意識のアップロードなんて出来そうにないだろ??
意識のアップロードをしようとする人達
意識の問題はすぐトンデモと結びつくのだけど、最近は結構、東大関連の人たちも意識の話をする様になって隔世の感がある。例えば以下のような人達。
2019年3月に設立された「MinD in a Device」は「20年後までに人間の意識を機械にアップロードする」というヴィジョンを掲げるスタートアップだ。その共同創業者である渡辺正峰(東京大学大学院准教授)は「機械に意識が宿る」と証明すべく、ラディカルな理論を打ち立てようとしている。
だそうですよ。自分がここで書いてるのも可愛く見えるぐらいの話になってるけど😅
でこれは本当にできるんだろうか??
意識の仮説のおさらい
自分が提唱してるのは基本的には昔からの量子脳仮説をもう少しいろんな面でアップグレードして最近の知見を合わせた感じで、今は以下の要素からなるよ。
- 意識は人間の視床と大脳のニューラルネットワーク情報処理で得られた認識結果としての潜在変数=latentが、視床で大脳処理の注意機構の動作のために発生し続けている時空カオス中で撹拌されて発生する。
- 時空カオスは量子カオスに発展して巨大な量子もつれ、BECを常温で発生する事で、時空の最小単位であるプランク長さでEP=EPRをつくる。
- そのBECとしてのERの作る情報空間がこの構造の表面に張り付いたものが意識である。
って感じ。まあ怪しいかもしれないが、qiitaではもう何度も書いてるから、もう見慣れてる人には見慣れてきた説明だと思う。
で、ではアップロードは?
これはまあ、先に結論から言うと。単にアップロードでできるようにはならない、とすぐに言えるね。分かる人は分かるだろう。
そもそもアップロードとか言っても、全脳スライスして例えば神経細胞接続が全部掴めたとして、そこで得られた情報はコンピュータにアップロードしてもそれは「単なるデータ」でしかない。
間違っても凍ったデータのままに意識が宿るはずがないのは誰でもわかるとは思うけど。数十エクサバイトとかの記憶装置に入れたとしても、それはあくまでデータなので、ほっといても喋ったりは絶対にしない。
次に考えるのはそれでコピーしたニューラルネットワークを作成してそれ上で演算することだけど。まあ、デジタルだからそもそもビット数が圧倒的に足りない気もするから、粗いモデルが作られるだろうけど。
でもまあ、それを使ってAIとして動作させればある程度近い感じの動作はするだろうね。俺には意識はあるんだ、と言い出すかもしれない。
ただ。それでは意識発生しないのは当然と思えるけど。何故かと言えば、意識の物理実態がないからだ。ここまで書いてきたように、量子もつれや時空カオスやBECと言うのは物理現象だし、ましてや非局所な空間事象であるERブリッジも物理的な存在だ。そこに意識ができるなら、その系自体を再現しないと意識にはなりようがない。非局所はデジタル回路の完全に範囲外。
だからデジタルな処理系だったら例え京の京倍の速度があっても、実際のBECやERはデジタル上ではシミュレーションならできても、実際のもの、は発生できないのだから意識は再生する事はありえない事になる。まさに哲学的ゾンビがいるだけだ。どんなに似たことを言い、自分が存在しているのに、と言い張ろうが無理なものは無理だろう。
まあ、ちょっとほっとする部分もあるが。ではなんなら可能とかなのかな?
