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【Azure VM】Azure の仮想マシンを VMware に移行する【VMware ESXi】

Last updated at Posted at 2022-11-24

はじめに

どうも、ATLのヴィリアスです。
先日、 Azure 仮想マシンを VMware に移行しました。

2022年10月現在、 Azure と VMware 間の移行について
「VMware → Azure」の情報はインターネットにたくさん転がっていますが、
「Azure → VMware」の情報はまったくありません。(クラウドからオンプレに移行するケースがあまりないのかも)

そのため、今回は「Azure → VMwareの仮想マシン移行手順を記事にすることにしました。

※免責事項(必ず、ご一読ください)
  本記事の情報により生じた、いかなる損害や損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。
  また、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもありますので、
  必ずしも正確性を保証するものではありません。ご了承ください。

環境

ハイパーバイザー: VMware ESXi 6.7.0
仮想マシンのOS: Windows Server 2012 R2 Datacenter

Azure Portal から仮想マシンのディスク (VHD) をダウンロードする

Azure で稼働している仮想マシンの C ドライブ や D ドライブをダウンロードしていきます。

まず、該当の仮想マシンのページへ行きます。
image.png

仮想マシンを停止します。
image.png

停止したら、左メニューの [ディスク] をクリックします。
image.png

OS ディスクをクリックします。
image.png

[スナップショットの作成] をクリックします。
image.png

仮想マシンのページに「キャプチャ」というものがあります。
image.png

「スナップショット」に似ていますが、「キャプチャ」をすると
キャプチャ元の仮想マシンが "一般化" され、使用できなくなります。

今回は Azure の仮想マシンをそのまま VMware に移行したいため、
「スナップショット」を使っています。

※ "一般化" とは、コンピューター固有の情報を削除し、新たな仮想マシンに適用可能にすること。
(仮想マシンのテンプレートを作成するイメージです。)

[名前] は任意の値を入力します。
[スナップショットの種類] はフルを選択します。
[ストレージの種類] は "Standard HDD" を選択しました。
image.png

[確認および作成] ボタンを押下し、内容が問題なければ [作成] ボタンを押下します。
image.png

スナップショットが作成されたら、そのスナップショットのページへ行きます。
image.png

左メニューの [スナップショットのエクスポート] をクリックします。
image.png

[URL の期限が切れるまでの秒数] については、任意の値を入力します。
目安としては、「この後のダウンロードにかかる時間 + 7200」の値がオススメです。
私の環境では、 100GB のディスクのダウンロードに 2~3 時間、 500GB で 8~9 時間かかりました。

ちなみに、 URL の期限が切れてしまうとダウンロードが中断されます。

秒数を入力したら、 [URL の生成] をクリックします。
image.png

生成された URL を検索バーに入力または "VHD ファイルのダウンロード" のクリックで VHD をダウンロードできます。
URL は別ページに遷移してしまうと、再表示できないためメモをしておきます。
もし、メモしそびれた場合は [エクスポートのキャンセル] をクリックし、再度 URL を生成します。
image.png

