Kindle出版
Kindle出版ではdocxやEPUBで入稿することができる。kindle以外のkoboやbookwalkerなどにも出そうとするとEPUBにする必要がある。細かい組版をしようとするとdocxでは表示が崩れることがある。電書協EPUBガイドに沿って作ると国内の電子書籍販売サイトでは表示が崩れない。
テキストデータがあるが、Kindle向けのファイルがない人に向けたデータ作成方法を書く。青空文庫の注記をEPUBに変換するソフトウェアを利用してEPUBを作成する。
AozoraEpub3を電書協EPUBに対応した。電書協EPUBガイドに沿ったEPUBをできるだけ簡単に作る。電書協EPUBではソフトウェアの変換に向いていない部分があるので違うところもある。電書協EPUBとKADOKAWAEPUBのCSSを利用して青空文庫向けのスタイルシートを追加している。
使用ソフト
- AozoraEpub3
- MeryとMeryの各ツール
- oyaziviewer
AozoraEpub3のインストール
AozoraEpub3は青空文庫のテキストファイルをEPUB3に変換するソフトウェアです。動作にはJava21以降が必要となる。
Javaのインストール
AdoptiumのJavaではインストール時にパスが通るので使いやすい。
Windowsの場合はOperating System:Windows、Architecture:x64、Package Type:JRE、Version:21を選んでインストールしてください。今後さらに新しくする場合もあります。
インストール
下のアドレスからAozoraEpub3-*.zipをダウンロード
AozoraEpub3-*.zip を任意のフォルダに解凍します。
kindlegenのインストール
kindlegenはepubをkindleで読める形式に変換するツールです。単体でのkindlegenの配布がなくなりました。Kindle Previewer 3内のkindlegen.exeをAozoraEpub3のフォルダーにコピーしてください。
Kindle Previewer 3をインストールする
Kindle Previewer 3
OSにあったKindle Previewerをインストールしてください。Windowsの場合はKindle Previewer 3をインストールし、Kindle Previewer 3フォルダー内に「C:\Users\user\AppData\Local\Amazon\Kindle Previewer 3\lib\fc\bin」kindlegenがあります。userはご自分のユーザー名に置き換えてください。
起動
AozoraEpub3.jar をダブルクリックして実行します。 またはコンソールから "java -jar AozoraEpub3.jar" でも実行可。
※javaが見えなければフルパスで指定
例: "C:\Program Files\Eclipse Adoptium\jre-21.0.1.12-hotspot\bin/java.exe" -jar AozoraEpub3.jar
AozoraEpub3の使い方
起動したあとの画面
青空文庫をEPUBに変換
例として青空文庫の「吾輩は猫である」をEPUBに変換する。下記リンクから、テキストファイルのZIPファイルをダウンロードする
テキストファイル(ルビあり) zip 789_ruby_5639.zip
AozoraEpub3を起動後に拡張子でEPUBを選ぶとEPUB、mobiを選ぶとキンドル用に変換します。mobiの場合はkindlegenが必要です。AozoraEpub3に「ファイルまたはURL文字列をここにドラッグ&ドロップ/ペーストで変換します」の場所にzipファイルをドラッグ・アンド・ドロップします。そうすると、変換確認画面が表示されるので、表紙を入れるなどして変換する。
本文テキストの書き方
タイトルと著者名
タイトルを始めに、改行してから、著者名を書く。その後2行改行する。
章と節
章は大見出しで節は中見出し
見出しの書き方は後ろに書く方法と挟み込む方法があり、同じ内容に変換される。見出しはEPUBリーダーの目次としても変換される。
-
一[#「一」は中見出し]
-
[#中見出し]一[#中見出し終わり]
[#改ページ]を入れると改ページされる。EPUB内では別のHTMLとして出力される。EPUBリーダーでは[#改ページ]後は縦書きでは右端になる。
ふりがな
web小説で一般的な書き方と同じであるが()は使えないし半角ではない。
|吾輩《わがはい》
挿絵
[#ねこ(吾輩は猫である.jpg、横400×縦640)入る]
本文例
吾輩は猫である
夏目漱石
[#改ページ]
[#5字下げ]一[#「一」は中見出し]
|吾輩《わがはい》は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと|見当《けんとう》がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番|獰悪《どうあく》な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕つかまえて煮にて食うという話である。
(省略)
[#ねこ(吾輩は猫である.jpg、横400×縦640)入る]
[#5字下げ]二[#「二」は中見出し]
吾輩は新年来多少有名になったので、猫ながらちょっと鼻が高く感ぜらるるのはありがたい。
元朝早々主人の許もとへ一枚の絵端書えはがきが来た。これは彼の交友某画家からの年始状であるが、上部を赤、下部を|深緑《ふかみどり》で塗って、その真中に一の動物が|蹲踞《うずくま》っているところをパステルで書いてある。主人は例の書斎でこの絵を、横から見たり、|竪《たて》から眺めたりして、うまい色だなという。すでに一応感服したものだから、もうやめにするかと思うとやはり横から見たり、竪から見たりしている。からだを拗ねじ向けたり、手を延ばして年寄が三世相さんぜそうを見るようにしたり、または窓の方へむ
青空文庫エディターを利用して書く
青空文庫注記を手入力するのが面倒なので、ワードのようにそのまま編集できるエディターを利用する。
使い方
基本的な操作はブログなどのエディターと同じ感覚で使う。「青空文庫変換」ボタンを押すことで下のテキストエリアに青空文庫形式として出力する。「エディターへ出力」ボタンを押すと青空文庫形式を読み込んでエディター側に表示する。
h1が大見出し、h2が中見出し
ふりがなは感じに選択した状態で「ルビ」ボタンを押すとふりがな振れる。
縦中横は半角英数字を選択した状態で「縦中横」ボタンを押す。他縦中横の「縦書」ボタンを押すと縦中横を確認できる。
挿絵は画像の挿入ボタンを押してからURLから文章からの相対パスを入力する。代替の説明文をいれる。
その他に太字、斜体、下線、取り消し線、下付け、上付けなども同様にする。
保存
「青空文庫変換」ボタンを押すと青空文庫形式に出力されるのでタイトルと著者名を入れてからテキストエディターに保存する。
[#5字下げ][#大見出し]見出し1[#大見出し終わり]
[#5字下げ][#中見出し]見出し2[#中見出し終わり]
ふりがな
|漢字《かんじ》
縦中横
12[#「12」は縦中横]月12[#「12」は縦中横]日
挿絵
[#テスト画像(test.png)入る]
hr区切り
[#改ページ]
linkタグ
<a href="../">https://kyukyunyorituryo.github.io/</a>
リストタグ
[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
● リスト1
● リスト2
[#ここで字下げ終わり]
[#太字]太字[#太字終わり]
[#傍点]傍点[#傍点終わり]
[#傍線]傍線[#傍線終わり]
[#斜体]斜体[#斜体終わり]
[#傍線]下線[#傍線終わり]
[#取消線]打ち消し[#取消線終わり]
下[#下付き小文字]付き[#下付き小文字終わり]
上[#上付き小文字]付き[#上付き小文字終わり]
テキストの貼り付け
文章やHTMLやワードなどからコピー&ペーストでテキストを張り付ける。
本家版と改造版の違い
AozoraEpub3には本家版と改造版がある。本家版が更新されなくなったのと、電書協EPUBに対応させるために改造版を作った。本家版ではEPUBチェックで目次のエラーが出ることが多い。
本家版
改造版
Mery
MeryはWindows向けのエディターで
Meryの青空文庫用整形補助マクロ
ワードから青空文庫形式への変換
ベースとなっている本