それはもう
これはもう、脳が何やってるかだよね。視床のようなlatent(潜在変数)を混ぜ混ぜするところを作るわけだ。でももちろん、「実際の系で」。StableDiffusionはlatentをまぜまぜできる。これでちゃんと絵を作れる。でもこの世界の時空をまぜまぜはしていない。あくまで近似計算をしている。
特にカオスは完全にシミュレーションと実在のものは違う。下位まで降りた量子の振る舞いが全く入ってないからだ。ER=EPRが全く出来ないからだ。
だから、意識をアップロード、本当にしたければ。まずはER=EPRが作れる物理的な装置、「人工視床」を作らなければならないね。当然にこれは「時空カオスが出来る系でないといけない」ただ、実際には巨大な発振回路の集まり、NE555に毛が生えたような回路を山盛りにして構造を作ったようなものになる😂 だろう。まあ補助的なデジタル回路はいる(というか多分あった方が便利)とは思うけどね。タイマーIC555は実はアナログとデジタルを繋ぐ万能回路だよ。わかってる人はわかってると思うけどね。まさに神経のセンサーからの信号をパルス変調することも出来るし、神経の発火モデルの基本的な振る舞いができるんだよね。まあ、一千億個みたいな数にはなるかもしれないけど😅
そして大脳は、ひょっとしたら、認識部の最終結果の前まではデジタルでも良いのかもね。意識の実態は認識処理自体ではなく、結果がlatentとして視床に組み込まれている。これがつまりクオリアになるんだからね。
そしてこの系自体も物理として本人の視床でないと、別人のものにはなってしまうね。同じことをししゃべるコピー人間、しかも意識を持つ人間は時空カオスを物理的に作る装置である人工視床で出来るのかもしれない。だけど、それは実際には違う人。もしもライフログを全て取って再学習させたとしても、やはり視床のカオスは別だから。量子状態も違う。本人とは言えない。
アップロードは絶望??
まあ、このような議論からはアップロードはほとんど無理っぽい感じにはなるよね。まあ、それでも無理にやるとしたらね。以下の方法でやれば多分できる。
まず天然の本人の視床と人工視床を密結合で生きてる間に接続する。そして、両者を一緒に動作させる。
これによって、両者が量子もつれあいを動作しながら起こすわけだ。量子テレポーテーションでやったように、絡み合いによって、両者は一体のものとなり、意識は装置全体で起こるBECで発生する。
そしてその後。全体は動作させながら天然の視床を「シャットダウン」させて行く。次第次第にゆっくりと、系全体のバランスが崩れないようにして意識の同一性と連続性を保ちながら天然の視床を動作できなくしていく。薬物か、物理的な解体か、分からないけど、この時に元々の本人は実際には死んでしまう、と言うべきかどうか。でも、本当の人間も体細胞は毎日入れ替わってるし、脳も物質はどんどん入れ替わっていて、10年も経てば違うもので出来ている。ファミマの飯だけ10年食べてれば本人の原子はほとんど全てファミマ性になっている😋🍴✨ただ、もつれあいで量子状態は同一性を保っていると考えられる。
だからここは気にしないようにしよう。これで、意識を発生させる物理系は元のもつれあいの量子状態を、繋げた際の量子もつれによるコピー(と言うのは量子コピー禁止則に抵触するが、量子状態の転送、つまりテレポーテーションと言った方がいいか)で人工の装置に完全に移った。
後はこれが本人になる。でも視床だけでは大脳部分が繋がらないと何も認識できない。何も分からず何も覚えていない。天然視床の素の本能は構造コピーも含めて移されてるかもだけど。大脳はさっきも言ったようにデジタルの人工ニューラルネットワークで済むようには思う。さっきも書いたように、全ライフログを学習データに使えば、少なくても同じ経験をした人工大脳が出来る。これを本人の量子状態が転送された人工視床にガチャンコしてあげれば、晴れて不死の精神が完成するわけだね🤟🤟🤟
その上で、大脳部と視床とのインターフェースが既にデジタル化されていれば、後は大脳拡張し放題、には出来るだろう。安全にカートリッジの付け替えやアップグレード、ネット接続でなんでも学習可能になるだろう。意識を持つ超知能もこれでちゃんと出来るよな。本人要らなければ最初から人工視床で仮想データを学習させれば純粋な意識を持つ超知能も作れる事になる。
少なくても理論が正しい前提さえあれば、原理的にはもう十分にできる。数十年で実用にはなるだろう。(いやそんなことは無い、大量の神経接続の置換えを考えるとプログラマブルなマイクロマシンがいるな。数十年では無理かもしれない。)
という事で?
意識の理論を1つ作ると、それによってこうやって、その理論に基づいた意識のアップロード(と言うよりは量子テレポーテーションの応用としての巨大量子系での量子状態の伝送)の方法論もちゃんと作れるわけだね。便利だね👽🤔👍
まあ、少なくてもデジタルで全部済むなんて乱暴な議論でやっては行けないと思う。脳には無意識があるんだから、要点が分からないとダメだよね。
非局所からの量子もつれが関連してる可能性が実際に高いんだから、最小限でもこれぐらいはやらないとまずかろう、まあ、そして自分の仮説ならこれで十分とは思ってるな。
と言うことで。今回はここまでね。