LoginSignup
13

More than 3 years have passed since last update.

RSGT2021 セッションメモ~アジャイル戦略論 「チーム作りの巻」~すべての基礎はチーム作りにあり~

Posted at

RSGT(https://2021.scrumgatheringtokyo.org)
で自身が参加したセッションのメモ&ふりかえりです。
ふりかえりの手法は、びばさんが配信しているPodcastである、ふりかえりAM ep.4(カンファレンス用のふりかえりをする例)で紹介されていたFun Done Learnを参考にしています。

概要

  • Yosuke Matsuuraさん, Yasunobu Kawaguchiさん, Ken Matsumotoさん

  • Day2(1/7) 14:00~14:45

  • 「ボトムアップでのアジャイルチームづくりは、どうしたらよいか?」「アジャイルチームを作ったものの、なかなかその先に進まない」「顧客要望やトップダウン指示で、アジャイルチームを早急に作り成果を求められているが何から始めたらよいか、わからない」
    こうしたご質問を数多くいただくようになりました。日本企業の経営層から開発エンジニアまで、みんな悩んでいるみたいです。みなさんご存じの通り、アジャイルにおけるマネジメントの基礎は、チームにあります。チームがなければ、ベロシティも測れないし、見積もりもできないし、デリバリーできません。しかし、いまだに、作るものが決まって、予算が取れてから人をかき集めるプロジェクトが後を絶ちません。どうやって調達・開発するのかが決まっていないのに、なぜか金額や期間は決まってしまう。まあ日本人、子供のころからチームチーム刷り込まれてますし、集まれば仲良くやることには長けてます。なんとかしますよ。大人ですし。「うちの会社にいる人間はまじめな奴が多いから、チームというのは勝手に集まればできるもので、まあ、よいチームを作るためにワークショップでもして、親睦を深めたらいい」....などと、簡単に思っているマネージャーも結構多いのではないかと思います。

ち・がーーーーーーう。

そんな風にしたって、簡単にはうまくいかないこと、みんな体験してますよね?小学校の掃除の班でケンカが絶えない。遠足のグループ活動が楽しくない。あいつの言うことが納得できない。一人でやった方が仕事が早い。特定の人が仕事のほとんどを背負って周りは動けてない。うまくできない人がいるけど十分に教える余裕がない。
私たちのチーム作りは失敗の連続。でも仕方ない。人間関係って難しいから。私一人が我慢すればよいのだ。...いつもそうやって、うまくいかないことに蓋をして、めんどくさいことを先送りしようとします。
じゃあ、どうやってチームを作るのか?本セッションでは、ここに答えていこうと思います。
大企業から中小企業まで経験を持つ、アジャイルコーチ三人衆が、それぞれの経験から話をしていきます。
チーム作りの各段階で、どんなことを考えながら作っていくのか、参考になる話もならない話もあると思いますが、参考になるところだけ持って帰っていただければと思います。

気になった内容メモ

  • 成果の上がるチーム = 継続的なカイゼン文化 × 信頼関係の構築 × 成功体験の積み上げ
  • チーム作りの6ステップ。以下6stepに沿ってまとめ。
    1. 一人目の仲間を作る
    2. 話し合いながらアウトプットする
    3. ものの置き場を確保する
    4. 成果をアピールする
    5. やったことをふりかえる
    6. 技術的負債を解消する

一人目の仲間を作る

  • ランチ会を開催(ランチョンテクニック)する。美味しいごはんを食べている間は良い印象を与えることができる。
    • 業務時間外なので気軽
    • 信頼関係の構築
    • 毎日の習慣にできる(継続的な場を持ちやすい)
  • 自分自身がまずは変わることが大切(他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる by Eric Berne)
  • 押し売りNG。力がある人よりも興味がある人を見つける
  • 関係の構築ができていない人と一緒に活動するのは難しい。。
  • 情報通の人を通して、興味のある人を見つける
  • 鶴の一声に注意。部長の反発が原因で一発アウトになる可能性あり。