ダウンロードが完了するまで待ちます。
image.png

ダウンロードが完了したら、次に VHD を VMDK に変換していきます。

データディスクが存在する場合、忘れず同様にダウンロードします!
image.png

VHD を VMDK に変換する

VHD は VMware では使用できません。
そのため、 VMware で使用できるファイル形式 VMDK に変換する必要があります。

qemu-img」を使用し、 VHD を VMDK に変換します。

qemu-img をインストールする

次のサイトにアクセスします。

サイト下部にダウンロードボタンがあるので、クリックします。
image.png

ZIPファイルがダウンロードされるので、任意のフォルダにて解凍します。
私は "C:\Program Files" にて解凍しました。

解凍後のファイル構成はこんな感じ。
image.png

ZIPファイルの解凍後に
環境変数の設定にて「qemu-img.exe」が格納されているフォルダへのパスを追加します。
画像1.png

qemu-img のコマンド

コマンドプロンプトにて VHD が格納されているフォルダに移動し、
VMDK に変換するコマンド (convert) を実行します。

VHD のサイズが大きいほど、変換にも時間がかかります。
私の環境では 100GB で 20~30 分、 500GB で 6 時間かかりました。

# VHD を VMDK に変換する (convert)
> qemu-img convert -O vmdk <source_file>.vhd <destination_file>.vmdk

# VMDK の情報を出力する (info)
> qemu-img info <source_file>.vmdk

# VMDK が破損していないかをチェックする (check)
> qemu-img check <source_file>.vmdk

その他、infocheckなどのコマンドもあります。

checkは、変換後のファイルを VMware にアップロードする前に
ファイルが破損していないかをチェック
するために使います。

VHD を VMDK に変換できたら、次に VMware にファイルをアップロードしていきます。

もしcheckで VMDK が破損しているのを確認したら、VHD をconvertで変換し直します。

VMware に VMDK をアップロードする

仮想マシンの C ドライブや D ドライブとなる VMDK を
VMware にアップロードしていきます。

VMware にログインします。本記事では VMware ESXi を使用しています。
image.png

左メニューの [ストレージ] を展開し、任意のデータストアを選択します。
image.png

データストアが存在しない場合は、新規に作成します。
image.png

[データストアブラウザ] をクリックし、任意の箇所に VMDK をアップロードします。
image.png
image.png

VMDK のアップロードが完了するまで、少し時間がかかります。
アップロードが完了したら、いよいよ仮想マシンを作成していきます。

仮想マシンを作成する

左メニューの [仮想マシン] をクリックし、 [仮想マシンの作成/登録] を選択します。
image.png

作成タイプの選択

[新規仮想マシンの作成] を選択します。
image.png

名前とゲスト OS の選択

[名前] は任意の値を入力します。
[互換性] は "ESXi 6.7 仮想マシン" を選択しました。
[ゲスト OS ファミリ]、[ゲスト OS のバージョン] は Azure からダウンロードした OS や バージョンに合わせます。
image.png

ストレージの選択

ストレージは任意のデータストアを選択します。
image.png

設定のカスタマイズ

仮想ハードウェア

以下の設定値は、記事用のものです。
実際は、作成する仮想マシンに合わせて設定値を変更してください。

項目名
CPU 2
メモリ 4096MB
ハードディスク 1 既存の 40GB のハードディスクは削除します。
そして、[ハードディスクの追加] > [既存のハードディスク] から
先ほどアップロードした VMDK (OS ディスク) を選択します。

ハードディスク設定の [コントローラの場所] は
"IDE コントローラ 0", "マスター" を選択します。
その他は、既定値で大丈夫です。

※OS ディスクの他に、データディスクがある場合は
上記の手順で同様に追加します。
その際、[コントローラの場所] は
"IDE コントローラ 0", "スレーブ" を選択します。
SCSI コントローラ 0 LSI Logic SAS
SATA コントローラ 0 -
USB コントローラ 1 USB 2.0
ネットワークアダプタ 1 VM Network
CD/DVDドライブ 1 ホストデバイス
ビデオカード デフォルト設定

仮想マシンオプション

何も変更しません。既定値で大丈夫です。

設定の確認

設定値を再確認します。
問題がなければ [完了] をクリックします。
image.png

すると、すぐに仮想マシンが作成されます。

仮想マシンを起動する

仮想マシンが作成できたら、起動していきます。

[パワーオン] をクリックします。
image.png

正しく設定できていれば、仮想マシンが起動します!
image.png

おわりに

当時、自分が作業していたときは
Azure から VMware に移行する方法がどこにも転がっていなかったので、上手くいくのか不安でした。

ですが、意外にもすんなりと仮想マシンの起動まで行き着けたので、拍子抜けしてしまいました。

もし私以外にも、「クラウドからオンプレに仮想マシンを移行したい!」という方がいたら
ぜひこの記事を参考にしていただければ嬉しいです。

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