はじめに
私はこの3月でとある地方の大学を卒業する学生です.4月からはそのまま大学院に進学して情報工学を志す身ですが,ちょうど節目なので学部生時代を振り返っていくつか記事を書いていく予定です.
初回はざっくりIT系の資格に関する記事です.
試験合格の裏技!や試験に合格するための勉強法などの記事はたくさん上がっているので私からは,大学4年間の過ごし方を考える上で参考になるような記事を投稿します.
忙しい方は最後の表だけ見てください.
就活のために何か資格取っておくといいよ,誰しも一度は言われたことがあると思います.
かくいう私も2020年に大学へ入学した世代で,対外活動が制限される中いわゆるガクチカのために資格を取れという話はたくさん聞いてきました.
ですが…!資格試験ってとっても高いものが多く,さらに受けられる時期が限られます;;
そこで私のような,
- 単位を取得しながら研究活動を行い,
- 生活のためにアルバイトをし,
- さらにサークル活動やボランティアなどもやっていて
-
それなのにお金のない大学生でも
受験し合格することができた情報系の資格試験について時系列順に紹介していきます.
有名な試験ばかりなので,皆さんも知っているものが多いと思いますが,私の実体験が少しで皆様の参考になれば幸いです.
ただし,当時とはシラバスが変わってしまった試験もあるのでご注意ください.
学部1年(2020.04~)
コロナ真っ只中でした.スーパーからマスクが消えたのも,ダイヤモンドプリンセス号のニュースが毎日流れていたのも,緊急事態宣言が出されたのもちょうどこの時期です.
この頃は正直に言えば大学生活に慣れるので精一杯で,英語の資格を取ろうか考える程度でした.あとは自動車免許ですね.この記事には関係ないですが,自動車免許も早いうち取りましょう.この卒業の時期になって完全に取るタイミングを逃した友人が一定数います…
皆さんには同じようになってほしくないので,大学一年生の時間がある時から,どんな4年間にしようかプランニングして欲しいです.
学部2年(2021.04~)
この時期から大学はオンラインだけでなく,対面での授業も取り入れるようになり,自由な大学生活が戻ってきた時期でした.高校からの知り合い以外の新しい仲間に多く出会い,そこで資格試験に関する刺激を受けることとなりました.
ITパスポート(2021.08)
情報処理推進機構(IPA)が主催する,全ての社会人に求められるIT知識を問う資格試験です.
ざっくりまとめると以下の通りです.
目的: ITの基本的な知識とビジネスシーンで利用される情報技術の理解を測る試験.
対象者: IT業界でのキャリアを目指す学生や新入社員など,ITの基本的な知識が必要なすべての人.
範囲: ITの基礎知識,ネットワーク,データベース,セキュリティ,ソフトウェア開発,システム構築,ビジネスモデルなど.
費用: 7500円(2024.03現在)
この試験は選択問題のみなので,通常はCBT形式で開催されます.つまり,試験会場にあるPCを操作して,全てパソコン上で完結するタイプを試験です.そのため,試験は結構いつでも受けられます.
情報系の人だけでなく広く社会人も受けることが想定されているので,どちらかというとビジネス寄りの問題が多い印象です.
基本情報技術者試験(2021.11)
ITパスポートを取った勢いそのままで受けました.
実のところITパスポートは絶対受かると思っていたので,この試験に落ちた時の保険として取ったつもりでした.
こちらもIPAが主催する試験ですが,ここからは情報工学を専攻している学生でないとなかなか取得が難しくなってきます.
目的: ソフトウェア開発やネットワーク構築など,情報技術に関する基本的な専門知識と技能を認定する試験.
対象者: IT技術者としてのキャリアを積みたい人や,既にIT業界で働いているが,さらなるスキルアップを目指す人.
範囲: アルゴリズム,プログラミング,ネットワーク,データベース,セキュリティ,システム開発,プロジェクトマネジメントなど.
費用: 7500円(2024.03現在)
この試験も選択問題のみなので,通常はCBT形式で開催されます.いつでも受けることができ,かつ自分が最低限のITリテラシーを持っていることの証明になるので,忙しい方に特におすすめです.
こちらは情報系の方が受けることが想定されているので,どちらかというとプログラミングなどのエンジニア向けの問題が多く出題されます.セキュリティに関する問題も必答なので,普段からプログラミングをしている方でも追加で勉強が必要です.
学部3年(2022.04~)
この頃から,旅行等にも十分な感染対策を行えば自由に行けるような風潮になってきました.大学院進学をこの時点で決めていたので就職活動は特に行わず,これまでと変わらず資格取得を目指して勉強を進めていました.
