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macOSのPyMOL 2.0以降でPyVOL GUIを使う

Last updated at Posted at 2019-11-02

PyVOL GUIとは

2019年10月24日、BioRxivにPyMOLプラグインのPyVOLというのを開発したよという論文が投稿されました。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/816702v1

EIBL6PTUwAE3ZqY.jpeg

見た感じ、タンパク質の中の空隙、つまり基質や薬剤などが入りそうな空間を検出してくれるプラグインのようです。ちょっと興味があったのでインストールすることにしてみました。

環境

PyVOLのインストール

以下のGitHubにてこのプラグインをメンテナンスしてくれているようです。
https://github.com/schlessingerlab/pyvol/

ここの https://github.com/schlessingerlab/pyvol/blob/master/pyvolgui.zip にプラグインのZIPファイルが置いてあるのでDownloadボタンを押すと、pyvolgui.zipというファイルがダウンロードされます。これを展開すると、中にはpyvolguipyvol_pluginというディレクトリの2つがあるのですが、たぶんpyvolguiだけで動作してくれるように思えます。よって、このディレクトリをPyMOLのプラグインディレクトリにコピーしてあげます。
お使いのmacOSにて、インストーラー版でPyMOLをインストールした場合(Licenseを求められる方)は/Applications/PyMOL.app/Contents/share/pymol/data/startup/に、Homebrewを使ってOpen-source版をインストールした場合(Licenseがいらない方)には/usr/local/Cellar/pymol/2.3.0/libexec/lib/python3.7/site-packages/pmg_tk/startupに、それぞれコピーしてあげます。Linuxの場合はpymolがインストールされているディレクトリを見つけてpython3.x/site-packages/pmg_tk/startupあたりを探ればたどり着けるんじゃないですかね(適当)。

コピーしたら、PyMOLを起動している場合はいったん閉じて改めて起動します。すると、PluginメニューのところにPyVOLが増えているはずです。

スクリーンショット 2019-11-03 1.56.22.png

このPyVOLを選択してみて、メニューが開けたら成功です。
スクリーンショット 2019-11-03 1.56.11.png

追加のプログラムのインストール

インストーラー版

PyVOLを動かすためにはいくつかのライブラリやプログラムを追加でインストールさせてあげる必要があります。上のPyVOLメニューでInstall/Updateのタブを開き、ここの左に表示されているInstall PyVOLボタンを押します。

スクリーンショット 2019-11-01 13.24.42.png

1分くらい待っていると追加プログラムがすべてインストールされ、使用可能な状態になります。

スクリーンショット 2019-11-01 13.25.50.png

ちなみにmacOS catalinaでは動作しませんでした(Mojaveまでは動作します)。

subprocess.py", line 1522, in _execute_child
    raise child_exception_type(errno_num, err_msg, err_filename)
OSError: [Errno 86] Bad CPU type in executable: 'msms'

これはcatalinaになってから32bitのプログラムを切り捨てたことに起因しています。しかも残念なことに`msmsはソースコードが公開されていないみたいなので64bit向けにコンパイルさせてあげられない気がします。合掌。

Open-Source版

Open-source版の場合は、もしかしたら追加のプログラムを手動でインストールする必要があるかもしれません。もしかしたら上と同じやり方で動作させることができるかもしれないので、先にそっちを試してください(雑)。Homebrewでインストールしていた場合、msms exeを除く他のPythonライブラリは以下の1コマンドでインストールできます。

pip3.7 install bio-pyvol

スクリーンショット 2019-11-01 13.30.37.png

msms exeについてですが、これは http://mgltools.scripps.edu/downloads のところからMSMS 2.6.1をダウンロードして解凍すると、中にmsms.MacOSX.2.6.1が存在しますので、それを利用します(macOS Mojave以前の場合)。これを、/usr/local/bin/msmsとして利用できるようにコピーしてあげます。

cp ~/Downloads/msms_MacOSX_2.6.1/msms_MacOSX_2.6.1 /usr/local/bin/msms

この後、Open-source PyMOLを一度再起動してこのInstall/Updateタブを見てみたときに、msms exeのところが/usr/local/bin/msmsと表示されていればOKです(本当は/usr/local/bin以下はHomebrewでインストールしたもののみにしておきたいところですが……)。

以上でPyVOLが利用可能になります。

簡単な使い方

タンパク質を選択しておいてからPyVOLプラグインのParametersタブのRunボタンを押すだけです。Load Pocketのタブでは描画方法を色々変えることもできます。(詳細はいつか書きます)

スクリーンショット 2019-11-03 1.55.56.png

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