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スピーカーの音響校正と補正方法の検証

## 校正とは何か?

スピーカーの特性を測定し、音源が正確に再生されているかどうかを確認・補正する作業を「校正」と呼びます。映画館やスタジオなどの専門環境では、この校正が当たり前のように実施されています。

個人でも、ホームシアター向けの機器には校正機能が搭載されている場合があります。

測定・補正ツールの比較:REWとEffeTune

測定用ソフトとして有名な REW(Room EQ Wizard)を使ってみましたが、やや取っつきにくく、情報も英語が中心でした。

一方、EffeTune は簡単に特性を測定・補正できる上、プレイヤー機能も備えており、再生もスムーズです。

ただし、私は音楽の管理や再生に foobar2000 を使用しているため、次のいずれかの方法を検討しています:

  • EffeTune で得られたイコライザー設定を foobar2000 に反映させる
  • Equalizer APO に設定を入力し、Windows 全体でスピーカー補正を行う

音響補正には測定用マイクが必要

測定にはマイクを使います。スピーカーの特性を把握し、必要に応じて補正を行います。

特に、校正データが付属している測定用マイクを使用することで、より正確な測定が可能です。

ただし、マイク単体では使えず、ケーブルやオーディオインターフェースも必要になるため、費用が高くなる傾向があります。

なお、スマートフォンのマイクや USB マイクを測定用として使えるかどうか、実際に試しながら検証しています。


EffeTune のインストール手順

  1. EffeTune-1.49.0-Windows-Setup.zip をダウンロード・解凍
  2. 中にある EffeTune-1.49.0-Setup.exe を実行
  3. 「現在のユーザーのみにインストール」を選択
  4. 「次へ」をクリックし、インストール
  5. 起動後、Effect Pipeline にマイクのインジケーターが表示される
  6. 音楽ファイルを読み込むと、一部が文字化け
    • 古い MP3 ファイルの ID タグ仕様が原因と思われる
    • Exact Audio Copyfreac で取り込んだ FLAC ファイルでは文字化けしなかった

周波数特性の測定と補正

  1. メニューバーから「設定」→「周波数特性測定」
  2. 測定名に「スピーカー」と入力し、他の設定は変更せずに実行
    • 使用したノートPCは 24bit / 192kHz に対応
  3. 「テスト信号」をクリックすると、音量の適正が診断される
    • 「マイクとスピーカーの音量が小さい」と出たため、スピーカーの音量を上げた
    • 測定信号がスピーカーから流れる

PEQ 設定のコピーと再生テスト

  1. 測定完了後、EffeTune で PEQ 設定をクリップボードにコピー
  2. 左のタブから▶ボタンで開き、「15BandPEQ」を LevelMeter 上にドラッグ&ドロップ
  3. 15BandPEQ 上で Ctrl+V を押してペースト
  4. 音楽を再生してみると、声の部分が明らかに下げられていた
  • スピーカーの性能上、低音を強調すると中音域にノイズが乗る
  • 低音が出ないスピーカーでは、むしろ低音をカットした方が良い場合がある
  • 音楽用スピーカーのほうが校正には向いていると感じた

マイク設定と測定結果の違い

  • Windows のサウンドプロパティには「音声フォーカス」という処理があり、声以外を低減する機能が有効になっていた
  • 測定には USB コンデンサーマイクを使用
    • 測定結果は、人の声がわかれば十分という傾向の特性だった
    • パソコン用スピーカーではこのような特性が一般的かもしれない

スマートフォンを USB マイク化するアプリも存在し、代用可能か検証中です。


測定データと補正効果の確認

周波数測定.png

補正後の周波数特性
補正後.png

  • SP-MXS77WMD は 低音が強く、高音が出にくい傾向

  • 補正なしでは、声にノイズが乗るような印象

  • 補正後は改善されたが、500円アンプでは出力不足が見られた

  • 耳の位置にコンデンサーマイクを固定して再測定

    • 前回より低音が出ていない
    • スピーカーの特性として、50Hzが下限
    • 補正の下限を50Hzに設定し、それ以下はカット(過負荷防止)
    • ツイーターのピークは1500Hz付近。高音はほとんど出ていない
    • ツイーターの追加が必要になりそうな特性だった

結論

簡易な測定と補正でも、スピーカーの特性を把握し、再生音質を向上させることは十分に可能です。特に、測定マイクの精度やスピーカーの性能、補正方法の選択が重要なポイントとなります。

より良い音響環境を整えるために、費用や手間をかける価値はあるでしょう。

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