VSCode(Visual Studio Code)のPython設定は、プロジェクトや環境ごとに柔軟に切り替えられるように設計されています。その設定概念を以下に分かりやすく解説します。
1. Pythonのバージョンを指定する仕組み
VSCodeは、Pythonのバージョンや環境(システムのPython、仮想環境、Anacondaなど)を指定して使用できます。この設定は次の2つの部分で管理されます:
- ワークスペース設定(プロジェクトごとの設定)
- グローバル設定(VSCode全体の設定)
Pythonの実行環境を切り替えるために、以下の2つを理解しておくと便利です:
インタープリタ(Python Interpreter)
- インタープリタとは:Pythonのプログラムを実行するためのソフトウェア(Pythonのバージョンや環境)。
- VSCodeのインタープリタ設定:ステータスバー(画面下部)から選択することで、どのPythonを使うか指定できます。
2. 仮想環境(venv)とは
仮想環境(venv)は、特定のプロジェクト専用のPython環境を作成する仕組みです。
仮想環境の利点
- 他のプロジェクトと独立してPythonバージョンやライブラリを管理できる。
- システム全体のPythonに影響を与えず、依存関係が衝突しない。
具体例
-
システムに複数のPythonバージョンがある場合
仮想環境を使うことで、特定のプロジェクトに必要なバージョンを指定可能(例:Blender用に3.11.9を選ぶ)。 -
複数のプロジェクトで異なるライブラリを使う場合
プロジェクトAではnumpy 1.21
、プロジェクトBではnumpy 1.23
のようにバージョンを分けられる。
3. VSCodeでの仮想環境の設定と管理
仮想環境を作成する方法
-
ターミナルを開く(Ctrl+`)。
-
仮想環境を作成
python -m venv myenv
-
myenv
は仮想環境の名前。任意の名前に変更可能。 - 作成した仮想環境はプロジェクトフォルダ内に保存される。
-
-
仮想環境をアクティブにする
- Windows:
.\myenv\Scripts\activate
- macOS/Linux:
source myenv/bin/activate
- Windows:
VSCodeで仮想環境を選択する
-
ステータスバーを確認
画面下部にPythonのインタープリタ(例: "Python 3.11.9")が表示されている部分をクリック。 -
インタープリタを選択
- 表示されるリストから、作成した仮想環境を選ぶ(
myenv
など)。
- 表示されるリストから、作成した仮想環境を選ぶ(
-
自動的に認識されない場合
- 仮想環境のパスを手動で指定する。
ワークスペース設定に以下を追記(.vscode/settings.json
):{ "python.pythonPath": "myenv/Scripts/python" }
- 仮想環境のパスを手動で指定する。
4. Python 3.12と3.11.9を切り替えられる理由
新しく仮想環境を作成したことで、以下のような動作が可能になったと思われます:
- VSCodeが複数のPython環境を認識し、それをステータスバーで切り替えられるようになった。
- 仮想環境ごとにPythonのバージョンを指定できる。
5. まとめ
VSCodeでは、インタープリタと仮想環境を使い分けることで、プロジェクトに最適なPython環境を構築できます。
- 仮想環境(venv)はプロジェクト専用のPython環境を作るツール。
- ステータスバーや設定ファイルでPythonバージョンや環境を簡単に切り替え可能。
- Blenderで使用する3.11.9に合わせた環境を、各プロジェクトで柔軟に設定可能。