応用情報技術者試験(2022.10)
こちらもIPAが主催する試験ですが,この時期になると大学で受けた授業(アルゴリズム,ネットワーク等)の内容も少なからず役に立ってくるようになりました.
目的: 情報システムの企画・設計・構築・運用・管理など、高度な情報技術とその応用能力を認定する試験。
対象者: システムエンジニアやプロジェクトマネージャーなど、情報技術を活用して業務を遂行する高度な技術者。
範囲: ソフトウェア開発、ネットワーク設計、データベース設計、セキュリティ管理、プロジェクトマネジメント、IT戦略など。
費用: 7500円(2024.03現在)
ここから少しハードルが上がります.記述式の問題が科されるために会場に赴いて受ける必要があります.そのため,開催されるのも年2回です.
試験の詳細は他の方の説明にお譲りしますが,この試験は答える問題のジャンルを一部選ぶことができます.セキュリティに関する問題は必答なものの,それ以外はプログラミングに関する問題を選んでもよし,プロジェクトマネジメントに関する問題を選んでもよし,データベース,ネットワークに関する問題を選んでもよしと,融通がきくので,ある意味で基本情報技術者試験よりも簡単に受かる方もいます(経験談).
G検定(2022.11)
この試験は日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する試験です.
2024.03現在では年に5回開催され,自宅のパソコンから受験可能です.
これまでに受けた試験は全てIPAの試験で,セキュリティに関する問題や,ネットワーク,データベース等に関する問題が中心でしたが,研究でAI関連の知識が必要になったので受験しました.
この資格は大学に学習にかかる教材代を負担してもらうことにより受験が実現しました.皆さんも受ける際には大学にそのような補助プログラムがないか調べてから受けてみてください.
目的: AI(人工知能)の基礎知識から応用までの幅広い知識を測る試験.日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施.
対象者: AI技術に関心がある人,AI技術をビジネスに応用したい人,AI技術者としてキャリアを築きたい人.
範囲: ディープラーニングの基礎,機械学習,ニューラルネットワーク,AIの社会的影響,AI技術のビジネスへの応用など.
費用: 5500円(学割こみ・2024.03現在)
この試験に合格すると, CDLEという合格者限定のSlackに入れます.毎日AIに関するニュースが入ってきたり,メンバー同士での議論がなされているところです.これに入るために受ける価値は十分にあります…!
学部4年(2023.04~)
この時期は政府から屋内でもマスクを外しても良いというお墨付きが出た時期でコロナ前の日常取り戻しつつある時期でした.
E資格(2024.02)
この試験もG検定同様,大学に学習にかかる教材代を負担してもらうことにより受験が実現しています.
この試験はG検定とは異なりPytorch
かtensorflow
のフレームワークの知識が必要になります.こちらはITパスポート,基本情報同様CBT形式です.
目的: ディープラーニングの理論と実践的な応用能力を有する高度な技術者を認定する試験.JDLAが実施.
対象者: ディープラーニングの研究や実務に従事する技術者,ディープラーニングを深く学び,応用したい人.
範囲: ディープラーニングの高度な理論,機械学習の高度な技術,大規模データの処理技術,ディープラーニングの応用例など.
費用: 22000円(学割こみ・2024.03現在)
にしても受験料が高いです;;
なので簡単に再試験というわけにもいきませんので,受ける際はどうか十分に準備をなさってください.
まとめるとこんな感じになります.
試験名 | 受験形式 | 受けた時期 | 費用 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
ITパスポート | CBT | 学部2年 | 7500円 | 初級 |
基本情報技術者試験 | CBT | 学部2年 | 7500円 | 中級 |
応用情報技術者試験 | 会場受験 | 学部3年 | 7500円 | 上級 |
G検定 | オンライン(自宅) | 学部3年 | 5500円(学割) | 初級 |
E資格 | CBT | 学部4年 | 22000円(学割) | 上級 |
修士1年(2024.04~)
そして資格取得のための道は修士に入っても続きます.高度情報施術者試験の合格を目指して,研究とともに頑張ります.
という半分自己満足の記事でしたが,いかがでしたか?資格の勉強方法は個人差があると思っているので,他人の方法がそのまま自分に合っているかと言われれば難しいと私は思うのですが,受ける時期についてなら参考にしてもらえると思います.
大学に入学してからの貴重な4年間を無駄にすることがないよう,この記事が皆さんが資格取得プランを考えるきっかけになれば幸いです.