話し合いながらアウトプットする

  • 成功循環モデル(by ダニエル・キム)
    • Bad Cycle
    • 成果が出ていない⇒対立が発生。上から責任を押し付けられる。命令・指示される⇒創造的思考の欠如⇒自発性がなくなる⇒成果がさらに上がらない...
    • Good Cycle
    • 互いに尊重⇒気づきがあり当事者意識が生まれる⇒積極的チャレンジ⇒成果が出てくる⇒信頼関係の構築⇒もっと良いアイデアが生まれる
    • 量質転化の法則
    • 圧倒的な量の失敗や経験をして改善し続けることで、質に転化するスピードが早くなる
    • アジャイル開発は失敗や経験に重きを置いて、質に転化するスピードを早めている
    • 準備8割の法則。目的/納期/投下時間/量と質のバランス/連携を意識して話し合いする
    • 話し合いでは話を聞くことが重要

ものの置き場を確保する

  • ワーキングアグリーメント。共通認識を作る。
  • 作ったものは全員が見える場所に置いておく。
  • 置き場所にはこだわる。チームが見ない場所に置いても意味がない。

成果をアピールする

  • 期待されている成果を事前に認識合わせしておく
    • 一人一人の立場や環境, 状況に応じて成果や成功の定義が異なる
    • Janetさんの「このカンファレンス何点?」の質問がいい例。(カンファレンスが最高に素晴らしいと思って、1点をつけた人と5点をつけた人の二パターンの人がいた)
  • Whyからはじめる(なんで成果と言えるかをアピールする)
  • SMARTな目標を立ててアピールする
  • KPIを立てる。
    1. ブランディングKPI : SNSの反応数, メディア掲載数
    2. エンゲージメントKPI : 従業員の満足度, NPS
    3. インフルエンサーKPI : インフルエンサー数, 仲間の数
    4. コラボレーションKPI : コラボレーション数, ビジネスモデル数
    5. 営業KPI : 売上高
  • 成果は絶対に盛っちゃいけない
    • 投資判断を誤る可能性がある
  • ある断面で見てもらうのではなく、毎週見てもらうようにする

やったことをふりかえる

  • ふりかえる
    • うまくいったこととカイゼン点を整理できる
    • 改善を繰り返す
    • システムの不具合を直すわけではなく、不具合が生まれるプロセスを直す
  • なるべく高頻度(1日に1回, 15分に1回)にふりかえりする
  • 心理的安全性がある場でふりかえりすること
  • 全員が話すことが重要

技術的負債を解消する

  • 目先の利益のために長期的な生産性を犠牲にした結果、チームが持続できなくなる
  • トレードオフスライダーを作る
    • 市況によってトレードオフは変化する。定期的に見直しをする。
  • 技術的負債は可視化する(https://www.servantworks.co.jp/2020/making-tech-debt-visible/)
    • ビジネスサイドの人への説明に有効。技術的負債を金額として表してみたりすると、納得してもらいやすい。

楽しかったこと

  • mentimeterの使用で自然にふりかえりができた
  • 松浦さんの聞きやすい発表と、mentimeterのワーク中の川口さんと松元さんの掛け合い
    • 皆のコメントを拾いながら、こういうことやってこういう効果ありましたよねーという話が面白かった
  • mentimeterで皆さんの悩みが分かった

やったこと

  • アウトプットを意識しながら話を聞いた
  • mentimeterでワークに参加した

学び

  • トップ/ミドル/ボトムどの位置に組織だと属するかという質問で、自分と同じで意外とボトムの人が多かった。(ほとんどミドルだと思っていた)
  • KPIを立てる時、営業KPIから自身は立ててしまったいた。営業KPIの前提にあるもの(エンゲージメントKPI)が崩れているのではないかと不安になった
  • 日頃何気なく実施しているチームメンバーとのランチに効用があることが分かった
  • カイゼンやチーム作りは、自分から押し付けるのではなくて引き出してもらうことが大切

参考文献

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
13