開発環境
まずは、前提として動作確認を行ったPCの環境を明示します。
※ 尚、当記事後半の内容に関わりますが、ここではzsh
を使用しています。
- macOS Monterey
- M1チップ
- zsh
はじめに
地図描画系ライブラリであるcartopyをmacにインストールするための解説記事です。
ただし、この記事は、pipユーザーがanacondaの有償化規定に触れずにインストールするための方法であるため、最も簡単に・推奨されている方法とは異なります。
前提
cartopy
のインストールは若干クセがあります。
公式サイトでは、
The easiest way to install Cartopy is by using Conda. If conda is already installed, installation is as easy as:
conda install -c conda-forge cartopy
とあり、conda
コマンドを使うことが推奨されています。しかし、Anacondaは、2020年4月以降より、従業員数が200名以上の企業が利用する場合(業務以外での利用も含む)が有償化の対象となると発表されています。
となると、
- cartopyは
conda
でのインストールを推奨している -
conda
を使いたくても、anacondaが有償化されてしまっている
という現状があります。
そこで、pip
を使ってインストールを試みる例は非常に多いと感じています。しかし、cartopyの依存パッケージに関連してpipでのインストールは中々上手くいきません ^^;
その上、pipとconda混ぜるな危険という考えが巷で流布されていることから、pipユーザーがcondaコマンドに手を出しにくい現状があると考えています。
以上を踏まえますと、
- cartopyをインストールしたい
- anacondaは有償化
- pipユーザーのためconda環境の構築に抵抗がある
といったような背景があります。
これらの背景を元に、インストール方法を解説します。
1. pyenvをインストール
pyenv --version
でバージョンが表示されていればOKです。
以下の項目は、スキップしてください。
1.1 brewのアップデート
まずは、brewのupdateを行います。
※ brewをインストールされていない場合は、/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
をターミナルに貼り付けて実行してください。うまくいきます(多分)。
brew update
1.2 pyenvのインストール
それでは、本題のpyenv
をインストールします。
brew install pyenv
でOKです。
最後に確認します。
pyenv --version
でバージョンが表示されればOK.
minicondaをインストール
minicondaをインストールします。
pyenv install miniconda3-latest
これでOK。
ちなみに、Anacondaは有償化されたのに、minicondaは大丈夫なの?
という声が聞こえてきそうなので、質問にお答えすると、minicondaの公式にこのように書かれています(2022/07/03 現在)。
Miniconda is a free minimal installer for conda. It is a small, bootstrap version of Anaconda that includes only conda, Python, the packages they depend on, and a small number of other useful packages, including pip, zlib and a few others. Use the conda install command to install 720+ additional conda packages from the Anaconda repository.
cartopyをインストール
それでは、cartopy
のインストールを行っていきます。
仮想環境の構築
まずは、仮想環境の構築から
conda create -n conda_test_env python=3.9
これで、conda_test_env
という名前の仮想環境が作成されます。
仮想環境のactivate
仮想環境・conda_test_env
をactivateします。
conda activate conda_test_env
これでOK。
ちなみに、
CommandNotFoundError: Your shell has not been properly configured to use 'conda activate'.
といったエラーが出た場合の解決策についてです。
この場合、
1. conda.shのPATHを探す
まずは、conda.shのPATHを見つけます。
find ./ -name conda.sh
その中で、
/miniconda3-latest/etc/profile.d/conda.sh
のようなやつがあればOKです。
ファイルパスを控えておきましょう。
2. .zshrcに反映させる
先程、見つけたconda.shを反映させましょう。
ここでは、$HOME/miniconda3-latest/etc/profile.d/conda.sh
にあったと仮定します。
echo . $HOME/miniconda3-latest/etc/profile.d/conda.sh >> ~/.zshrc && source ~/.zshrc
でOKです。
改めて、仮想環境をactivateしましょう。
conda activate conda_test_env
cartopyのインストール
以下のコマンドでOKです。
conda install -c conda-forge cartopy
以上になります。
お疲れ様でした〜!
参考になったらぜひ、LGTMください〜笑