そもそもワイヤレス充電って?
このテーマのきっかけが、「電気を供給するのにケーブルを使わないということが不思議で実感も湧かなかった」からなのですが……
現在、Android端末のみですが、「置くだけで(ケーブル無しに)充電ができる」充電器が販売されております。
どうやって充電してるのですか?
ワイヤレス充電と一口に言っても、「電磁誘導方式」、「電波受信方式」、「共鳴方式」と種類があります。
現在実用化している充電器は「電磁誘導方式」と「共鳴方式」で、レシーバーと充電器にコイルがあり、コイル同士で電磁誘導あるいは共振をさせることでレシーバー側のコイルで電流を発生させ、それを送電するという仕組みです。
ワイヤレス充電のメリットとは?
ケーブル要らずで充電ができるというのは、パッと想像すると画期的なイメージですが、少し考えると
ワイヤレスである必要性ってあるのかという疑問が浮かびます。
そこで、改めてワイヤレス充電のメリット/デメリットを考えてみました。
◇ケーブルが必要ない
充電器があればケーブルを持ち合わせる必要が無い。なので会社や施設等に充電器があればそのまま充電ができるというメリットがあります。
今度はデメリットです。
◆(電池に優しいか否かはありますが)充電しながらの使用には不向き
充電しつつ手に持って使用……というのはできない。
◆ワイヤレス充電非対応の機種がある
iPhoneは言わずもがな。(iPhone8ではワイヤレス充電ができるようになるとのことですが、独自の規格で出すとの噂もあり、もしかするとiPhone8は専用の充電器でしか充電不可能かもしれません)
Androidでは、別途レシーバーを装着することでワイヤレス充電に対応が可能です。
レシーバーはスマホケース型や厚さ1mmほどのシートのようなものがあります。
ただ、レシーバーにケーブルが付いており、それをコネクタに差すという構造であり、レシーバーで生み出した電流をそのケーブルで送電する仕組みなので、ワイヤレス充電と呼んでいいのかどうか、首をかしげる部分があります。(それであれば最初から有線充電器を差した方が……)
機種を選ばず、コネクタ部分を塞がないのであれば利便性があると思いますが、現状はそうではないようです。
部屋に入るだけで、どこでも充電してくれる?
まだ実用化に至っておりませんが、電流を電磁波に変換して送信、受信側で再度電流に変換して充電する方法が「電波受信方式」です。
電波なので送信側から数メートル離れていても、あるいは直線状に障害物があっても物体に反射することで送電を行うことが可能です。
KDDIとOssiaによる電波受信方式の充電システム「Cota」
その「電波受信方式」を形にしたものが、KDDIの支援会社Ossiaが開発した「Cota」です。
「Cota」の特徴は、給電用モジュールから10m離れても給電が可能なほか、複数端末を同時に充電することができるそうです。
加えて、スマホのアプリケーションから充電する端末を管理でき、認証システムを備えるので紐づけされた端末以外は充電しない仕組みになっているとのことです。
なにより特徴なのは、給電する端末にはICチップの搭載が必要ですが、非常に小型で搭載も難しくないとのことで、機種を選ばずコネクタも塞がない、従来のワイヤレス充電から大きく躍進したものになりそうです。
一方で課題もあり、現在の通常の充電器に比べ出力電圧が劣り、充電に時間がかかってしまうようです。
アメリカでは実用化が目前のようですが、日本でこの方式が実用化されるには法整備が求められるとのことです。
現在の電波法には「無線での電気供給」に関する規定がないため、電波法の整備が必要となってきます。
ワイヤレス充電の理想の将来
「電波受信方式」の充電であればスマホに限らず、電波を受信するアンテナを実装した電化製品であればどんなものでも充電できそうです。
先は長そうですが、それが家庭、公共施設、ゆくゆくは街中にその仕組みが整えば、日常生活においては電池が要らなくなるかもしれません。
参考:engadget「『スマホを充電不要にする技術』KDDIとOssiaが出展、距離10mでも使える無線充電Cotaをデモ:CES 2016」
http://japanese.engadget.com/2016/01/08/kddi-ossia-10m-cota-ces-2016/