、うまくいかないことに蓋をして、めんどくさいことを先送りしようとします。
じゃあ、どうやってチームを作るのか?本セッションでは、ここに答えていこうと思います。
大企業から中小企業まで経験を持つ、アジャイルコーチ三人衆が、それぞれの経験から話をしていきます。
チーム作りの各段階で、どんなことを考えながら作っていくのか、参考になる話もならない話もあると思いますが、参考になるところだけ持って帰っていただければと思います。
気になった内容メモ
- 成果の上がるチーム = 継続的なカイゼン文化 × 信頼関係の構築 × 成功体験の積み上げ
- チーム作りの6ステップ。以下6stepに沿ってまとめ。
- 一人目の仲間を作る
- 話し合いながらアウトプットする
- ものの置き場を確保する
- 成果をアピールする
- やったことをふりかえる
- 技術的負債を解消する
一人目の仲間を作る
- ランチ会を開催(ランチョンテクニック)する。美味しいごはんを食べている間は良い印象を与えることができる。
- 業務時間外なので気軽
- 信頼関係の構築
- 毎日の習慣にできる(継続的な場を持ちやすい)
- 自分自身がまずは変わることが大切(他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる by Eric Berne)
- 押し売りNG。力がある人よりも興味がある人を見つける
- 関係の構築ができていない人と一緒に活動するのは難しい。。
- 情報通の人を通して、興味のある人を見つける
- 鶴の一声に注意。部長の反発が原因で一発アウトになる可能性あり。
話し合いながらアウトプットする
- 成功循環モデル(by ダニエル・キム)
- Bad Cycle
- 成果が出ていない⇒対立が発生。上から責任を押し付けられる。命令・指示される⇒創造的思考の欠如⇒自発性がなくなる⇒成果がさらに上がらない...
- Good Cycle
- 互いに尊重⇒気づきがあり当事者意識が生まれる⇒積極的チャレンジ⇒成果が出てくる⇒信頼関係の構築⇒もっと良いアイデアが生まれる
- 量質転化の法則
- 圧倒的な量の失敗や経験をして改善し続けることで、質に転化するスピードが早くなる
- アジャイル開発は失敗や経験に重きを置いて、質に転化するスピードを早めている
- 準備8割の法則。目的/納期/投下時間/量と質のバランス/連携を意識して話し合いする
- 話し合いでは話を聞くことが重要
- Bad Cycle
ものの置き場を確保する
- ワーキングアグリーメント。共通認識を作る。
- 作ったものは全員が見える場所に置いておく。
- 置き場所にはこだわる。チームが見ない場所に置いても意味がない。
成果をアピールする
- 期待されている成果を事前に認識合わせしておく
- 一人一人の立場や環境, 状況に応じて成果や成功の定義が異なる
- Janetさんの「このカンファレンス何点?」の質問がいい例。(カンファレンスが最高に素晴らしいと思って、1点をつけた人と5点をつけた人の二パターンの人がいた)
- Whyからはじめる(なんで成果と言えるかをアピールする)
- SMARTな目標を立ててアピールする
- KPIを立てる。
- ブランディングKPI : SNSの反応数, メディア掲載数
- エンゲージメントKPI : 従業員の満足度, NPS
- インフルエンサーKPI : インフルエンサー数, 仲間の数
- コラボレーションKPI : コラボレーション数, ビジネスモデル数
- 営業KPI : 売上高
- 成果は絶対に盛っちゃいけない
- 投資判断を誤る可能性がある
- ある断面で見てもらうのではなく、毎週見てもらうようにする
やったことをふりかえる
- ふりかえる
- うまくいったこととカイゼン点を整理できる
- 改善を繰り返す
- システムの不具合を直すわけではなく、不具合が生まれるプロセスを直す
- なるべく高頻度(1日に1回, 15分に1回)にふりかえりする
- 心理的安全性がある場でふりかえりすること
- 全員が話すことが重要
技術的負債を解消する
- 目先の利益のために長期的な生産性を犠牲にした結果、チームが持続できなくなる
- トレードオフスライダーを作る
- 市況によってトレードオフは変化する。定期的に見直しをする。
- 技術的負債は可視化する(https://www.servantworks.co.jp/2020/making-tech-debt-visible/)
- ビジネスサイドの人への説明に有効。技術的負債を金額として表してみたりすると、納得してもらいやすい。
楽しかったこと
- mentimeterの使用で自然にふりかえりができた
- 松浦さんの聞きやすい発表と、mentimeterのワーク中の川口さんと松元さんの掛け合い
- 皆のコメントを拾いながら、こういうことやってこういう効果ありましたよねーという話が面白かった
- mentimeterで皆さんの悩みが分かった
やったこと
- アウトプットを意識しながら話を聞いた
- mentimeterでワークに参加した
学び
- トップ/ミドル/ボトムどの位置に組織だと属するかという質問で、自分と同じで意外とボトムの人が多かった。(ほとんどミドルだと思っていた)
- KPIを立てる時、営業KPIから自身は立ててしまったいた。営業KPIの前提にあるもの(エンゲージメントKPI)が崩れているのではないかと不安になった
- 日頃何気なく実施しているチームメンバーとのランチに効用があることが分かった
- カイゼンやチーム作りは、自分から押し付けるのではなくて引き出してもらうことが大切
参考文献